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◎原発 裁判官の肉声

 裁判官の肉声を聞いたことがありますか? 現職はむずかしいとしても、なぜ、そのような判決文を書いたのか? 原発裁判なら、なおさら、裁判官の肉声を聞きたいでしょう。3・11のような原発事故が起きたのだから。

 井戸健一さん(58)は、稼働中の原発を差し止める判決を唯一、出した裁判官です。金沢地裁在任中の2006年3月、住民が北陸電力・志賀第2原発(石川県)の差し止めを求めた裁判で、「被告は志賀原発2号機を運転してはならない」との判決を出しました。

 福島第一原発事故が起きた2011年に退官し、現在は彦根市で弁護士をしています。朝日放送系の報道ステーションで福島原発事故について語ったり、原発ゼロをめざす毎週金曜日の首相官邸前行動に参加したりしています。

井戸健一裁判長
(金沢地裁で判決を出す井戸健一裁判長、朝日放送系から)

 『原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したのか』(朝日新聞出版、2013年3月)は、記者が原発裁判で判決を書いた元裁判官に取材したものです。主な原発裁判は18件ありますが、ほとんどが住民側敗訴です。

 井戸さんの判決も、高裁で破棄され、最高裁で棄却されます。同書には、住民側敗訴の判決を書いた元裁判官は、苦悩しながらインタビューに応じています。しかし、最高裁の元裁判官はインタビューを拒否しています。

 井戸さんは、判決文を書いていた真冬、布団のなかで体中から汗が噴き出すことがあったとインタビューに答えています。国の耐震設計審査指針は、多くの学者らが作ったものであり、「しろうとの裁判官には大変なプレッシャーだった」と語ります。

『原発と裁判官』


 無難な判決を書いた方がいいという誘惑もあったと率直に語りながら、北陸電力の地震への甘い想定に乗ることができなかったといいます。その上でこう語ります。

 「志賀原発の訴訟の判決は、原発政策そのものを否定したものではなかったということです。原発を動かすのなら、ちゃんと安全性を高めてほしいという趣旨でした。わたし自身、当時は電力供給の観点から原発は必要だと考えていましたから」

 その井戸さん、今は弁護士として、1市民として「原発という危険なものは、即時停止すべきです」と発言しているといいます。実に、人間らしい肉声です。

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未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/05/27 17:32
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