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中島岳志著のユニークな『自民党』論

 東京工業大学の中島岳志教授の著作『自民党』(スタンド・ブックス)が面白い。「政治家は国内政治において、大別すると<リスク>(お金)と<価値>をめぐる仕事をしています」として、縦軸に「リスクの問題」、横軸に「価値の問題」を置いたマトリクスで政党、政治家を評価しています。

 これを表で分りやすく示すと、縦軸の上は「リスクの社会化(セーフティーネットの強化)」、下は「リスクの個人化(自己責任)」、横軸の左は「リベラル(寛容)」、右は「パターナル(権威主義、父権制)」です。

25 自民党 中島岳志

中島岳志 政党の立ち位置


 著書の冒頭では、安倍晋三首相を分析。安倍氏の著作から安倍氏の実像に迫っています。安倍氏分析の中見出しを拾うと―。

・議員生活は歴史認識問題からスタート
・「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」事務局長に
・アンチ左翼、アンチ・リベラル

・靖国参拝は国家観の根本
・日米安保強化を一貫して強調
・政治家は結果責任をとることで免罪される
・日本型ネオコン勢力の権力奪取

 この中見出しを見れば、安倍氏がどんな政治家かがわかります。中島教授は、安倍首相が執念を燃やしている、2020年にも憲法9条を変え、自衛隊を海外で戦争できる国につくり変えようとしていることについて分析しています。

 次の引用文は、安倍氏の著作『この国を守る決意』からです。

……
私は、三つの理由で憲法を改正すべきと考えています。まず現行憲法は、GHQが短期間で書き上げ、それを日本に押し付けたものであること、次に昭和から平成へ、二十世紀から二十一世紀へと時は移り、九条等、現実にそぐわない条文もあります。そして第三には、新しい時代にふさわしい新しい憲法を私たちの手で作ろうというクリエイティブな精神によってこそ、われわれは未来を切り拓いていくことができると思うからです。
……

 アメリカのトランプ大統領べったりで、米国の高額な兵器を爆買いするなど、アメリカいいなりになっている安倍氏が、現憲法をアメリカの“押し付け憲法”だと言っていること自体、笑い物です。

 中島教授は、安倍氏の「本来の関心は、横軸(価値の問題)に集中しています。そして、その姿勢は本人が言及するように『アンチ・リベラル』です」と指摘。「わずかに語られる楯軸については、『徹底した行革』を強調していることから『リスクの個人化』を志向している」と分析しています。

 よって安倍氏は、Ⅵのタイプの政治家と位置付けることができる、と指摘します。つまり、「リスクの個人化」とは、リスクは個人で対応せよ――自己責任で生きていけということです。

 横軸の「価値」の問題では、権力を持つ者が価値観の問題に対して介入・干渉を強めることであると中島教授は指摘。こんな安倍氏が長年にわたって首相を務めていては、日本がとんでもなく息苦しい国になってしまいます。
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安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/11/04 21:57
コメント
No title
セーフティーネットの強化やリベラルの傾向の強い社民党と共産党は党職員のリストラや首切り、「党職員は労働者じゃない」とか公言している事を考えると、セーフティーネットとは、リベラルとは何なのか考えてしまいますね。
何も決まらない決めれない政治
責任感が皆無なので
反対や批判での主張しかできない

また他国との外交能力?外交力はゼロ

本気で頭にお花畑がある
無責任だから言える
出きるものならやってみろを
無責任ゆえに言える

それが左上側のグループです


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