FC2ブログ

◎安保法制廃止へ「市民連合」結成

 NHKは12月20日夕方、次のようなビックニュースを速報しました。

……
 安全保障関連法に反対する「SEALDs」や、「安全保障関連法に反対するママの会」など5つのグループは20日東京都内で記者会見し、法律の廃止に向けた運動を強化するため、新たな団体「市民連合」を設立したことを発表しました。

 そして、来年夏の参議院選挙では「市民連合」として独自の候補者の擁立は行わないものの、安全保障関連法の廃止や、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の撤回などで考え方を共有する野党の候補者を支援するとしています。また、民主党などに対し、定員が1人の「1人区」で、野党候補の1本化に向けて連携を進めるよう働きかけていくとしています。

 「市民連合」は今後、趣旨に賛同するほかの市民団体にも幅広く参加を呼びかけることにしていて、メンバーの1人の法政大学の山口二郎教授は「勝敗のカギを握る1人区に野党統一の候補者を擁立するというゴールに向けて、もう1度、市民のうねりで政党を動かしていきたい」と述べました。
……

NHK 市民連合
(市民連合の結成を伝えるNHK=12月20日)

 5つのグループとは、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」「安全保障関連法に反対する学者の会」「SEALDs(シールズ)」「安保関連法に反対するママの会」「立憲デモクラシーの会」です。

 ☆市民連合の趣意、理念、方針はつぎのようです。

……
 1.趣意

 去る9月、安倍晋三政権は、集団的自衛権の行使を可能にするため憲法違反の安全保障法制を数の力で成立させた。これは、戦後日本の国民的合意である平和国家、専守防衛の国是を捨て去ろうとする暴挙である。

 他方、安保法制に反対する様々な市民が自発的な運動を繰り広げ、世論に大きな影響を与えたことは、日本の民主政治の歴史上画期的な出来事であった。とはいえ、権力者による憲法の蹂躙(じゅうりん)を食い止めるためには、選挙によって傲慢(ごうまん)な権力者を少数派に転落させる以外にはない。安保法制反対の運動に加わった人々から野党共闘を求める声が上がっているのも当然である。

 しかし、安保法成立後3か月以上が経過しているにもかかわらず、野党共闘の動きは結実していない。来年の参議院選挙で与党がやすやすと多数を維持するなら、多数派による立憲政治の破壊は一層加速し、憲法改正も日程に上るであろう。

 日本の立憲主義と民主主義を守りたいと切望する市民にとって、もはや状況は座視できない。政党間の協議を見守るだけでは、自民党による一強状態を打破することはできない。

 今何より必要なことは、非自民の中身を具体的に定義し、野党共闘の理念と政策の軸を打ち立てる作業である。安保法制に反対した諸団体および市民が集まり、ここに安保法制廃止と立憲主義の回復を求める市民連合を設立する。

シールズ 東海
(シールズ東海のコール=名古屋駅前)

 2.要綱

 【理念】

 立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしをおくるための前提となるものである。私たち市民連合は、安全保障関連法を廃止、立憲主義を回復し、自由な個人が相互の尊重のうえに持続可能な政治経済社会を構築する政治と政策の実現を志向する。

 【方針】

 1.市民連合は、2000万人署名を共通の基礎とし、

 (1)安全保障関連法の廃止

 (2)立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)

 (3)個人の尊厳を擁護する政治の実現

 に向けた野党共闘を要求し、これらの課題についての公約を基準に、参議院選における候補者の推薦と支援をおこなう。

 2.市民連合は、参議院選挙における1人区(32選挙区)すべてにおいて、野党が協議・調整によって候補者を1人に絞りこむことを要請する。

 候補者に関する協議・調整は、選挙区ごとの事情を勘案し、野党とともに必要に応じて市民団体が関与し、その調整によって「無所属」の候補者が擁立される場合も考えられる(無所属候補者は、当選後の議員活動について、市民連合や関与した市民団体との間に一定の協定を締結するものとする)。

ママたち 豊田市
(ママたちの訴え=豊田駅前)

 3.市民連合は、個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指し、

 (1)格差・貧困の拡大や雇用の不安定化ではなく、公正な分配・再配分や労働条件にもとづく健全で持続可能な経済

 (2)復古的な考えの押しつけを拒み、人権の尊重にもとづいたジェンダー平等や教育の実現

 (3)マスコミや教育現場などにおける言論の自由の擁護

 (4)沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止

 (5)脱原発と再生可能エネルギーの振興

 などのテーマにおいて政策志向を共有する候補者を重点的に支援していく。

 4.市民連合は、「2000万人戦争法の廃止を求める統一署名」の共同のよびかけ29団体の個人有志、また市民連合の理念と方針に賛同する諸団体有志および個人によって組織し、各地域において野党(無所属)統一候補擁立を目指し活動している市民団体との連携をはかる。
……
未分類 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2015/12/21 16:02

◎新型プリウスを見た

 4代目となる新型プリウスが12月9日に発売になった。さっそくデーラーへ見に行った。大きな「IMPOSSIBLE」という標語。不可能を乗り越えた、ありえないクルマ、プリウスという意味か?

 一見して、実にスポーティーになったという印象だ。プリウス独特のトライアングル・シルエットは受け継ぎ、さらに後へ流れるようラインが美しい。低重心(3代目より全高が20mm低い)も売りだ。

 後方部へ回る。これまでの丸みを少しなくし、ライトの周りはとがっている。若者を意識したデザインだということがよくわかる。中高年のクルマから若者も乗れるクルマへと変化させたのだろう。

 プリウスの最大のセールスポイントは、燃費だ。世界のクルマで初めて1ℓ40kmの壁を超えて40・8kmになった。アクアを超えてトップになった。これはカタログ値で、実走は何kmになるのか? いまだに10km前後の燃費が多いなかで、ガソリン価格が下がっているとはいえ、魅力だろう。

プリウス4代目


 すでに5万台の予約が入っているという。生産工場は、これまでの堤工場に加え、高岡工場(2016年9月から生産開始)でも生産される。トヨタ車体富士松工場での生産は打ち切りになった。

 堤工場では、12月からフル生産になった。1直、2直の間を広げ、1直で1時間、2直で1・5時間の残業体制だ。休日出勤も続く。カローラに次ぐ量産車になったプリウスは、トヨタを左右するクルマになった。

 トヨタのあらたな経営戦略、TNGA、「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー=車種ごとの開発を改め、ユニットごとに開発して共通化するなどして原価低減をめざす=)」の第1号車としてつくられており、失敗を許されないクルマになっている。

 プリウスと車台を共通にした小型SUV車、「C-HR」が11月の東京モーターショーで披露された。プリウス派生車であり、一目で若者の心をつかみそうな激しいデザインだ。

 4代目は、3代目のように爆発的な売れ行きになるのだろうか。運転席でハンドルを握りながら、そう思った。
トヨタ車 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/12/20 09:16

◎自動車総連 賃上げ要求3000円以上

 トヨタ労組などでつくる自動車総連は12月18日、中央執行委員会を開き、16春闘の賃上げ要求として、「3000円以上」を統一要求とすることを決めました。連合の2%程度という要求に沿ったものです。

 また、期間従業員など直接雇用の非正規労働者についても、月3000円に相当する時給20円程度の賃上げを統一要求の目安とします。

 相原康伸会長(トヨタ労組出身)は、16春闘では、「底上げと格差是正を最大の眼目に手段を講じる」としています。

 3000円というのは、15春闘要求の6000円の半分です。トヨタ労組は、15春闘で6000円を要求し、4000円を獲得しています。トヨタは、16年3月決算で史上最高の2兆8000億円の営業利益を得る見通しであり、内部留保の大きな部分を占める利益剰余金も16兆円を超えています。

JC 15春闘
(15春闘では、トヨタ労組は4000円の賃上げに賃金制度維持分7300円を加えた1万1300円を獲得しました=金属労協のボードに書き込まれました)

 なぜ、15春闘の半分の要求なのか? これでは昨年の獲得額さえ下回ります。しかも、日本経団連の榊原定征会長が加わる安倍政権の経済財政諮問会議が、「内部留保を活用し3%の賃上げを」などと主張しています。

 労働組合の方が要求の方が、政府や財界より控えめというのはありえないことです。14、15春闘で賃上げがあったものの、消費税の増税や物価上昇で、労働者の実質賃金は下がっています。

 自動車総連が3000円以上とするのなら、トヨタでは少なくとも昨年の6000円以上の要求にして当然ではないでしょうか? もちろん、「底上げと格差是正」は重要です。関連・下請け企業は、トヨタなどメーカー企業に比べて、大きな格差があるからです。期間従業員の日給の底上げもまったなしです。

 2つを対立させるのではなく、両立させてこそ日本の労働者の賃金は上がるでしょう。GDPの6割を占める個人消費を活発するには、賃上げが不可欠であることは、もはや常識です。

 アベノミクスで恩恵を受けたのは、円安になって為替利益を得た大企業と、株高になって株の利益を得た富裕層だけです。世論調査でも明らかなように、圧倒的な国民は、景気の回復の実感はありません。大幅賃上げと「底上げと格差是正」で、日本経済が本格的な景気回復の道にすすめるような16春闘にしようではありませんか。
16春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/12/19 10:17

◎不安が倍になった 今年の漢字

 世相を漢字1字で表す「今年の漢字」に、「安」が選ばれたと主催者の日本漢字能力検定協会が発表しました。清水寺(京都市東山区)で12月15日、森清範貫主が揮毫(きごう)しました。

 安倍政権が強行した安保法制(戦争法)に、学者のほとんどが違憲と表明したり、シールズやママの会など新たな運動団体が生まれたことで国民の関心が集まったこと、パリなどでのテロなど、人々を不安にさせたことなどが理由です。

n-AN-large570[1]
(清水寺で森清範貫主が揮毫する「安」=ネットから)

 安倍首相は、国民の不安をよそに、「安心が倍で安倍となります」と上機嫌で官邸記者団にコメントしたといいます。憲法9条を踏みにじり、憲法違反の集団的自衛権行使を認めるなどして、アメリカ行う海外での戦争に自衛隊を送り出す戦争法が、なぜ安心というのでしょうか?

 学者やシールズ、ママの会と民主党、日本共産党、維新の党、社民党、生活の党など野党との意見交換会が開かれています。来年夏の参院選では、立憲主義を取り戻し、戦争法を廃止するために、野党統一候補を立てる動きが各地で生まれています。

 1人区の熊本県では、市民団体のイニシアチブで女性弁護士を野党で推すことで合意しました。日本共産党は、すでに候補者を発表していましたが取り下げました。

 全国32の1人区で、こうした動きが出ています。戦争法で、不安を倍にした安倍首相に、国民は“倍返し”しようと動き出しているのです。
戦争と平和 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/12/18 06:47

◎トヨタ 4年連続1000万台生産へ

 トヨタ自動車は12月16日、2016年(1~12月の暦年)の、ダイハツ、日野自動車のグループをふくむ世界生産、販売計画を発表しました。計画が達成できれば、生産は4年連続、販売は3年連続で1000万台の大台に乗ることになります。

 それによると、生産は1019万6000台で、前年の101%に、販売は1011万4000台で前年の100%にと、ほぼ前年並みになります。中国経済に大きく依存している日本は、同国の経済減速で、東南アジア諸国など新興国で伸び悩むと見ているようです。

 このうちトヨタ単体の国内販売は、新型プリウスの発売などで前年の103%へと増加すると見ています。

30 トヨタ 2016年計画
(トヨタグループの2016年の生産、販売計画=発表資料から)

 一方、あと半月を残すのみとなった15年の実績見込みでは、生産では前年の98%程度、販売では同99%程度と見込んでいます。ともに前年割れです。なかでも国内販売は93%へ落ち込むとしています。

 これは、昨年4月からの消費税増税や今年4月の軽自動車の増税での買い控えの影響をもろに受けたことによるものです。軽自動車のダイハツの国内販売見込みは、前年の85%という大幅な落ち込みになると見ています。

 安倍政権は、2017年4月から消費税を10%へと増税することを明らかにしていますが、実施されれば国内販売はいっそう落ち込むことが予想されます。
決算・経営計画 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/17 09:22

◎安倍首相の“爆買い”

 安倍首相が、深い関係にある文芸評論家の本を“爆買い”していたことを、「しんぶん赤旗」日曜版(12月13日号)が暴露しています。日刊ゲンダイが後追いをし、日曜版とともに爆買いの背景を明らかにしています。

 読売新聞と産経新聞の11月15日付に、異様な全面意見広告が掲載されました。TBS系「NEWS23」でキャスターを務める岸井成格(しげただ)氏(毎日新聞特別編集委員)を名指しで攻撃しているのです。

 岸井氏は、戦前に戦争に協力した新聞の反省から、権力監視の鋭い論評をするマスコミ人として知られています。参院安保特別委員会で、戦争法(安保法制)が強行採決される直前の9月16日の番組で、「メディアとしても廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言しました。

 意見広告は、これに噛みついたのです。「政治的に公平であること」とした放送法第4条に反するとのいいがかりです。“安倍チャンネル”と批判されるNHKのように、政権のやっていることを垂れ流し、ニュースの本質を何も伝えるな、という攻撃です。

 意見広告主の代表呼びかけ人は、作曲家のすぎやまこういち氏。安倍晋三首相の資金管理団体「晋和会」に上限額の150万円を献金している人物です。事務局長は、文芸評論家の小川栄太郎氏です。

20 安倍爆買い
(「しんぶん赤旗」の12月13日号から)

 日曜版の真骨頂は、小川氏の本を安倍首相が政治資金で爆買いしていたことを突き止めたことです。小川氏は、自民党総裁選に復帰することになる総裁選の直前の2012年8月末に、『約束の日 安倍晋三試論』を出版しました。

 発売後、同書は大手書店で軒並み販売1位になりましたが、それにはカラクリがありました。安倍首相の資金管理団体が、小川氏の著書を大量購入していたのです。

 政治資金収支報告書に、書籍代として支出先に大手書店の名前が並んでいました。報告書の領収書を見ると、東京駅前の「丸善書店丸の内本店」で12年10月16日に900冊購入、「紀伊国屋書店」で11月9日に900冊購入…などです。少なくとも2380冊、計374万8500円購入していました。

 書店の販売1位になるはずです。自民党の政治資金は、企業団体献金やパーティ券、国民の税金である政党助成金などです。金に色は付いていないので、国民の税金で爆買いしていたといわれても仕方がないでしょう。

 小川氏の出版記念パーティーでは、安倍首相が発起人筆頭として出席し、祝辞をのべました。世論調査で、国民の8割が審議が尽くされていないという状況で、戦争法の廃案をのべた岸井氏の発言が気に食わないのが小川氏らであり、意見広告で岸井氏を名指ししたのです。

 安倍政権と自民党のメディア攻撃は、戦前を思い起こさせるほどです。籾井勝人氏がNHK会長に就任すると早々に、「日本政府と懸け離れたものであってはならない」と政権寄りの発言をして大問題になりました。

 作家の百田尚樹氏が自民党の国会議員ら約40人が、党本部で開いた憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」で、「沖縄の新聞(沖縄タイムスと琉球新報)はつぶせ」と発言(6月25日)して、批判を受けました。

 安倍首相側近の高市早苗総務相は、NHKの「クローズアップ現代」で、やらせ報道があった問題で、文書で厳重注意を行いました。NHKの委縮をねらったものであり、放送界の自主組織であるBPO放送倫理・番組向上機構は「政府が個別番組の内容に介入することは許されない」と厳しく批判(11月6日)しました。

 今回の岸井氏への異様な意見広告は、記者個人とともにTBSや毎日新聞を攻撃のターゲットにしています。安倍政権のメディア攻撃を許さないように、私たち国民が声を上げる必要があるでしょう。

              ◇

 この記事は、12月16日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
その他 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2015/12/15 21:08

◎期間従業員 嘆き、驚き

 12月9日に4代目プリウスが発売になり、堤工場ではフル生産が続く。かつて期間従業員の経験者した人も、改めてトヨタに応募して来ている。その経験者がこう嘆いていた。

 「6カ月間、年休がないのはつらい。半年後に10日もらえるというが、慣れない1、2カ月は休めないとしても、3カ月後くらいからはもらえるようにしてほしい」

 確かに年休は、労働基準法で6カ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に最低10日を付与しなければならないとなっている。期間従業員は、最長で2年11カ月しか働けない。いったん契約解除になるから、再応募で来ても年休は振り出しに戻る。

 労働基準法は、企業に最低限の労働条件を求めているにすぎない。企業が、それを上回るのを与えてもかまわない。「3カ月後くらいからはもらえるようにしてほしい」というのは当然の要求だろう。

期間従業員らバスで
(通勤、退勤用のトヨタのバスに乗車する期間従業員ら)

 別の新人の期間従業員が驚いていた。「トヨタはどえりゃ儲かってるがや。内部留保もため込んでるちゅうし、3年くらい、クルマつくらんでも従業員食わしていけるって」。3兆円近い利益に、びっくりした様子だ。

 トヨタは、期間従業員に、6カ月を待たずに年休を与えることは十分できる。食堂の料金が高いので、正社員にあるウェルチョイス(選択型福利厚生制度)のポイント(一般社員で年90ポイント、9万円)も欲しいという声も上がる。

 これまでのように期間従業員がなかなか集まらないという。会社は、期間従業員の声に耳をかたむけていただきたい。
期間従業員 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/12/15 09:18

◎10%大増税への目くらまし 軽減税率

 自民党、公明党が、消費税率を8%から10%に引き上げる2017年4月に、軽減税率を導入し、その対象として酒と外食を除く食品全般とすることで合意しました(12月12日)。1兆円もの財源探しは、これからという無責任さです。

 連日の報道で、「毎日買う食品が安くなるのならいいじゃないか」という気持ちになりがちです。待ってください。これは、10%への大増税への目くらまし以外のなにものでもありません。

 14年4月に、消費税が5%から8%へ増税されてどうなったでしょう。私たちトヨタの人間にとっては、車の販売が毎月、前年割れになった苦しい体験を持っています。

 物を買うたびに、増税の重さが身に沁み、買い控えが起きたのです。自動車のような高額商品は当然でしょう。14年度のGDPはマイナスになり、日本経済は深刻な不況に落ち込んでいます。

 賃上げが2年連続ありましたが、消費税増税で吹っ飛び、実質賃金はこれもマイナスです。所得と消費の悪循環が続き、アベノミクスのごまかしは誰の目にも明らかです。

軽減税率 日経
(軽減税率の対象品目=日経新聞、12月13日付から)

 それなのに10%へ増税したらどうなるのか? 軽減税率の議論は、大増税を国民に飲ませるための毒薬でしかありません。この議論のなかで、安倍政権と公明党の役割のひどさが浮き彫りになりました。

 9月に自民党、公明党によって強行成立させられた戦争法(安保法制)は、公明党の助けがなければできないことでした。公明党は、その“貸し”を安倍政権に迫りました。安倍首相は、4000億円以上は譲れないとしていた自民党の谷垣禎一幹事長に、公明党に譲れと指示したといいます。

 しかも、この4000億円は、消費増税に伴う低所得者対策として、医療、介護、保育などの自己負担総額に上限を設ける「総合合算制度」の導入に充てる予定だった財源であり、いわば福祉を削って充てようというものです。

 もう1つは、来年夏の参院選挙対策です。戦争法で身内から反対にまわる学会員が出る事態になってあわてた創価学会は、「参院選挙区から新たに出す候補者は全部外す」などと公明党に軽減税率実施への圧力をかけたといわれています(朝日新聞、13日付)。

谷垣 井上
(記者会見する自民党の谷垣禎一幹事長=左=と公明党の井上義久幹事長、テレビ朝日系から)

 公明党票をあてにしなければ当選できない自民党の幹部からは、「公明党への協力費と考えれば、金額としても大したことない」(テレビ朝日)という発言が出ています。

 この間の自民、公明両党の協議は、国民の税金である消費税を、政治利用、政党間取引に使うとんでもないどたばた劇でした。忘れてはならないのは、与党の「税制改正大綱」で、法人税の減税だけは、ちゃんと認めたことです。

 現在、32・11%の法人実効税率を16年度に29・97%、18年度に29・74%へと引き下げるのです。使われていない大企業の約300兆円の内部留保を、また増やすだけです。

 軽減税率の財源として、たばこ税の増税や社会保障を削る、国債の発行などが対象になるといいます。消費税増税は、社会保障のためといいながら社会保障を削るというとんでもないものです。

 どうすればいいのか? 簡単です。消費税の10%への増税をやめることです。
その他 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/12/14 09:05

◎「僕たち、戦争に行くの?」

 11月末で終了したが、名古屋市博物館(名古屋市瑞穂区)で、「横井庄一さんのくらしの道具」展が開かれていた。横井さんは、戦時中、太平洋諸島のグアム島で米軍と戦った後、ジャングルに28年間ひそんでいた元日本兵だ。

 横井さんは、召集されるまで名古屋市で洋服仕立て業をしていた。1972年に発見された時は、みずからつくった地下壕などで暮らしていた。戦友2人がいたが、発見される8年前に亡くなったために、その後は1人くらしだった。

 戦前の軍隊では、「生きて虜囚の辱を受けず」の教育を受けていたために、日本が敗戦になったことを知った後も、ジャングルから出てこなかった。捕虜になることもできなかったのだ。

 展示室には、横井さんが1人で暮らすための飯盒や水筒、ナイフ、スプーン、食器、ジャングルの竹やシュロなどでつくった魚とりかご、食糧貯蔵かごなど最小限の生活用品が並べてあった。

 旧陸軍の道具などをつくり替えたり、何度も修理した跡があった。もっとも驚いたのは、パゴの木の繊維でつくった半袖半ズボン、長袖長ズボンだった。1着つくるのに半年かかったというが、仕立て職人ならではの服だ。

横井庄一さん
(横井庄一さんがパゴの木の繊維でつくった半袖半ズボンを掲載した名古屋市博物館の図録)

 現在の物があふれた社会からみると、よくも、よくもジャングルで28年間も過ごせたなという驚嘆の連続だった。その横井さんの生活道具の上には、戦時中のポスターが展示してあった。

 「欲しがりません 勝つまでは」などという戦意を煽るポスターばかりだ。そのなかの1つに釘付けになった。愛知県と大政翼賛会愛知支部、名古屋鉄道管理局(現在のJRの前身)、名古屋電車(現在の名鉄)などがつくったものだ。

 「日常生活を語り行動するなかに敵の諜報機関の食い入る隙があるのだ。交通機関は近代化された井戸端会議になり易い」

 電車のなかでのおしゃべりから、軍事機密などが漏れ、アメリカなどのスパイに知れてしまう。しゃべるなというポスターだ。安倍政権によって特定秘密保護法が強行成立され、12月10日で施行1年になった。

 秘密の指定件数は417件、秘密の行政文書は23万121件に及ぶ。戦争は、秘密とともにやってくる――ポスターは、それを示している。展示室でポスターを見ていたその時、子どもの声が聞こえた。

 「お母さん、僕たち戦争に行くの?」。小学校高学年の男の子だった。母親は、困惑した声で、「わからない」と答えていた。子どもは、「だって可決されたじゃないか」と問いかける。

 可決? そう、9月19日に国会で成立した戦争法(安保法制)のことを言っているのだ。小学生の高学年の子どもが、国会のことを知っているのにはびっくりだった。

 しかも、戦争法によって戦場に送られるかもしれないということを考えているのだ。横井さんのジャングルでの生活道具や戦意高揚のポスターを見て、小学生の子どもが不安に駆られているのだ。
未分類 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2015/12/13 10:38

◎自然エネルギー小国 フライデー・リポート

 原発ゼロをめざす、関西電力東海支社(名古屋市東区)前での毎週金曜日の行動が12月11日、行われた。12月だというのに、20度を超える暖かさだ。コートを着ていると汗ばんでくる。夜になって風が強くなったが、気温が高いので寒くない。

関電3 20151211


 福島第一原発の被災地、福島県は事故から5回目の冬を迎える。いまだに10万人を超える人々が避難を強いられている。先が見えない状態が続いているのだ。

関電120151211


 スピーチタイムでは、フランスで開かれているCOP21で、参加国のうち、日本は再生可能なエネルギーの割合が、世界で51番目だと批判する人がいた。

関電4 20151211


 別の資料(2012年)でも、OECD加盟国など34カ国でも、日本は32位だ。1位のアイスランドは84%、16位のドイツは10%に対し、日本は4%にすぎない。原発事故を起しながら、再稼働をすすめる安倍政権。再生可能なエネルギー小国にとどまっているのだ。

関電2 20151211


 別の人は、最近、南相馬市で高齢者が故郷に帰還できず、自殺したことを報告していた。被災地での悲劇は後をたたない。

 関電前にあるトヨタのレクサス店では、クリスマス・イルミネーションが華やかに輝いている。まるで、何事もなかったように…。
原発ゼロへ | コメント(3) | トラックバック(0) | 2015/12/12 19:06
« Prev | HOME | Next »