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◎“安倍は国家なり”を痛烈に批判 元検事総長ら

 安倍首相が、首相に近い東京高検の黒川弘務検事長を検事総長に就任させようとたくらむ検察庁法「改正案」。自民党は5月15日の衆院内閣委員会で強行採決ができませんでした。

 ツイッター“デモ”が数百万にのぼるという空前の国民の批判、元検事総長ら検察官OBがこの日、法務省に同法反対の「意見書」を提出、国会前での抗議行動など、安倍首相と自民党へ厳しい抗議が出ているからです。

 こうした国民の声を背景に、立憲民衆党や日本共産党など野党はこの日、武田良太・国家公務員制度担当相の不信任決議案提出。同決議案は週明けの本会議で採決されるために、自民党は委員会での採決ができませんでした。

松尾元検事総長らが意見書 NHK
(法務省へ向かう松尾邦弘・元検事総長=右=ら、NHKテレビから)

 なかでも松尾邦弘・元検事総長や清水勇男・元最高検検事ら検察OB14人が法務省に「意見書」を提出したのは大きなインパクトになっています。安倍首相の「内閣の恣意的な人事が行われることはない」(15日の参院本会議での答弁)がいかにデタラメかを示しています。

 「意見書」では、黒川氏を検事総長に就任させよというねらいを厳しく問いただしています。

「現在、検察には黒川氏でなければ対応できないというほどの事案が係属しているのかどうか。引き合いに出されるゴーン被告逃亡事件についても黒川氏でなければ、言い換えれば後任の検事長では解決できないという特別な理由があるのであろうか。法律によって厳然と決められている役職定年を延長してまで検事長に留任させるべき法律上の要件に合致する理由は認め難い」

 また、安倍首相の国会でのこれまでの答弁を引用し、「フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕は国家である』との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」と痛烈に批判しています。

 「意見書」は、首相も逮捕、起訴できる検察官が権力に屈しなかったロッキード事件の検察内部の葛藤を赤裸々に明らかにするなど、検察官の職務への矜持にあふれています。

 それは、戦後営々と積み重ねてきた検察と権力との距離を、検察庁法「改正案」でつぶされることの無念さと、現職検察官への奮起をうながした格調高いものとなっています。

         ◇

 ロッキード事件に触れた部分は、次のところです。

……
かつてロッキード世代と呼ばれる世代があったように思われる。ロッキード事件の捜査、公判に関与した検察官や検察事務官ばかりでなく、捜査、公判の推移に一喜一憂しつつ見守っていた多くの関係者、広くは国民大多数であった。

 振り返ると、昭和51年(1976年)2月5日、某紙夕刊1面トップに「ロッキード社がワイロ商法 エアバスにからみ48億円 児玉誉士夫氏に21億円 日本政府にも流れる」との記事が掲載され、翌日から新聞もテレビもロッキード関連の報道一色に塗りつぶされて日本列島は興奮の渦に巻き込まれた。

 当時特捜部にいた若手検事の間では、この降って湧いたような事件に対して、特捜部として必ず捜査に着手するという積極派や、着手すると言っても贈賄の被疑者は国外在住のロッキード社の幹部が中心だし、証拠もほとんど海外にある、いくら特捜部でも手が届かないのではないかという懐疑派、苦労して捜査しても(1954年に犬養健法相が指揮権を発動し、与党幹事長だった佐藤栄作氏の逮捕中止を検事総長に指示した)造船疑獄事件のように指揮権発動でおしまいだという悲観派が入り乱れていた。

 事件の第一報が掲載されてから13日後の2月18日検察首脳会議が開かれ、席上、東京高検検事長の神谷尚男氏が「いまこの事件の疑惑解明に着手しなければ検察は今後20年間国民の信頼を失う」と発言したことが報道されるやロッキード世代は歓喜した。

 後日談だが事件終了後しばらくして若手検事何名かで神谷氏のご自宅にお邪魔したときにこの発言をされた時の神谷氏の心境を聞いた。「進むも地獄、退くも地獄なら、進むしかないではないか」という答えであった。

 この神谷検事長の国民信頼発言でロッキード事件の方針が決定し、あとは田中角栄氏ら政財界の大物逮捕に至るご存じの展開となった。時の検事総長は布施健氏、法務大臣は稲葉修氏、法務事務次官は塩野宜慶氏(後に最高裁判事)、内閣総理大臣は三木武夫氏であった。

 特捜部が造船疑獄事件の時のように指揮権発動に怯えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制的な政治家たちの存在であった。

 国会で捜査の進展状況や疑惑を持たれている政治家の名前を明らかにせよと迫る国会議員に対して捜査の秘密を楯に断固拒否し続けた安原美穂刑事局長の姿が思い出される。
……
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安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2020/05/16 11:52
コメント
ママからお小遣い数億円貰って脱税した鳩山元首相を立件できなかった検察が首相を逮捕なんて出来るのかね?

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