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◎派遣労働者の自己責任ではなく、政治に責任があるのではないでしょうか

 労働者派遣法の改定案から、製造業派遣の禁止を見送ることで合意した民主、自民、公明の各党をこのブログで批判したところ、11月19日に長文のコメントをいただきました(左の「最新コメント」欄を参照)。貴重な意見、大変ありがとうございます。しかし、私たちとは意見の異なる点がありますので、次にのべさせていただきたいと思います。

 ●派遣から有期雇用へ逃げる大企業

 1つは、コメントで、「派遣業者や企業は抜け穴として(派遣労働に代わって)請負を行います」とあります。しかし、私たちは企業は請負ではなく、リーマン・ショック以降、日産やマツダ、いすゞなど大企業は、トヨタ自動車に右ならえ、と有期雇用の期間従業員(期間社員)に切り替えていると見ています。

 一部に、有期雇用は企業の直接雇用だからいいのではないか、という意見があります。そうでしょうか。トヨタは、リーマン・ショック時に6000人以上の期間従業員を雇い止めにしました。“非正規切り”の引き金を引いた企業です。

 トヨタは、3、4~6カ月の細切れ雇用をし、「期間満了」といって合法であるかのようにして雇い止めしました。たった1回、6カ月で雇い止めされた人もいます。労働契約法17条は、「必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない」としています。これに反するものです。

 有期雇用は、労働基準法14条で、契約期間は「3年を超える期間について締結してはならない」とあるだけです。正社員の代わりに使ってはならないなどという労働者派遣法と比べ法的規制がないに等しいからです。各企業は、労働者派遣法改正の世論が高まるなか、派遣労働から有期雇用に“逃げ道”を見つけているのが実態です。

 現在、有期雇用の法的規制を強めようという世論が強まっています。厚労相の諮問機関、労働政策審議会で論議されています。

 ●労働者派遣法の改悪をすすめてきた政党

 もう1つは、コメントで「派遣に行くような人々は自己責任だ」という点です。私たちは、”自己責任”ではなく、政治の責任だと考えています。

 私たち日本共産党は、トヨタ車体の派遣労働者などトヨタ関連、下請けの派遣労働者からの訴えをたくさん頂戴し、相談にのってきました。そうした人たちは、希望して派遣労働者になったのではありません。

 日本では戦前、労働者を集めて売り飛ばす人身売買が公然と行われてきました。その奴隷労働の実態は、小林多喜二が『蟹工船』で描いています。同書は、リーマン・ショックのころにベストセラーになったことで知られています。

 戦後、国民主権、基本的人権をうたった現憲法とともに、人身売買=労働者供給事業は職業安定法44条で禁止されました。ところが財界・大企業の要望を受けた自民党が1985年に労働者派遣法を成立させたのです。その後も、小泉自民党内閣の構造改革・規制緩和路線で、派遣法は改悪に次ぐ、改悪で製造業まで解禁になりました。

 その結果が、”派遣切り”であり、”年越し派遣村”が生まれるような悲惨な事態になったのです。派遣労働者の自己責任ではなく、政治の責任―もっといえば派遣対象業務を拡大(自民、公明、旧民主)、製造業派遣を認める(自民、公明)など、非正規労働者を労働者の3割以上に増やすなどしてきた自民党や公明党、民主党に責任があると考えています。

 私たちは、労働者派遣法改定の最大の柱、製造業派遣の禁止を見送ることをやめさせる世論を広げていくために全力をあげる決意です。

08トヨタ車体派遣労働者
 (トヨタ車体の派遣労働者=2008年当時)
労働者派遣法 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/11/20 20:16

◎トヨタ車体の派遣寮 労働者派遣法を改めて考える―その2

 トヨタ車体の本社(愛知県刈谷市)の西側に、プリウスなどを生産している富士松工場が広がっています。工場門前には、派遣会社のマイクロバスが次々と到着しています。工場の南側には5階建ての独身寮がありました。

 現在は期間従業員の独身寮で、ペンキが塗り替えられるなど修復されています。3年前のリーマン・ショックで、派遣切りの嵐が日本国中で吹き荒れたとき、ここはトヨタ車体の派遣労働者寮でした。

 古びた寮で、部屋には鉄パイプ製の古い2段ベットがあり、1人部屋として派遣労働者は上段を物置に使っていました。当時、トヨタ車体は2700人の派遣労働者を09年3月までに900人に減らす“派遣切り”をすすめていました。

 この寮に住んでいた40代の男性は、時給1270円で、手取りは月16万円ほど。寮費と光熱費で2万円余りが差し引かれました。食費など4万円だけ残し、故郷の家族に18万円を仕送りしていました。

 プリウスなどの生産にたずさわりながら、休日の土日は夕方から明け方まで、パン工場でアルバイトしていました。家族に仕送りするためのダブルワークです。月曜日は、アルバイト先から一睡もせずに富士松工場へ向かっていました。

 男性は、6カ月契約を3回くり返した後、09年1月は、わずか1カ月契約のうえに、月末で契約解除を通告されました…。ちょうど同じころ、08年年末から09年正月にかけて東京・日比谷公園では、住居を失った派遣労働者たちの“年越し派遣村”がつくられ、日本国中に衝撃をあたえました。

男性が住む独身寮の南側には、道路を挟んでトヨタ車体労組(トヨタ労組などでつくるトヨタ労連=連合=に加盟)の事務所があります。道路にトラックが横付けになり、派遣労働者たちの荷物が積み込まれていました。しかし、同労組がトヨタ車体の“派遣切り”に対し、社会的に抗議の声をあげたということを、ついに聞きませんでした。

連合の古賀伸明会長は11月17日、民主党と自民党、公明党が労働者派遣法の改定案から製造業派遣を禁止する―改定案のもっとも中心部分を見送ることで合意したことについて、「法案を通していく苦渋の選択として受け止める」とのべ、合意を認めました。

トヨタ車体の派遣労働者が大量に“派遣切り”されてからまだ3年ほどです。製造業派遣禁止を見送る―労働組合の選択として、こんなことがありうるのでしょうか。

トヨタ車体 労組・独身寮
(トヨタ車体労組と車体の派遣労働者寮=左奥の5階建ての建物、2009年当時)
労働者派遣法 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2011/11/19 08:26

◎堤工場は21日から残業


 タイ洪水で部品が十分調達できず、生産を縮小していたトヨタ自動車は11月21日(月)から正常に戻ります。プリウスαの大増産をしていた堤工場は、21日から1直は30分の残業に、2直は45分の残業になります。

 同工場は、12月5日(月)からは、洪水の影響前が出るまえのように1直は1時間、2直は1時間30分の残業になる予定です。

             ◆

 タイ洪水と東日本大震災で、国内と海外のサプライチェーン(部品供給網)が寸断されて大幅な生産減になったトヨタは、2011年(1月~12月)の世界での新車販売台数がGM、フォルクスワーゲン(VW)より少なくなる見通しです。

 2008年から3年連続世界1位だったトヨタが3位に後退する―と日経新聞(11月18日付)が報道しています。それによると、今年1~9月のGMの販売台数は679万台。VWは617万台、トヨタは577万台です。トヨタは、残り10~12月もタイ洪水の影響がでることから、「通年で挽回するのはほぼ不可能とみられる」と指摘しています。

201111 トヨタ堤労働者
(堤工場の労働者)
職場は今 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/11/18 11:38

◎堤工場門前で訴え 世界と日本をいい方向へ変えよう

20111116 根本議員 堤工場 
(堤工場前で訴える根本みはる豊田市議)

 日本共産党トヨタ自動車委員会と同豊田市議団の根本みはる市議は11月16日(水)夕方、トヨタ自動車堤工場門前で、毎月定例の宣伝をしました。日没が早くなった11月、斜めから射す夕日は、工場の紅葉を染めていきます。

 党委員会の代表は、タイ洪水で生産が縮小になり、残業がなくなっていた堤工場が21日(月)から通常生産に復帰すると指摘。東日本大震災で約3カ月、タイ洪水で約1カ月、トヨタの生産は中止・縮小になったが、これはトヨタの歴史のなかで戦中、1950年の大争議以来の事態だとのべました。

その上で、「労働者にとって不安な日々のなかだったが、みなさんは頑張って働いてきた」と強調。さらに、「先日発表された中間決算(2011年4月~9月)で営業赤字になったものの、株主配当に1株20円するように、11兆円を超える内部留保をたくわえたトヨタには体力は十分あります。安心して働きましょう」と訴えました。

そして、「世界と日本は大きな変わり目にきています。トヨタの労働者にとって、人間らしく働けるようないい方向へ変わるよう、ともに力を合わせましょう」と呼びかけました。

根本議員は、7~9月のトヨタの土日稼働は、トヨタの労働者や豊田市民に大きな負担になったと指摘。こうした勤務ではなくても節電はできたとのべ、2度と行わせないようにしましょうと訴えました。

また、民主党の野田政権がTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加に向けアメリカなど関係諸国との協議を表明したことについて、コメや公的医療保険の自由化、労働法制の規制緩和など、国民・労働者・農民が犠牲になるものと訴え、反対を呼びかけました。
20111116 堤工場2

(出退勤する堤工場の労働者)
トヨタ党委員会 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/11/17 09:38

◎”年越し派遣村”からもうすぐ3年、労働者派遣法を改めて考える―その1

 民主党と自民党、公明党が、労働者派遣法の改正案から製造業派遣禁止を骨抜きにすることで合意していたことが11月15日、明らかになりました。住まいを失った派遣労働者の“年越し派遣村”が東京・日比谷公園につくられ、日本国中に衝撃を与えてからもうすぐ3年。労働者派遣法を改めて考えてみました。

トヨタ自動車の車を、期間従業員だけではなく派遣労働者がつくっていたことを知っていますか? プリウスやエスティマを組み立てているトヨタ車体です。2008年には5000人を超える派遣労働者がいました。

 リーマン・ショックの嵐が吹き荒れた2008年秋、トヨタ車体富士松工場(刈谷市)で奇妙な事が行われました。同工場では、A直、B直の2交代制で車を生産しています。正社員と派遣労働者がいました。

同年10月から、A直にいた正社員がB直へ、B直にいた派遣労働者がA直へ配置変えになりました。A直は、派遣労働者が主体になり、B直は派遣労働者がゼロになり正社員だけになりました。3カ月と1日たった09年1月からは、A直の派遣労働者がB直へ、B直の正社員がA直へ配置変えになる予定でした。これが終わると、2008年9月の時点に戻すというものでした(図参照)。

この手の込んだやり方は、A、B直とも3カ月と1日だけ、派遣労働者をゼロにするためだったのです。なぜか? 労働者派遣法は、派遣労働は「臨時的、一時的な場合に限る」「正社員を派遣に置き換えてはならない」という2つの原則があり、そのために派遣期間は最大3カ年という制限を設けています。

トヨタ車体は、派遣労働者を3年以上いつまでも使い続けたいと「3カ月と1日」というクーリング期間をつくったのです。これを2008年10月7日の衆院予算委員会で追及したのが日本共産党の志位和夫委員長でした。

テレビで中継された質問は、大反響を呼びました。トヨタ車体は、志位質問の1カ月後、同社のクーリングを違法と認め、配置変えを中止しました。

志位質問のニュースは、下記のアドレスで読むことができます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-08/2008100803_01_0.html

トヨタ車体 クーリング



労働者派遣法 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/11/16 16:37

◎21日(月)から正常稼働へ タイ洪水で


 タイ洪水で生産を縮小したり、車種によっては生産をストップしていたトヨタ自動車は、21日(月)から通常の生産に全面的に復帰します。プリウスαの大増産をしている堤工場では、21日から1直で30分、2直で45分の残業をする予定です。しかし、これまで行ってきた残業の半分です。

 タイ洪水によって、現地からの部品が滞り、堤工場で残業を削減し始めたのは10月24日。一時は、定時割れの事態にもなりました。高岡工場などトヨタの工場やトヨタグループの工場でも、車種によって生産をストップしていました。通常生産に復帰するのは、約1カ月ぶりです。

 トヨタ・モーター・タイランドは、10月10日から生産をストップしていましたが、21日から再開します。タイ以外のアジア、南アフリカの工場では今週も生産調整をします。21日以降は、未定です。

 東日本大震災で約3カ月にわたって生産中止や縮小に追い込まれたトヨタ。同じ年に、ふたたびタイ洪水で約1カ月間、同様の事が起きました。トヨタでは、戦中と1950年の大争議以来の事態になりました。

 2つの自然災害によって、電子制御や半導体、機械加工など3万点の部品からなる自動車のサプライチェーンは寸断されました。ムダな在庫は持たないというかんばん方式、安い人件費の海外から調達するグローバル戦略―トヨタ生産方式があらためて問われています。

トヨタ本社
(トヨタ本社)
職場は今 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/11/15 09:35

◎トヨタシンポジウム タイ洪水、大震災でトヨタは


 ため込んだ内部留保が11兆円以上。ダントツで日本一のトヨタ自動車に、労働者や下請け、地域にその利益を還元せよ、と30年も続けている運動があることを知っていますか? 

「トヨタ総行動」といいます。そう、毎年2月11日にトヨタ本社へ向けてデモ行進していますね。それです。第1回が1981年3月21日といいますから、そのねばり強さはすごいですね。

 その一環である、第28回トヨタシンポジウムが11月13日、豊田市内で開かれました。愛知県労働組合総連合(愛労連)などの実行委員会が1984年以来、毎年、開いています。

 今年は、東日本大震災、タイ洪水、超円高、TPP(環太平洋経済連携協定)などトヨタ自動車を取り囲む情勢が大きく動いているなかで開かれました。労働者、下請け、地域経済、地域住民の暮らし、営業はどうなるのかと熱心な議論が続きました。

 榑松佐一実行委員長(愛労連議長)は、野田首相が11日にTPPへの参加を表明したことについてふれ、農業も国際競争力を持つべきだなどとの主張は、トヨタの国際競争力論と同じ立場だと指摘しました。

トヨタが国際競争力を強化するなかで起きたことは、労働者の賃下げであり、非正規切りであったと批判。年収200万円の労働者が増えるなかで、150円弁当が現われるなど、労働者、国民の暮らしが貧しくなっているとのべました。

その上で、利益第一主義のTPP(Toyota profit plan)に対し、利益を社会的に還元させる運動を強めていこうと呼びかけました。

 井内尚樹・名城大学教授は、自然エネルギーを基礎とした循環型地域経済の構築に向けて講演しました。その具体例として、被災地・岩手県宮古市でのがれき処理やドイツのバイオガス発電農家の取り組みなどを多数示しました。

 そして、名古屋市の産業構造を、自然エネルギーを基礎とした電気・ガス・水道業へと転換させること、豊田市でも国際競争力型から国際共生型への産業構造と自然エネルギー型産業構造をミックス化することが必要ではないかと提起しました。

 吉良多喜夫事務局長(愛労連事務局長)は、トヨタに社会的責任を果たさせるために続けてきた、トヨタシンポやトヨタ総行動の30年来の運動の到達点にふれながら、今年から来年にかけての具体的運動を提起しました。

トヨタ本社への要請やトヨタ総行動の実施(2012年2月11日)、仕事量・単価に関する中小企業アンケートへの取り組みなどです。

 この後、各団体から特別報告がありました。日本共産党トヨタ自動車委員会からは、トヨタが「3つの矛盾」(大震災とタイ洪水で生産がストップ、期間従業員募集がうまくいっていない、土日操業への職場からの不満)に直面していること、日本共産党豊田市議団からは、根本みはる市議がトヨタの土日操業が保育やくらしなど市民に与えた影響について報告しました。

刈谷民主商工会からは、トヨタの下請けや地域の商店がタイ洪水やトヨタの土日操業で大打撃を受けたことを報告。ある下請けは、工賃の3%を協力費として半強制的に出すよう迫られていること、零細業者の経営者は3~10%の単価切り下げで、自分のふところから出さざるをえなくなっている実態を訴えました。

20111113 トヨタシンポ
トヨタシンポ・総行動 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/11/14 10:28

◎トヨタ自動車は、3つの矛盾に直面しています


 トヨタ自動車は2011年、3つの大きな矛盾に直面しています。

その1つは、東日本大震災とタイ洪水で部品が滞り、生産が停止したり、十分生産ができなくなっていることです。これは、戦争中や1950年の大争議以来の事態です。労働者は不安な思いで働いています。

 タイ洪水では、電子部品が調達できず、プリウスαを大増産中の堤工場で、残業がなくなったり、定時割れが起きました。他の工場では、「計画停止」が続いています。

大震災でも部品が調達できず、工場の稼働がストップしました。堤工場は2週間後に生産開始しましたが、他の工場で生産が開始したのは5週間後の4月18日でした。その後も半日稼働や1直生産が続き、正常化したのは3カ月近くたった6月6日でした。

大震災とタイ洪水からいえることは、(a)トヨタ生産方式―ムダだといって在庫を持たない、かんばん方式、(b)賃金の安いタイなどに生産、部品調達をシフトするグローバル戦略―2つの問題点が浮き彫りになったのではないでしょうか。

自動車は、約3万点の部品でつくられています。今回の事態は、部品メーカーや下請けなくしては自動車の生産ができないことをあらためて見せつけられました。

小沢哲副社長は、「在庫を持つことを(仕入先などに)要請し、実践しようと思っていた」(11月8日の中間決算発表で)とのべています。まず、トヨタ自身が在庫を持つことが必要ではないでしょうか。部品メーカーや下請けをコスト削減の対象にするのではなく、大切にすることが求められるでしょう。

 2つ目は、期間従業員4000人募集していますが、思うように集まっていないようです。豊田章男社長がのべたように、期間従業員経験者800人に声をかけたところ、200人しか応募しなかったといいます。

このため、日研総業という大手人材派遣会社に募集を依頼しています。こうしたことは初めてといわれています。無料求人誌「TOWN WORK」の裏表紙には、8月8日から14週続けて全面広告を出しています。

トヨタは、リーマンショック時に6000人以上を雇い止めにしました。その時に雇い止めにされた人に電話すると、「いつまた、雇い止めされるかという不安があるので…」という答えが返ってきます。期間従業員を使い捨てにしてきたことが原因ではないでしょうか。

 3つ目は、7~9月に行った土日出勤・木金休みです。自動車工業会が呼びかけた電力節減といいますが、トヨタがそこまで勤務をシフトする必要があったのでしょうか。他の節電方法で十分できたのではないでしょうか。家族、地域犠牲に労働者の不満が高まっています。

トヨタ労組大会(10月15日)では、「こんなことせんでもいいように、今後は政府や電力会社が対応するのが筋だ」と全トヨタ労連の東正元会長がのべました。討論では苦労して頑張ったのに社会的に評価されなかったという発言が出ました。

豊田市の調査では、子ども園と放課後児童クラブの持ち出しが1280万円にもなりました。「精神的に不安定になったり体調を崩す児童も多く見られた」とのべています。もう2度と土日出勤は行いたくない、というのが労働者の思いです。

こうした「3つの矛盾」の背景には、トヨタの生産・利益優先があるのではないでしょうか。トヨタは、2008年から3年連続世界1の自動車メーカーになりました。リーマン・ショックやリコール問題、大震災、タイ洪水…次々と大きな問題が起きています。

こうした事態を「六重苦」(円高、CO2削減、FTA・TPPへの未加盟、高い法人税、労働の規制強化、電力不足)などといって、労働者らに犠牲を強いていいのでしょうか。韓国のヒュンダイは、トヨタより1000時間も長く働いている、といって労働法制変えよとの専務の主張は、その典型です。

今こそ、労働者や部品メーカー・下請け、地域を大切にすることが必要ではないでしょうか。

トヨタ本社
(夜のトヨタ本社)
職場は今 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/11/13 08:51

◎駅伝練習に市民から苦情

20111112 走る

 トヨタ自動車は毎年、職場対抗駅伝大会を行っています。そのため、選手は仕事を終えた後、工場の周りや公園で練習をしています。

 先日、池の周りを練習に使用していました。池の付近を散策していた市民に対し、監督さんが「あぶないからどいてください」といったといいます。

市民からは、「市民の憩いの場をトヨタが私物化している」という苦情があったといいます。さらに、「池の周りの駐車場のいいところをトヨタの人間が独占している」とも。

職場では、「みんなで選手の応援に行ってください」といわれます。だから、1人1台の車で行くことになります。地域の人たちの苦情を受けて、職場でこういわれました。

「今週の土曜日(トヨタの休日)は、スポーツセンターで合同練習があります。応援にいってください。なるべく、車に相乗りして、1台に4~5人乗ってください。公共交通を利用してください」

エーッ、とさすがにサメた顔で聞いていました。「休みの日や仕事が終わった後に応援に行くのに、そこまでいわれて…」。トヨタの社会的イメージをダウンさせないようにするために、みんなはどうするんだろうか?

20111112 霧のテクニカルセンター
(霧に包まれたトヨタテクニカルセンター、11月12日午前7時30分)
職場は今 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2011/11/12 09:01

◎プリウス・プラグ・イン 為替を考えるといくら?

 来年(2012年)1月販売予定のプリウス・プラグ・イン・ハイブリッド(PHV)をめぐって、メディアがさわがしい。11月10日付の日経新聞や中日新聞が価格などの想定をしている。

 おもしろいのは、日経は300万円程度というが、中日は320万円程度という。中日は、一足先に発表したアメリカの最低価格は3万2000ドルという。現在の為替相場、78円で計算すると約250万円になる。

ところが、トヨタが設定する320万円では、1ドル100円になる。中日は、「両国の実際の物価水準に合わせたようだ」という。日本での販売価格は、320万円ではなく、為替相場から250万円でいいのではないか?

 これで思い出したのが、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員の8月3日の円高問題の質問。このブログの8月20日でも紹介した。佐々木議員は、巨額な投機マネーが、相対的に安全といわれる円に逃げ道を求めているとして、衆院財務金融・経済産業連合審査で、その規制を求めた。

 佐々木議員の質問に、野田佳彦財務大臣(当時、現首相)は、世界の為替取引は(2010年4月時点で)1日当たり約400兆円と、輸出総額の100倍にのぼっていると答弁した。また、購買力平価では1ドルは111・40円とのべた。

 佐々木質問で、投機マネーによって、実体経済からかけ離れた超円高になっていること、通貨取引に課税をすることなど、投機マネーを急いで規制することが必要なことが明らかになった。

 PHVの価格設定で、トヨタが日米の物価水準から1ドル=100円にしたというのは、実体経済をかなり反映したものだろう。はからずも現在の超円高が、投機マネーによって実態経済からかけはれていることを示した。

プラグ・イン・ハイブリッド
(プリウス・プラグ・イン・ハイブリッド)
円高 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2011/11/11 06:46
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