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◎両輪でなく、1輪でいいのでしょうか?

 トヨタ自動車労組は、会社と労働組合との関係について、「労使はクルマの両輪」と主張しています。最近も、同労組の第86回定期大会(10月19日開催)報告で次のようにいいます(10月25日発行の「評議会ニュース」)。

 「トヨタは『生きるか、死ぬかの状況』。だからこそ、『労使はクルマの両輪』であるということを、見つめなおす必要がある」

 豊田章男社長は、電気自動車化や自動運転化など「CASE」と呼ばれる「100年に1度の大変革期」であり、トヨタは「生きるか死ぬか」の状態だと危機感を煽っています。

 そうしたことを受けて、組合は改めて「労使はクルマの両輪」と主張しています。両輪ならば、組合として主張すべきは主張しなければ、クルマはどちらかに傾いてしまうでしょう。どちらが欠けてもクルマは走らなくなります。しかし、この間の組合の動きは、両輪ではなく1輪のようになっています。

クルマの両輪
(トヨタ労組の「評議会ニュース」、第86回定期大会の開催結果から)

 18春闘で、会社は賃上げ(ベア)について、「昨年を上回る」という日本語回答をし、具体的な数字は明らかにしませんでした。日本1の利益を上げるトヨタの賃上げの実態が明らかにならず、労働組合の全国組織、連合や上部団体の自動車総連、金属労協(JCM)の集計に入らなくなったのです。

 労働組合は、それぞれの企業の賃金の実態を明らかにし、産業別に共闘して最大限の賃上げを実現する――こうした日本独特の春闘に大きな障壁が出来ました。中小労組や未組織労働者への波及効果も難しくなくなりました。

 ところが19春闘で、トヨタ労組は会社に呼応するように賃上げ要求を定昇込みにし、その中で賃上げ分がどれだけになるかを明らかにしませんでした。このため18春闘に続いてトヨタの賃上げは、どれだけになったかが不明になったのです。

 さらに19春闘の労使協議会で会社は、「“全員一律”の賃上げ(ベア)」を否定しました。これにも呼応するように、トヨタ労組も20春闘から会社が行う個人評価(A~Eの5段階評価など)を基にした要求に切り替える方向といわれています。

 これでは労働組合としての主体性はなくなってしまいます。春闘で重要な労働組合間の連帯も生まれません。「労使はクルマの両輪」ではなく、1輪だけになってしまい、春闘というクルマはまともに走れなくなるのではないでしょうか。
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20春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/12/31 13:33

◎昇級・昇格に評価、さらに基本給の引き上げにも評価?

 トヨタ自動車は、19春闘の労使協議会で「“全員一律”の賃上げ(ベア)」
を否定し、トヨタ労組も20春闘から会社が行う個人評価(A~Eの5段階評価など)を基にした要求に切り替える方向といわれています。

 トヨタの賃金では、基本給に当たるのが「職能基準給」です。資格や職務遂行能力に応じたのが「職能個人給」です。事務・技術部門で働く「事技職」「業務職」と工場の現場で働く「技能職」では賃金体系が異なっています。

 「職能基準給」は、これまで職能資格や賃金等級が同じであれば賃上げ額は同じでした。組合は、この「職能基準給」について、個人評価に応じて賃上げを要求し、配分することを検討しているといいます。

 たとえば19春闘では、「事技職」の主任職の事技1等級の引き上げ幅は2100円でした。技能職のCX級で技能1等級の引き上げ幅は800円でした。

あなたの引き上げ幅は?
(トヨタ労組の「評議会ニュース」から)

 組合は、春闘が妥結すると、「あなた自身の引き上げ額は?」といって、計算式を示していました。「職能基準給」と「職能個人給」の引き上げ額を合計すればいいわけです。しかし、個人評価を取り入れれば、こうした計算はできるのでしょうか? 

 もっとも、トヨタの賃金は昇級・昇格しなければ賃金が上がらない仕組みです。会社は、事技職の評価・処遇の見直しを組合に提案しています。職能考課分布の見直しでは、これまでのA~Eまでの5段階の評価を4段階にすること。Aは「期待を大きく上回る能力を発揮」、Bは「期待を一部上回る能力を発揮」したと評価し、それを「見極め」て昇格させるとしています。

 すでに「職能個人給」にも、「成績査定幅」が取り入れられています。「事技職」の主任以上では70~130と2倍近くあります。「事技職」の指導職以下や技能職は85~115の幅があります。

 退職金や年金などにも大きな影響を与えるのが「職能基準給」です。生涯賃金にかかわる「職能基準給」の賃上げに個人評価が入れば、その差はもっと大きくなるでしょう。


 賃金のあらゆるところに評価・査定を導入し、賃上げ要求と配分までに個人評価を取り入れれば、「成果主義賃金」がいっそう強められることになります。

 「成果主義賃金」を率先して導入した富士通が再検討を迫られたり、労働政策研究・研修機構の「成果主義を検証する」では、「『やる気を引き出す』 『会社全体の生産性を上げる』など各論では賛成が多いが、総論である 『自社で導入している成果主義が成功しているかどうか』については、疑問視する声が大きい」――などと指摘しています。
20春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/12/30 11:47

◎一律の賃上げ否定で日本の春闘はどこへ

 “全員一律”の賃上げ(ベア)を否定するトヨタに応じるように、トヨタ労組は20春闘から会社が行う個人評価(A~Eの5段階評価など)を基にした要求に切り替える方向といわれています。

 労働組合は、1人ひとりでは弱い労働者が団結して会社に要求を掲げ、連帯してたたかうのが原点です。日本では、労働組合が産業別に賃上げや労働時間短縮などの労働条件の要求をそろえて、企業にいっせいに提出して闘い、獲得した水準を中小労組や未組織労働者に波及させてきました。

 日本独特のこの闘いは春闘と呼ばれ、60年以上の歴史があります。日経新聞(12月27日付)は、トヨタ労組の動きについて、「組合員の連帯を重視する労組が、組合員の賃金の差につながる傾斜配分を提案するのは異例だ」と書いたように、大きな問題をはらむものです。

 春闘は1990年代までは、鉄鋼や自動車、電機、造船・重機の4産別が大きな役割を果たしてきました。しかし、2000年代になるとトヨタ1社がずば抜けた利益を上げてきたことから、トヨタ労組が“リーダー労組”と呼ばれるようになりました。

80 表 トヨタの賃上げ推移
(賃上げ要求額、妥結額は円。営業利益は億円。20年の営業利益は見通し)

40 グラフ トヨタ賃上げ推移



 そのトヨタ労組は2002年春闘で、1兆円の利益を上げる会社に対し、1000円の要求を掲げましたが、ベアゼロに抑え込まれました。このために、他の企業、産業も軒並みにベアゼロになりました。“トヨタ・ショック”と呼ばれました。

 トヨタ労使は、「たかが100円、されど100円」と激しい攻防をしていましたが、奥田碩会長=当時=が、「いつまで100円玉の争いをしている」と“一喝”したといわれています。

 それ以降2012年までの12年間、途中、リーマン・ショックはありましたが、トヨタが1兆円から2兆円を超えるばく大な利益を上げ続けるなかでも、ベアゼロやトヨタ労組が要求をしない異例の事態が続きました。

 “春闘冬の時代”になり、大企業は内部留保をため続ける一方で、日本の労働者の賃金が上がらない大きな原因となりました。

 2014年、久しぶりにトヨタ労組が4000円の要求を掲げ2700円を獲得し、他の労組も同じように有額回答を獲得しました。それ以降、19年までの6年間は賃上げを実現しています。

 しかし、18春闘でトヨタ労組が3000円の要求をしたにもかかわらず、会社側は「前年を上回る」という日本語回答をしてベア額を非公表にしました。 19春闘では、トヨタ労組がベア要求額を明らかにしませんでした。利益NO1のトヨタの賃上げの実態がまったくわからなくなったのです。

 そして迎えた20春闘。その矢先にトヨタ労組が“全員一律”の賃上げを否定する会社側に足並みをそろえることは、第2の“トヨタ・ショック”につながる恐れがあります。

 トヨタ労組執行部が20春闘の要求案を組合員に示すのは1月下旬です。職場会での真剣な議論が求められるでしょう。トヨタの組合員だけにとどまらない大問題だからです。
20春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/12/29 16:16

◎“全員一律”の賃上げを否定してきたトヨタ

 トヨタ労組は、これまで組合員の一律の賃上げ(ベア)要求を掲げていましたが、20春闘から会社が行う個人評価(A~Eの5段階評価など)を基にした要求に切り替える方向といわれています。

 こうした議論は、すでに19春闘の労使協議会で行われていました。第3回労使協(3月6日)で会社側は、「『高い賃金水準』『競争力』の観点を踏まえると賃金制度改善分をもって“全員一律”に賃金を引き上げる必要性はよく考えていかないといけない」と一律の賃上げに否定的な態度を示していました。

 組合側は、「組合員の一体感の観点から、『関係ない人』は作りたくない。『全員に配分される改善分』には拘っていく」とのべ全員の賃上げを強く求めていました。

 ところが豊田章男社長はこの労使協の場で、「今までの労使協で、今回ほどものすごく距離感を感じたことない。こんなに噛み合っていないのか。組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」と一喝。労使協の場は凍り付いたといいます。

19春闘 第3回労使協
(19春闘の第3回労使協議会を受けて出されたトヨタ労組の「評議会ニュース」から)

 一時金は、これまで会社は、組合の要求通りに夏冬年間で満額回答するのが通例でしたが、夏の回答しか示しませんでした。

 19春闘が終わると組合側は、「トヨタがおかれている状況の認識の甘さを深く反省」すると社長への謝罪とも受け取れる「評議会ニュース」の緊急特集号を出しました。

 冬の一時金を議論する秋の労使協議会で会社側は、組合の要求通り満額回答するとともに、「頑張っている人がより報われる会社を実現」するとして、最高に評価されている労働者には18年冬の1・5倍へ大幅に増やすことを明らかにしました。

 世界の自動車産業は、「CASE」と呼ばれるグーグルなどIT企業も巻き込んだ「100年に1度の大変革期」(豊田社長)のなかで、トヨタは「生きるか死ぬか」の状況であり、組合員は頑張れ、頑張れと煽られ続けています。

 こうしたなかで出されてきたのが、個人評価に基づく賃上げ要求の方向です。今年夏に全員に配布された「社員手帳」。その「第5章 私たちの心構え」のなかの1つに「チームワーク」があります。

 「自分の役割を果たし、相手の長所を引き出しながら、助け合う。自分とチームの力を高める」――個人評価を前面に出して、助け合えるのか、チーム力を高めることができるのか…。
20春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/12/28 17:20

◎賃上げの配分 「評価で5段階」に? トヨタ労組

 「より頑張っている人に報いる原資として維持分を上回る賃金引き上げを要求していきたい。その意味で、メリハリをこれまで以上につけて配分をしたいと考えている」

 これは、トヨタ労組が12月26日に発行した「評議会ニュース」の20春闘第2回情勢報告の部分です。

 「より頑張っている人」に、「メリハリをこれまで以上につけて配分をしたい」――といって、これまでの一律賃上げ(ベースアップ=ベア)をやめて、賃上げ総原資を会社が評価する人に手厚く配分するというものです。

 冬の一時金の労使交渉の場になった秋の労使協議会で組合は、「変われていない組合員を守るのではなく、変えていく」と主張しています。こうした立場からの提案です。

 日経新聞が、「労組、『評価で5段階』提案」などと報じたことから、年末の時期にトヨタ労組の春闘の取り組みがメディアで大きく取り上げられています。

 18春闘で、会社がベア額を非公表にし、19春闘では組合がベア要求額を示しませんでした。日本の大企業でダントツの利益NO1企業のトヨタ労使の対応に、連合春闘を崩すものと言われています。今回の個人評価を基にした賃上げ配分は、それを加速させるものです。

テクニカルセンター
(トヨタのテクニカルセンター)

 日経は、「現行のA~Eの5段階の人事評価を反映し、賃上げ幅に差をつける案が有力」としており、トヨタ労組が具体的な案を示しているわけではありません。トヨタ労組が20春闘の要求案を組合員に示すのは20年1月下旬です。

 人事評価とは何でしょうか? たとえば第6回労使専門委員会では、事務技術職の評価・処遇の見直しが提案されています。職能考課分布の見直しでは、これまでのA~Eまでの5段階の評価を4段階にするとしています。

 それによると、Aは「期待を大きく上回る能力を発揮」、Bは「期待を一部上回る能力を発揮」したと評価。それを「見極め」て、昇格させるとしています。個人評価をますます強めるものです。

 今回の組合の提案は、こうした個人評価を賃上げ配分にも用いるというのでしょうか? 労働組合は、1人ひとりでは立場の弱い組合員が団結し、連帯してたたかう組織です。個人評価を強めれば、それが損なわれる恐れがあります。評議会、職場会での真剣な議論が必要です。
20春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/12/27 21:05

◎米軍・辺野古新基地 完成は10年先の2030年代へ

 このブログ「トヨタで生きる」では、沖縄県の辺野古に米軍の新基地建設を強行している安倍政権と県民が正面からたたかっていることを、毎年年末にルポしてきました。今年も、沖縄で取材中です。

 そのさなかの12月25日、防衛省沖縄防衛局は専門家による「技術検討会」の第3回会合を防衛省内で開きました。そこで示された変更は驚くべきものでした。

 【工期】 当初想定の5年から約2倍の約9年3カ月、
 【費用】 当初想定の約3500億円から約2・6倍の約9300億円

 新基地の完成は、何と2030年代になるというのです。安倍首相は、「世界で最も危険といわれる普天間飛行場の1日も早い返還を実現する」などとオウムのように繰り返してきましたが、はるか遠くなったのです。

 工期と費用が大幅に狂ったのは、辺野古の大浦湾側にマヨネーズ状の軟弱地盤があることが明らかになったからです。約8万本もの杭を海底に打ち込むなどの大規模な地盤改良をしなければならないといわれています。

 昨年9月の知事選で、新基地反対を訴えて圧勝した沖縄県の玉城デニー知事は、安倍政権の設計変更を認めないと語っており、さらに工期が伸びることは必至です。

 費用についても、沖縄県は2兆5500億円と試算しており、約9300億円以上に膨らむのも目に見えています。兆単位のばく大な税金を使って新基地を建設する大義はまったくありません。

辺野古の青い海
(辺野古の青い海)

 この1年だけでも、知事選での圧勝に続き、今年2月の県民投票、4月の衆院補選、7月の参院選――沖縄県民はすべてで「辺野古ノー」の民意を示してきました。

 そうした民意を完全に無視し、新基地建設に突っ走る安倍政権。さらに10年以上も民意を無視して工事を強行しようというのでしょか。「勝つ方法はあきらめないこと」――県民たちは、この合言葉でたたかい続けるでしょう。
沖縄 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/12/26 18:22

◎カジノ担当副大臣だった秋元議員が逮捕されたが

【職場談義】

 A スマホのニュースを見たかい? 安倍内閣の副大臣だった秋元司衆議院議員が中国企業から現金300万円などのわいろを受け取っていたとして、東京地検特捜部に逮捕されたと出ているよ。

 B 現職の国会議員が逮捕されるなんて、びっくりだね。現職議員として10年ぶりの逮捕というよ。IR=統合型リゾート施設なんていうけれど、カジノが本命だ。その担当をしていた秋元議員の逮捕で、カジノをめざす大阪や横浜などに影響が出るよ。

 A ニュースには、「秋元議員はIR=統合型リゾート施設などを担当する内閣府の副大臣を務めていた17年9月、IRへの参入を目指していた『500ドットコム』側から、東京都内で現金300万円の賄賂を受け取ったとして収賄の疑いが持たれている」とあるよ。

 B 野党は、来年1月開会の通常国会にIR法の廃止を提出することで一致したというけれど当然だ。政治評論家は、カジノ業者は秋元議員のような政治家に接待攻勢をかけていると語っているよ。

 A カジノは、何の生産性もないうえに大儲けできるからね。飛鳥時代の持統天皇がさいころ(すごろく)賭博を禁止したくらい、賭博は昔から大問題だったんだ。それを安倍首相は成長戦略として推進してきた責任は重いよ。

NHK 秋元議員逮捕
(秋元司議員の逮捕についてのNHKニュースから)

 B それにしても特捜部の名前なんて久しぶりに聞くよ。国有地を約8・2億円も値引きして売却した森友学園疑惑では、だれも責任を問われなかった。公文書から安倍首相夫人の昭恵氏の名前を消すなどして改ざんした佐川宣寿・元財務省理財局長らも大阪地検特捜部は不起訴にしてしまった。

 A 特捜部は昼寝しているのかという厳しい声があがったね。その特捜部が副大臣という軽量級の政治家は逮捕したが、超大物にはまったく手を触れないのかね。

 B そうだよ。首相がわれわれの税金使って開く「桜を見る会」では、酒や食事を提供している。安倍首相は、自分の後援会員を大量に参加させた。高級ホテルで、わずか5000円で前夜祭を開いたよ。

 A 公職選挙法違反や政治資金規正法違反などの疑いがもたれている。そうした疑惑に特捜部は捜査しているのかね。

 B 東京地検特捜部にいた郷原信郎弁護士は、「桜を見る会」の疑惑について、「完全に政権に飼いならされてきた検察に、問題の違法・犯罪の疑いを取り上げる意思があるとは到底考えられない」と嘆いているほどだ。

 A かつて検察は、「巨悪を眠らせない」という矜持を持っていた。政治家の不正にメスを入れ、日本の民主主義を守ってきた。検察は、そろそろ眠りから覚めるべきだよ。

安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/12/25 22:25

◎トヨタの「反社会的勢力に対する基本方針」

 トヨタ自動車のホームページを見ていたら、「反社会的勢力に対する基本方針」があった。そこには、「社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との取引を含めた一切の関係を遮断するため、以下のとおり基本方針を定め、これを遵守いたします」とある。

 今までなら、あまりにも当然として見過ごしていたが、安倍首相主催の「桜を見る会」に「反社会的勢力」が招待されていたのではないか、という疑惑があったから目に留まった。

 「基本方針」は5項目からなる。たとえば、「1. 組織としての対応 反社会的勢力に対し組織全体として対応し、不当要求に対する役員および社員の安全を確保します」とある。

 また、「3. 取引を含めた一切の関係の遮断 反社会的勢力とは、取引関係を含めて、一切の関係をもちません。また、反社会的勢力による不当要求は拒絶します」とある。

トヨタ 反社会的勢力 基本方針


 企業の社会的責任としては当然だろう。なぜ、こうした「基本方針」を設けたのか? 毎日新聞社説(12月19日付)にその理由があった。

……
 政府は2007年、企業の被害を防止するための指針を決めた際、反社会的勢力の定義を記載している。第1次安倍内閣の時である。

 そこでは「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と明記し、暴力団のほか、暴力団関係企業、総会屋、特殊知能暴力集団などを挙げた。

 暴力団は1992年施行の暴力団対策法で取り締まりが強化されたため、企業になりすましたり社会運動を装ったりして資金獲得を進めた。周辺の犯罪集団も問題視された。

 規制の抜け道をふさごうと、対象を広げた反社会的勢力という言葉が指針に記された。企業は指針に基づいて取引先との契約書に排除条項を設け、不当な要求を拒む体制を整えた。警察も情報提供をしてきた。
……

 ところが、その安倍政権が定義を覆すような閣議決定を12月10日に行った。野党議員の質問主意書に、「あらかじめ限定的、統一的に定義するのは困難」としたのだ。

 野党からの追及をかわそうとするねらいがありありだ。招待者名簿も破棄したとのべ、バックアップデータも復元しないという。「反社会的勢力」を招待していたことを隠そうとしているとしか考えられない。

 これではトヨタが「基本方針」を掲げていることも骨抜きにされるのではないか。こうした安倍政権の「桜」疑惑から逃げようとする態度に国民は厳しい目を向けている。

 朝日新聞の世論調査(12月24日付)では、安倍内閣の支持率は38%で、不支持率は42%になり、不支持率が支持率を上回るのは2018年12月以来だという。

 「桜」疑惑の安倍首相の説明は「十分ではない」と答えたのは74%で、「十分だ」の13%を大きく上回った。「反社会的勢力」を「定義するのは困難」というのもその理由だろう。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/12/24 16:47

◎2020年も「トヨタ1人勝ち」か?

 トヨタ自動車は、2020年(暦年)の販売計画、生産計画を発表(12月17日)しましたが、国内の自動車メーカーのなかでは「トヨタ1人勝ち」の状態が続きそうです。

 販売計画によると、別表のようにトヨタ単体のグローバル販売は9750万台(前年実績見込み比101%)で、そのうち国内は156万台(同、96%)、海外販売は819万台(同、102%)です。国内販売は縮小する一方で、海外販売が伸びます。

 ダイハツ、日野を含むグループ全体の世界販売は、1077万台で前年と同じと見ています。そのうち国内販売は、226万台(前年実績見込み比96%)、海外販売は850万台(同、102%)です。

 生産計画では、トヨタ単体では915万台(前年実績見込み比101%)で、そのうち国内は324万台(同、95%)、海外は591万台(同、105%)です。

 豊田章男社長が語り続けている「雇用を守るために国内生産300万台は死守する」は守られそうです。

修 トヨタ2020計画
(トヨタのホームページから)

 ダイハツ、日野を含むグローバル生産計画は、1090万台(前年実績見込み比101%)で、そのうち国内生産は441万台(同、96%)、海外生産は649万台(同、104%)です。

 国内では、日産自動車がゴーン元会長の逮捕など一連の不祥事で販売・生産が低迷し、ホンダもリコールなどで日産と同様な状態です。

 トヨタは、豊田章男社長が電気自動車化、自動運転化など「100年に1度の大変革期」と檄を飛ばし、職場ではトヨタは「生きるか死ぬか」の激しい言葉が飛び交っています。そのなかで、原価低減活動や「創意くふう」活動にいっそう力を入れることが求められています。

トヨタ C-HR
(トヨタ C-HR)
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/12/23 17:48

◎宇宙まで汚すのか 米トランプ大統領が「宇宙軍」創設

 NHKの12月21日のニュースを見て、「やっぱりか」と思いました。
 「トランプ大統領『宇宙軍』創設 一部空軍基地は『宇宙基地』に」

……
 トランプ大統領は20日、アメリカ議会で可決された2020会計年度の国防権限法案に署名し、法律が成立しました。

 この法律は今後の国防政策と予算の大枠を定めるもので、宇宙空間の軍事利用を進める中国やロシアに対抗するため、トランプ大統領が提唱した宇宙軍の創設を認め、予算総額は前年度より200億ドル余り多い、およそ7380億ドル(80兆円余り)となっています。

 法律の成立によって、アメリカに陸軍や海軍などと同格の6つめの軍となる宇宙軍が創設され、まずはこれまで空軍で宇宙関連の任務についていた部隊から、およそ1万6000人が割り当てられるということです。
……

トランプ宇宙軍
(NHKニュースから)

 米「宇宙軍」の創設は言われていました。正式発足のニュースに、パリ協定から脱退し、気候変動で地球を汚しまくっているのに、今度は宇宙まで汚すのか!

 陸、海、空軍と海兵隊、沿岸警備隊、さらに宇宙軍。帝国主義国として宇宙空間まで世界に君臨しようとしています。今やAI(人工知能)兵器まで登場し、戦場に人間がいなくなってロボット対ロボットの戦いになるとさえ言われています。

 アメリカが宇宙軍をつくればロシアや中国も黙ってはいないでしょう。宇宙への軍拡競争が激化することは目に見えています。力と力、核兵器と核兵器…どこまで行ったら終着駅があるのでしょうか。

 トランプ大統領べったりの安倍首相。9月17日、「航空宇宙自衛隊、夢でない」と自衛隊幹部に訓示。「宇宙作戦隊は他国の人工衛星からの電波妨害などで自衛隊の活動が影響を受けないよう、宇宙空間を常時監視する。米国がつくった『宇宙軍』とも協力する」とのべていました。

 実際、20日に閣議決定した2020年度予算案に、「宇宙」関連には計506億円を計上。航空自衛隊への宇宙作戦隊(定員20人)新設や、日本の人工衛星への電磁波妨害を監視・把握する装置の取得費などを盛り込みました。

 今年2月2日に100歳で亡くなった古代史の碩学・直木孝次郎大阪市立大学名誉教授は戦前、京都大学を繰り上げ卒業の後、海軍航空隊へ徴兵されました。歌人でもあった直木さんは次のような歌を残しました。

 「大国のうしろにつけば安全か おまえ前へ行けといわれたらどうする」
戦争と平和 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/12/22 21:26
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