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◎30m超大型天体望遠鏡の建設計画が棚上げ

 写真は、NASAがホームページで公開しているNGC 4651として知られる渦巻銀河です。疲れた時、NASAのホームページを見ると、信じられないような宇宙の美しい画像に癒されます。

 われわれ地球に住む人類は、137億年のビックバン宇宙の大きさから見れば、ゴミにも満たない小さなものです。宇宙の成り立ちを知りたいと思えば、必要なものは望遠鏡です。

50 渦巻銀河
(渦巻銀河NGC 4651=NASAのホームページから)

 「TMT」望遠鏡は、Thirty Meter Telescopeの略で、口径が30mもある光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡です。日本、米国、カナダ、中国、インドの国際協力事業で、ハワイで建設が進められています。

 日経新聞(4月6日付)が、ハワイ先住民族の反発で建設計画が棚上げになっているといいます。文部科学省が2020年度概算予算で、約31億円としていたTMTの建設費の計上を見送ったといいます。

 ハワイ島のマウナケア山頂近く、標高4012メートルの高地に建設する予定です。観測が大気のゆらぎに邪魔されないように富士山よりも高い所に建設するものです。

 同じ高所にある日本の国立天文台の「すばる望遠鏡」は、数々の成果をあげていますが、口径は 8.2mです、TMTは、その4倍近くもありますから、どれだけ巨大かがわかります。492枚の小さな六角形の鏡を組み合わせて作られる分割鏡です。

 TMTが完成すれば、最も遠いところにある宇宙初期の銀河や初代星(ファーストスター)の探索、多数の銀河や恒星の効率的な分光観測、太陽系外惑星の直接撮影や分光観測などの多くの研究が一気に進むといわれています。

修 TMT完成予想動画
(「TMT」望遠鏡の完成予想動画=国立天文台のニュースから)

 建設計画のプロジェクト室が発足したのは2005年。14年に建設工事は始まりましたが、先住民らの反対運動で工事は中断しました。紆余曲折を経て建設再開にこぎつけましたが、住民らが山頂につながる道路を封鎖する抗議活動を展開し、工事は再び中断したままといいます。

 日経によると、先住民らにとってマウナケア山は神殿の遺跡などもある神聖な場所であり、「マウナケア山の文化や自然を守るためだけでなく、先住民の地位向上を目指す社会運動の側面も強い」といいます。

 宇宙の成り立ちを知りたいという人間と学者の思いとハワイの先住民の神聖な場所を守って欲しいという思い――この2つの思いがうまく解決されることを願わずにはおれません。
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その他 | 2020/04/06 15:50