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◎トヨタ 「社員手帳」が配布されたが…

 トヨタ自動車が社員に「社員手帳」を配布しました。こうした手帳は初めてといいます。

 内容は、「はじめに」「第1章 プロとは」「第2章 豊田綱領」「第3章 TPS」「第4章 原価低減」「第5章 私たちの心構え」から成っています。

 「はじめに」では、なぜ、こうした冊子をつくったのかとあります。世界の自動車産業は現在、参入してきた米IT企業などとともに、「100年に1度の大変革期」を迎えているといいます。

 これは、豊田章男社長が常に語っていることです。その上で、「この時代を生き抜くため、全員が強い危機感を共有し、もう一度、トヨタの強みを取り戻さなくてはいけません」といいます。

 そして、「全員が変化の時代を闘い抜く『プロ』になる必要があります」として、全員が理解すべき「必須項目」をまとめたとしています。

 「プロとは」では、「目指すべき人材像」として、2点をあげています。
 1つは、「トヨタの強みを理解・実践(豊田綱領、TPS、原価低減)」できる人材であり、もう1つは「『専門性』と『人間力』があり、トヨタの看板がなくても外で勝負できる」人材としています。

40 トヨタ 社員手帳


 「豊田綱領」では、5項目のすべてを、現代語訳を加えて解説しています。

一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を拳ぐべし
一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし
一、華美を戒め、質実剛健たるべし
一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし
一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし

 「豊田綱領」とは、豊田社長の曽祖父の「豊田佐吉の考え方を、豊田利三郎、豊田喜一郎が中心となって整理し、成文化したもの。佐吉の5回目の命日にあたる1935年(昭和10年)10月30日に発表された。トヨタグループ各社に受け継がれ、全従業員の行動指針としての役割を果たしている」(『トヨタ自動車75年史』)というものです。

 TPS(トヨタ生産方式)は、「豊田佐吉が発明した自動織機を起源とする『自動化』と、豊田喜一郎が提唱した『ジャスト・イン・タイム』を2本柱とする経営哲学であり、ムダの徹底的排除の思想に基づいて、造り方の合理性を追求したもの」と解説しています。

 「ムダ」の項目では、手待ち、運搬、加工そのもの、在庫、動作、不良品、手直しの7つのムダをあげています。「参考」として、事務系の職場の7つのムダをあげています。

 会議、根回し、資料、調整、上司のプライド、マンネリ、「ごっこ」

 「原価低減」では、その「考え方」と「心構え6箇条」をあげ、徹底的にムダを無くす、会社のお金=自分のお金と心得る――などとしています。

 「私たちの心構え」では、10箇条を示しています。「お客様第1」「チャレンジ」「改善」「現地現物」「愛社精神」……。

 以上の内容ですが、豊田綱領、TPS、原価低減など、いずれも豊田社長が常日頃、強調していることです。それを全社員が理解すべき「必須項目」としてまとめ、社員が常時携帯することで、徹底しようというものです。

 ある社員は、「社員証と同じで会社からの貸与品といわれている。退職時に返さなければならない。サイズが大きいので常時携帯は現実的ではないです」と語ります。

            ◇

 トヨタ生産方式の「徹底的にムダを無くす」ことや「豊田綱領」のなかの「産業報国」の問題については、このブログ「トヨタで生きる」で、何度も取り上げたものです。以下に、その要点を紹介します。

▼2012年10月5日アップから

 元期間従業員のMさん、お元気ですか? 昨年末、「トヨタの正社員になりたい」と希望をいだいて期間従業員になりましたね。しかし、夢はかないませんでした。最初の契約期間(3カ月間)が満了になる前にお会いしましたが、びっくりしました。

 あなたの手の皮膚は、ボロボロにむけていました。顔は青白く、心は沈み込んでいました。あなたは、組立ラインの過酷な労働に、身も心もボロボロになって故郷に帰って行きました。

(手の皮膚がボロボロになったMさん)
(手の皮膚がボロボロになったMさん)

 Mさん、トヨタの期間従業員は2度目でしたね。1回目は2年11カ月働きました。リーマン・ショックの時でした。延長を会社に求め、労組にも相談しましたが、かないませんでした。

 正社員登用試験を2回、受けましたね。あんなにまじめに働いていたのに、登用されませんでした。ですから、トヨタでふたたび働くことになったあなたは、「今度こそ正社員に」という熱い思いを語ってくれました。


▼2019年3月18日アップから

 戦前、「産業報国会」という言葉があった。「昭和10年代の日本で労使協調による軍需生産の増強をはかるため各企業内に一斉に生れた組織」(「ブリタニカ国際大百科事典」)のことである。産業報国はここからきている。

 トヨタは戦前、「国産乗用車」をつくりたいと願っていた創業者・豊田喜一郎(章男社長の祖父)の意に反して、軍部から軍用トラックの生産を命じられた。2014年3月に放送されたテレビドラマ「LEADERS」(リーダーズ、佐藤浩市主演)で放送されたから覚えていると思う。

 「産業報国」のもと豊田市では、終戦前日の1945年8月14日、現在のトヨタ自働車本社工場など3カ所に、長崎に落とされた原爆と同型の核模擬爆弾・パンプキンが米軍によって投下された。

 トヨタが軍用トラックなどを生産する軍需工場に指定されていたからである。戦争が続けば現在のトヨタはなかったといわれている。そうした歴史的な意味を持つ負の言葉、「産業報国」を、「豊田綱領」に掲げたからといって安易に使っていいものだろうか。
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職場は今 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/08/20 18:02
コメント
フォルクスワーゲンはナチスドイツ下で「国民車(フォルクスワーゲン)を!」と言うスローガンに則って作られた会社社名を続けてるのに
安易に言葉狩りに走って弾圧をかけるあたり共産党の独裁政党の性質が良く出てるんじゃないですかね?
No title
的外れ
何でもブログにUPして良いわけではない

よく考えろ


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