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◎カーボンニュートラルへ自動車産業の責任 豊田会長の記者会見

 トヨタ自動車の社長で、日本自動車工業会の豊田章男会長は9月9日、オンラインで記者会見を開きました。トヨタの社内誌のWeb版の「トヨタイムズ」が「カーボンニュートラル 基幹産業としての切実な想い」と題して詳細に伝えています。

 世界各地では、異常な豪雨、台風・ハリケーン、猛暑、森林火災、氷河の融解など気候変動どころではない「気候危機」が襲っています。その原因である温室効果ガス―その大半のCO2の削減は、待ったなしの状況です。

 実際、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)「1.5度特別報告書」は、2030年までに大気中への温室効果ガスの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して1.5度までに抑え込むことができないことを明らかにしています。

 豊田会長は記者会見で、菅自公政権がCO2を、30年度までに46%削減し、自動車関連目標としては35年までに100%電動車にするカーボンニュートラルについて、次のようにのべました。

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 私たちの敵は「炭素」であり、「内燃機関」ではありません。炭素を減らすためには、その国や地域の事情に見合ったプラクティカルでサステナブルな取り組みが必要だと思います。
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 CO2の排出量の分野別割合(2019年度、環境省)は、発電所(エネルギー転換)が最も多い39%で、産業(工場など)の25%、運輸(自動車など)の18%と続きます。

 自動車産業はCO2排出の大きな責任を担っています。しかも、豊田会長が会見で示した資料では、自工会各社の海外生産の割合は66%(2019年)と海外が3分の2を占めています。

70 各国のCO2削減目標
(「トヨタイムズ」から)

 それだけにCO2削減では、自工会が率先して行動する責任があります。そもそも菅政権の目標は、EUが55%減(1990年比)というように、先進国が最低でも50%以上、60%台の目標を掲げているときに低すぎるものです。

 日本の目標の電動車には、ハイブリッド車(HV)が含まれており、ガソリン(内燃機関)を使っています。ところが世界では、EV化が加速しています。

 独フォルクスワーゲンは30年に欧州のEV販売を7割に、仏ルノーは30年に欧州のEV販売を9割に、独ダイムラーは30年にメルセデス・ベンツをEV専業になど世界の自動車メーカーは一斉にEVへシフトしています。

 日本でもホンダは4月23日、2040年までにはハイブリッド車を含むガソリン車なくし、すべて電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)にすると発表しました。

 2030年までにCO2を45%削減することは、地球で人類が生存する上での最低限の目標です。

 車は10数年で買い替えられています。新車の販売を2030年までにEVやFCV(燃料電池車)などゼロエミッション車(ZEV)に全面的に切り替え、2050年までに自動車からのCO2を実質ゼロにすることがトヨタをはじめ日本の自動車メーカーの責任ではないでしょうか。

 豊田会長は、「私どもの試算では、2030年代でも、内燃機関以外のクルマ(BEV=Bはバッテリーのこと=やFCEV)の生産台数は、200万台にも到達しないと見ておりますので、(現在が1000万台であることを考えると)800万台以上の生産台数が失われるということにもなると思います」とのべています。

レクサスUX300e 電池
(レクサス「UX300e」の電池システム)

 トヨタはHVやEV、FCVなど全方位で開発できる技術と20数兆円の内部留保を持つ潤沢な資金を持っています。すでにレクサスEVの「UX300e」を販売しています。

 世界1の自動車メーカー、トヨタが率先してEV化への流れを作れば、2030年までにCO2を45%削減することは十分、可能ではないでしょうか。いや、トヨタこそリーダーシップを取るべきでしょう。

60 自工会各社生産台数
(「トヨタイムズ」から)

 豊田会長は、800万台以上の生産台数が失われると、「(日本の自動車産業関連で働く)550万人の大半の雇用を失う可能性がある」とまでのべています。EV化によってエンジンがなくなり、部品が大幅に少なくなるからです。

 CO2削減は、人類の生存がかかった大問題であり、国と自動車メーカーの責任で労働者の雇用や関連下請けの営業を守る責任があります。そうした責任を果たすことが大企業の責任のはずです。
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決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/09/19 17:33
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