FC2ブログ

◎世界の自動車メーカー、「CASE」シフトで相次いでリストラ

 世界の自動車メーカーが、ガソリン車から電気自動車(EV)化や自動運転化など「CASE」と呼ばれる「100年に1度の大変革期」(トヨタの豊田章男社長)を迎え、その資金捻出のために大規模なリストラに乗り出しています。

【ダイムラー】
 時事は11月30日、独ダイムラーのリストラを伝えました。

……
 高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」を抱えるドイツ自動車大手ダイムラーは29日、電気自動車(EV)への生産シフトなどに伴い、大規模な人員削減を含むリストラ策で労使間合意に達したと発表した。

 削減規模は2022年までに「数千人」と説明しているが、独メディアは「少なくとも1万人」に達する可能性があると報じている。

 ダイムラーの従業員は約30万人で、1万人は約3%に相当する。同社の計画では、管理職も削減対象で、約14億ユーロ(約1700億円)の人件費圧縮を見込む。
……

20 東京モーターショー ベンツ
(2019年東京モーターショーで展示してあったベンツの車)

【アウディ】
 世界販売でトップのフォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディも11月26日、2025年までに9500人の雇用を削減すると発表しました。

 日経新聞は、「2029年までに60億ユーロ(約7200億円)のコスト削減効果を狙う。新車販売が停滞しているうえ電気自動車(EV)など次世代技術開発への投資がかさむことに対応する。人員削減と引き換えにドイツ国内の残りの従業員の雇用を29年まで保証することで従業員代表と合意した。また、電動化とデジタル化で2000人の新規雇用も生み出す」と伝えました。

 また、「主要部門の人員の雇用は2029年まで保証されるという。アウディの労組代表のPeter Moschは『経営側との合意によりコア部門の雇用は確保された』と交渉の成果をアピールした」(Forbes)との報道もあります。

【日産】
  日産自動車は今年7月25日、世界で1万2500人の人減らしをふくむ「事業改革」という名のリストラを発表しました。世界14工場で、6400人(18~19年度)を減らし、さらに6100人(20~22年度)を追加で減らすとしています。労働者の10%を減らすというものです。

 こうしたリストラで、▽グローバル販売台数(19年度の見通し550万台)を、22年度には600万台をめざす、▽19年度の営業利益見通し3900億円を、22年度には8700億円にする――などと利益の倍加をねらうものです。

UAWホームページ
(UAWのホームページから)

【GM】
 米GMは、1年前の2018年11月26日、北米で5工場、それ以外の地域で2工場の生産を停止し、全世界で15%(北米を中心に約1万4000人以上)の労働者を減らすと発表しました。

 北米にある約40工場のうち、アメリカやカナダの完成車工場、部品工場の5工場を閉鎖し、北米以外でも2工場を閉鎖するというもので、管理職の25%も減らすというものでした。

 こうした工場は、ガソリン車のセダンを主に生産しているといいます。リストラで約60億ドル(約6800億円)を浮かせ、EVや自動運転車の開発、生産に振り向けるとしていました。

 これに対し、全米自動車労組(UAW)は4工場の閉鎖反対を掲げ、今年9月15日深夜から12年ぶりのストに突入。ストは、1970年の67日間に続く40日間の長期にわたりました。

 その結果、1工場の存続(GM本社地元のミシガン州デトロイト・ハムトラマック工場)、年3%の賃上げ、医療保険の維持、3年間働いた非正規労働者の正社員化などを盛り込んだ労働協約で仮合意し、10月25日にストライキが収束しました。

              ◇

 ドイツやアメリカでは、労働組合、労働者が自動車の多国籍企業の一方的なリストラとたたかい、一定の成果をあげています。資本主義のなかで、全面的にリストラを撤回させることはできないとしても、“たたかってこそ明日がある”ことを示しています。
スポンサーサイト



世界で今 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/12/01 13:17

◎香港区議選 民主派が8割超の議席で圧勝

 香港で11月24日、区議会(地方議会、定数452)選挙の投票が行われ、民主派は8割超の388議席を獲得し、圧勝しました。改選前に約7割を占めていた親中派は大惨敗しました。

 香港は、1997年に英国から中国へ返還され、「1国2制度」がスタート。民主派が区議会で過半数を取ったのはこれが初めてです。中国本土への犯罪容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案が大問題になった今年6月以降、100万人規模のデモが相次ぎましたが、今回の選挙で香港の民意が明確に示されました。

 強権で市民のデモを抑えようとする香港政府と背後にいる中国政府にノーを突き付けました。習近平中国共産党総書記・国家主席と林鄭月娥・香港行政長官は、民主派の意見を取り入れ、香港での事態を平和的に解決するべきです。

60 香港 20190616デモ ロイター ニューズウイーク
(「逃亡犯条例」改定案に反対して香港の街頭を埋め尽くした6月16日のデモ=ロイターの撮影をニューズウイーク日本版が掲載)

 中国へは21世紀に入ってから数回、旅行へ出かけました。中国は、清の末期からの近代化の遅れ、それに乗じた英国など列強と日本帝国主義の侵略、内戦などと長期にわたる戦争で国民は疲弊しました。

 旅行に行くと、子どもたちが旅行者に粗悪品を売りつけている姿に驚き、悲しみました。当時の中国共産党の指導部は、文化大革命を起こし日本共産党に干渉するなどした覇権主義的な毛沢東の誤りを認める誠実な対応を見せました。

 その中国が、わずか20年ほどで日本を追い越しアメリカと張り合うくらいの経済大国になりました。現在の習近平指導部になると、尖閣諸島の領海侵入などに見られるように、新しい大国主義・覇権主義が目立つようになりました。

 「中国の夢」と言って中華民族の復興をかかげ、アジアからヨーロッパ、中近東、アフリカ東部までに広がる「一帯一路」経済圏をつくろうとしています。それは、明、清など歴代の中華帝国をほうふつとさせるものです。

 数年前に中国へ旅行に行くと、歴史都市・西安の郊外は高層の住宅が延々と続き、かつての貧しいイメージは一変。首都北京は乗用車であふれて大渋滞し、空はスモッグに覆われていました。

 最近、中国の西域へ遺跡の旅行へ行った学者は、ウイグル族への弾圧に怒っていました。チベット族にも強権で押さえつけようとしているといいます。香港と同様のことが中国各地で起きています。

 香港区議選での民主派の圧勝は、人々が求める自由と民主主義、人権は決して強権では抑えられないことを示しました。
世界で今 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/11/26 16:27
 | HOME |