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◎「トヨタで働いていることに感謝し…」 8月度労使拡大懇

 久しぶりにトヨタ自動車労組の「綱領」を読みました。

 「主として労働条件の維持・改善、その他経済的地位の向上をはかり、あわせて労働者の社会的地位の向上と、自動車産業の発展をはかることを目的として、運動を進める」

 4つのパラグラフのうちの最初の部分です。労働組合の役割が「労働条件の維持・改善」にあるのは、組合員全員が異議のないところです。

 そして、「評議会ニュース」の「8月度 労使拡大懇談会報告特集号」を読みました。懇談会は8月29日に開かれたもので、吉田守孝副社長(Mid-size Vehicle Company President)が発言しています。

……
「率直なコミュニケーションが進み成果が見え始めたがまだまだ道半ば」「生きるか死ぬかの闘いの真っただ中にいると認識して、 モノづくりの競争力を上げ続けよう!」

<皆さんと取り組みたいこと>  ①TPS・原価低減といったトヨタの強みをさらに強化 ②トヨタで働いていることに感謝し、社内外から応援され、選ばれるトヨタ社員になる
……

 今年の春闘の労使協議会で、世界の自動車産業の「100年に1度の大変革期」(豊田章男社長)なのに、「組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」と豊田社長から“一喝”されました。

 組合は、「トヨタがおかれている状況の認識の甘さを深く反省」しました。

 「社員手帳」が全員に配布され、TPS・原価低減などを再学習し、職場を変える運動を進めてきました。しかし、吉田副社長は「まだまだ道半ば」と言います。

2019トヨタ春闘集会
(トヨタ労組は19春闘の3月5日、各工場・事業場でいっせいにブロック集会を開催。写真はトヨタ本社グラウンドで)

 社長から“一喝”されたからでしょうか。春闘では、いつもは組合の一時金の年間要求に満額回答していたのを、夏だけの回答(120万円)になりました。冬の回答は継続協議となり、秋の労使協議会で行われます。

 組合員からは、「現場は1秒、1円、1滴にこだわっている」などと頑張っている声が上がります。冬の一時金協議では、なんとしても「労働条件の維持・改善」をはかってもらいたいと思います。
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19春闘 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/09/26 11:32

◎トヨタ労組評議会 19春闘妥結案に「会社に寄りすぎ」と反対1、保留1

 トヨタ自動車労組は3月28日、評議会を開き、執行部が提案した19春闘の妥結案に対し、反対1、保留1が出たものの多数で可決しました。トヨタ労組の評議会は、ほとんどが満場一致で、反対が出るのは極めて異例です。

トヨタの19春闘は、3月13日に会社が回答をしましたが、異例、異常な状態になりました。

 組合の賃上げ要求は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で1万2000円を要求する」という賃上げ額(ベア)を含めた総額要求でした。会社回答は1万700円で、昨年より1000円も低いものでした。

 しかも、昨年は会社側がベア額を公表せず、今年は組合側がこれに沿ってベア要求額を明らかにしませんでした。利益日本1のトヨタの労使の“ベア隠し”に、労働界から批判が集まりました。

 一時金については、組合は夏冬を合わせた年間6・7カ月を要求しましたが、会社回答は夏の分だけの120万円を回答しました。冬の分は、秋に労使協議会を開いて協議するとしています。

 一時金は、組合の年間要求に対し、満額で答えるのが長年の慣例になっていましたが、これが崩れるという異例の事態になりました。

トヨタ労働者 出勤
(トヨタ本社=右の青い建物=と出勤する労働者ら)

 この日の評議会では、組合の「評議会ニュース」によると、賃上げについて、「回答に繋がらなかった賃金の要求項目の中には、組合員の感覚とズレがあったものもある」との批判が出ました。

 一時金については、「一時金の妥結提案を見ると、職場からは『会社に寄りすぎているのではないか』との声あり」との厳しい執行部批判の声が出ました。また、「秋の交渉でどのように納得できる回答を導き出していくか」「来年以降も年間協定が結べるのか不安の声あり」などの意見が出ました。

 これに対し、執行部は「労使という対立軸でとらえるのではなく、会社の問題意識を真正面から受け止めるべきと判断した結果」などと釈明しました。

 「評議会ニュース」では、執行部提案に「反対した職場の声」を紹介しています。

 「職場からの意見:『素直に同意できない』」「労使協において、本当に賃金・一時金の議論ができたか不透明。⇒結果に対して納得できない」などと率直に19春闘への強い不満を語っています。その上で「これからみんなでがんばっていくことは約束する」としています。
19春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/04/06 15:46

◎トヨタの19春闘 組合が妥結提案

 トヨタ自動車の19春闘が終わり、組合が妥結提案をしています。3月28日に開く評議会で採決が行われる予定です。

 トヨタの19春闘は、3月13日に会社が回答をしましたが、異例、異常な状態になりました。昨年は、会社側が賃上げ(ベア)を公表しないという異例の事態になりましたが、今年は組合が定昇などをふくめた総額要求とし、ベア要求額を明らかにしませんでした。

 要求は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で1万2000円を要求する」というもので、会社回答は1万700円で、昨年より1000円下がりました。

 一時金については、組合は夏冬を合わせた年間6・7カ月を要求しましたが、会社回答は夏の分だけの120万円を回答しました。冬の分は、秋に労使協議会を開いて協議するとしています。

 一時金は、組合の年間要求に対し、満額で答えるのが長年の慣例になっていましたが、これが崩れるという異例の事態になりました。

19労使協1
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画から)

 組合は、「評議会ニュース」で、定昇などをふくめた総額の賃上げについては、「組合として拘った全員に配分される原資を含めた回答となった」として妥結提案をしています。

 会社側は第3回労使協議期で、「『高い賃金水準』『競争力』の観点を踏まえると賃金制度改善分をもって“全員一律”に賃金を引き上げる必要性はよく考えていかないといけない」と一律の賃上げを否定していました。

 組合側は、「皆で一体感を持って頑張っていきたいので、改善分を獲得しても、全く配分されない人・職種がいるなら、組合としては受け入れにくい」と全員に配分するよう求めていました。

 組合は、「全員に配分される原資を含めた回答となった」と評価しています。しかし、連合の“リーダー労組”を自認してきたトヨタ労組が、ベアを明らかにしない要求をし、その回答を受け入れるとは――。

19労使協2
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画。意見をのべる豊田章男社長)

 日本の春闘は、産別が賃上げ要求額をそろえるなど共通の要求を掲げ、春に統一してたたかってきました。先行する大企業労組の賃上げを目安に、社会横断的に賃金水準を引き上げる役割を果たしてきました。

 それは中小零細企業や未組織労働者にも波及していきました。連合が集計する賃上げ額が波及効果の指標になってきた経過があります。“リーダー労組”のトヨタ労組の賃上げ額が非公表になれば、春闘の波及効果などに大きなマイナスの影響を与えます。

 実際、自動車総連では、トヨタとマツダが非公表になり、日産がベア要求3000円に対し満額回答。ホンダは3000円の要求に対し1400円、ダイハツが3000円要求に対し1500円、三菱自工が3000円の要求に対し1400円、SUBARUが3000円の要求に対し1000円、日野自動車が3000円の要求に対し2000円――とバラバラになりました。

 また、一時金についても組合は、「(年間協定が結べないこと)は、組合員の生活の安心・安定の確保という観点から極めて難しい選択であるが、トヨタグループが直面している生きるか死ぬかの厳しい環境を生き抜くためには、競争力強化を通じ、生き残りをかけた取り組みを継続していくことが最も重要であり、異例ではあるが、会社の申し出を受け入れる決断をした」と妥結提案をしています。

19労使協3
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画。意見をのべる豊田章男社長)

 労使協議会で、豊田章男社長が「組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」と一喝したことが伝えられています。世界の自動車メーカとGAFAなど米IT企業などが電動化、自動運転化などで「100年に1度の大変革期」(豊田社長)の時に、組合も会社も「生きるか死ぬか」の時であることが“わかっていない”というのです。

 「労使宣言」路線を貫いてきた組合を、豊田社長は突き放したのです。組合は、「評議会ニュース」で、「認識の甘さを深く反省」したと書いています。

 異例、異常な事態となったトヨタの19春闘。組合に投げかけられた課題は大きく、職場から真剣な議論が必要です。3月28日の評議会に、それを持ち寄って議論することが期待されます。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/03/26 19:43

◎「甘さを深く反省」 トヨタ労組

 トヨタの19春闘は終わった。職場に組合の「評議会ニュース」が配布された。「緊急特集号」! 何だ! 何だ!

 最初にあるのが第3回労使協での豊田章男社長の発言だ。

 『組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか』

 組合だけでなく、会社の幹部もわかっていない?

 これに対する「執行部の受け止め」は?

 「トヨタがおかれている状況の認識の甘さを深く反省」

80 評議会 緊急特集号


 こんな「評議会ニュース」がこれまであったか? 執行部は続けて言う。

 「トップの危機意識に一歩でも近づくため、また、労使一丸となってすぐに動き出すためにマネジメントの皆さまと話し合いました」

 その話し合いについて、副社長や事務系、技術系、技能系の人々の考えが3ページにわたって続く。

 【副社長】生きるか死ぬかの議論がしたい。
 【事務系】社長の期待値とはまだまだギャップがある。

 【技術系】
 ・1905年に世の中馬車だらけだったのが、1913年にT型フォードの車だらけになった。たった8年で変わった。今度は我々が取って代わられるかもしれない。この現実を前に、労使共、生きるか死ぬかの危機感が足りなかった。

 ・GMは自動運転やコネクテッドに向けて、従業員を15%削減している。これをやらずしてトヨタが危機を乗り越えるには相当難しく覚悟がいること。

 ・“成果主義ではなく、やる気主義”

 すさまじい言葉が並ぶ。豊田社長の「組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」という副社長ら会社幹部や組合幹部への一喝がここにまで――。
19春闘 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2019/03/19 08:35

◎豊田社長が春闘回答前に語った「豊田綱領」

 トヨタの19春闘で、豊田章男社長は組合の賃上げ、一時金要求に対する回答(3月13日)前に、トヨタグループ創業者で曽祖父の豊田佐吉がまとめた「豊田綱領」を引用し、その意味を語った。なぜ、回答前にわざわざ「豊田綱領」について語ったのか?

 これを報じた「トヨタイズム」は、「豊田綱領」を引用し、豊田社長の「綱領」の解釈を紹介している。「綱領」で、最も問題になるのが「産業報国」の言葉である。

……
 • 一、上下(じょうげ)一致(いっち)、至誠(しせい)業務(ぎょうむ)に服(ふく)し、
産業(さんぎょう)報国(ほうこく)の実(じつ)を拳(あ)ぐべし
• 一、研究(けんきゅう)と創造(そうぞう)に心(こころ)を致(いた)し、
常(つね)に時流(じりゅう)に先(さき)んずべし

• 一、華美(かび)を戒(いまし)め、質実(しつじつ)剛健(ごうけん)たるべし
• 一、温情(おんじょう)友愛(ゆうあい)の精神(せいしん)を発揮(はっき)し、
家庭的(かていてき)美風(びふう)を作興(さっこう)すべし
• 一、神仏(しんぶつ)を尊崇(そんすう)し、
報恩(ほうおん)感謝(かんしゃ)の生活(せいかつ)を為(な)すべし

50 修 トヨタイズム 豊田綱領
(「トヨタイズム」から)

(“上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし”について)

 まず、『産業報国』の精神はあるか。自分のため、会社のためということを超えて、『お国のため、社会のため』となれているかどうか。この価値観を全員が共有できているか。

 トヨタで働く一人ひとりの言動に、『お国のため、社会のため』という大義を感じた時、 周囲の方々は、その人を、そしてトヨタを、『応援しよう』と思ってくれるのだと思う。トヨタで働く一人ひとりが、どこまで『自分』や『会社』の利益を超えられるか。応援されるトヨタ、愛されるトヨタになれるかどうかは、この一点にかかっている」
……

 戦前、「産業報国会」という言葉があった。「昭和10年代の日本で労使協調による軍需生産の増強をはかるため各企業内に一斉に生れた組織」(「ブリタニカ国際大百科事典」)のことである。産業報国はここからきている。

  トヨタは戦前、「国産乗用車」をつくりたいと願っていた創業者・豊田喜一郎(章男社長の祖父)の意に反して、軍部から軍用トラックの生産を命じられた。2014年3月に放送されたテレビドラマ「LEADERS」(リーダーズ、佐藤浩市主演)で放送されたから覚えていると思う。

 「産業報国」のもと豊田市では、終戦前日の1945年8月14日、現在のトヨタ自働車本社工場など3カ所に、長崎に落とされた原爆と同型の核模擬爆弾・パンプキンが米軍によって投下された。

 トヨタが軍用トラックなどを生産する軍需工場に指定されていたからである。戦争が続けば現在のトヨタはなかったといわれている。そうした歴史的な意味を持つ負の言葉、「産業報国」を、「豊田綱領」に掲げたからといって安易に使っていいものだろうか。
 
 しかも、労使協議会の場である。戦前回帰につながるものであり、「国産乗用車」を作りたかった喜一郎の意思にも反しないだろうか。平和であってこそ、喜一郎が夢見た国産乗用車は生産・販売できることを噛みしめたい。
19春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/03/18 09:30

◎トヨタ19春闘労使協 異例・異常事態

 トヨタ自動車の19春闘は、3月13日に会社が回答して終わった。回答は、1万700円で、昨年より1000円下がった。賃上げ(ベア)額は、昨年に続いて公表しなかった。

 今年はさらに、例年、組合の一時金年間要求に対し満額回答していたのを、夏だけの回答(120万円)とし、冬の回答は継続協議とした。トヨタ労組は、これで2年連続して要求と異なる回答を会社から受けたことになる。

 さらに、これまで「労使協は非公開だった」(トヨタ労組役員)が、突然、ネットの動画で公開された。しかも豊田章男社長が緊急インタビューに応じている。何もかも異例、異常な事態になったトヨタの19春闘。何があったのか?
https://toyotatimes.jp/


修 公開された労使協の動画
(「トヨタイズム」にアップされたトヨタの労使協の動画)

 公開された動画は、「トヨタイズム」という。今年の元旦の日経新聞や中日新聞の見開きで「トヨタイズム」という大広告が掲載された。1ページ広告を出した新聞もあった。編集長は俳優の香川照之氏だ。

 その「トヨタイズム」に、回答前日の3月12日、「トヨタ 春交渉2019 『異例の展開』 埋まらぬ溝」の動画がアップされた。トヨタの第3回労使協(3月6日開催)の労使のやり取りが生々しく映し出されていた。

 【組合側】
 「社長は『行司役』なので、このタイミングで伺うのが良いのか(わからない)。社長の反応が『違うんじゃないのか』、『あれはおかしいんじゃないのか』と首を傾げたりするリアクションを見て、やはりモヤモヤを持ったまま、この会場を出ることはできないと思っている。少し感じているようなことで、このタイミングで『話してやろう』ということがあれば、お話いただけるとありがたい」

 【豊田社長】
「今の段階で素直な感想を言うと、私は今までずっとこの労使協に出ているが、本音の話し合いは進んだと思う。でも、今回ほど、ものすごく距離感を感じたことはない。こんなに噛み合ってないのかと。赤字の時も、大変な時も、従業員に自分は向き合ってきた。自分は一体何だったのだろう。これは、背中(会社)にも言っており、こっち(組合)にも言っている。私が(労使交渉の)最初に言ったように、『トヨタとやはり一緒に仕事をしたい』という会社になっているか。やる気のある人もいる、この会社には。やる気がある、ただ、やり方が分からない人がいる。その人たちには、セーフティネットを与えたい」

修 トヨタイズム 中日新聞
(中日新聞に掲載された見開き広告の「トヨタイズム」=2019年1月1日付け)

 【西野委員長】
「第1回の労使協において、社長から『トヨタで働く人は常に変わり成長し続けてほしい。その上で取り組む上での壁だとか困りごとに対して、率直に会社にぶつけてほしい』と言われた。我々も今回の労使協では、そうしたことを含めて本音の議論をしていきたいと、これまでとは違うスタイルで進めてきた。

 各職場でも競争力強化に向けて様々な議論を重ねてきた。社長が言う『本音の議論はできているけどまだまだ』といった所にギャップはあるが、決してトヨタの置かれた状況を軽く見ている人はいないと思っている。こうした議論はしっかり職場に持ち帰り、展開する。今日も再三言われた『生きるか死ぬか』の状況で、会社からは大変強い危機意識を伺った。しっかり組合員と共有してまいりたい」

 豊田社長から「今回ほど、ものすごく距離感を感じたことはない。こんなに噛み合ってないのか」といわれたら、しかも組合だけではなく、「背中(会社)」も危機感が足りないと言われて、労使協の場は凍り付いただろう。

 世界の自動車産業は、電動化、自動運転化などCASEと呼ばれる「100年に一度の大変革期」(豊田社長)に真っただ中にある。GAFAと呼ばれる米IT企業がトヨタの先を走っている。

 豊田社長の意を受けて労使協では、「『生きるか死ぬか』の緊迫感が腹落ちしておらず、危機感が自覚出来ていない」(寺師茂樹副社長)などともっと組合員が危機感を持つ必要があると主張してきたが、それでも足りないと豊田社長は言うのだ。

 一時金について夏しか回答しなかったのは、“ショック療法”的に、いっそうの危機感を持つように求めたのだろう。賃金回答の詳細は次のようであった。

修 金属労協 ボード
(金属労協のホワイトボードに書かれたトヨタの回答=3月13日)

 ▽「人への投資」も含め、全組合員一人平均 10,700円 とする。
▽頑張っている人の頑張りを更に引き出す取り組みについては、以下のとおり。

・定年後も処遇がほぼ変わらない上級スキルドパートナーの拡大
・同じ職場で働く仲間として、シニア期間従業員の方および、在籍1年未満の期間従業員の方への食費補助手当の導入

・期間従業員から正社員へ登用された方の賃金是正
・TL(チームリーダー)手当の増額
・学歴や在籍年数にとらわれることなく、頑張った人がきちんと報われるための事技職における高卒、高専卒の昇格適正化、業務職の上位資格導入、中途採用業務職の賃金是正
・介護や障がい者サポートを充実させるための相談窓口の設置等

▽本交渉終了後、速やかに労使専門委員会を設けて、「頑張った人がより報われる」「お天道様が見ている」会社を目指し、賃金制度維持分や一律分のあり方も含めて評価・昇格・処遇制度について棚卸しの上で、見直しを行う。

▽更には、人事施策の見直しとして、以下に取り組んでいく。
 ・業務職の方の完全在宅勤務制度の導入、および事技職以外の方の配偶者転勤時のキャリア継続支援施策
 ・(身につけるべき)能力マップの導入
 ・技能職の配置ポスト再構築等
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/03/17 11:47

◎19春闘 トヨタの回答は定昇など込みで1万700円

 トヨタ自動車労組など金属労協(JCM)に加盟する労働組合の19春闘は、会社側が3月13日、いっせいに回答を示しました。

 賃上げ(ベア)では、昨年のトヨタの回答の「昨年を上回る」という非公表に沿って、今年からトヨタ労組もベア要求額を明らかにしませんでした。「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で12、000円を要求する」というもので、定昇などを含めた総額です。

 会社回答は、1万700円でした。昨年より1000円下がっています。若手技能職の絶対水準は30万530円、中堅技能職の絶対水準は38万2360円、40歳相当の技能職は41万7050円でした。

 これで2年連続してトヨタのベアは分からないことになります。

 年間一時金は、要求の6・7カ月に対し、その一部は120万円と回答しましたが、残りの部分は別途協議するとしています。トヨタは、一時金については年間要求に満額回答するのが慣例になっていましたが、一部しか回答しなかったのは極めて異例のことです。

30 JCボード
(金属労協の19春闘回答ボードには、トヨタは前年より1000円ダウンの10700円と書かれています)

 トヨタの3月期決算の営業利益見通しは、営業利益は前期並みの2兆4000億円です。日本の大企業なかでは突出した利益です。内部留保の利益剰余金は、21兆5316億円で、日本の大企業でダントツです。

 19春闘の労使協議会で豊田章男社長は、「今までの労使協で、今回ほどものすごく距離感を感じたことない。こんなに噛み合っていないのか。組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」と一喝。世界の自動車産業は、巨大IT企業も巻き込んで、電動化や自動運転化など「100年に1度の大変革期」と危機感を煽りました。

 賃上げについて会社側は、「『高い賃金水準』『競争力』の観点を踏まえると賃金制度改善分をもって“全員一律”に賃金を引き上げる必要性はよく考えていかないといけない」と一律の賃上げを否定しました。

 一時金についても、「頑張った人、成果を出した人により報いることのできるようなものに変えていきたい」と成果主義を徹底する考えを示しました。その上で、「会社の専権事項としてきた考課などについても労使で議論していきたい」と人事考課にも踏み込んでいくことを明らかにしました。

 ベアの非公表に続く一時金の一部回答は、「労使共同宣言」で労使協調主義をとってきたトヨタが組合を突き離し、トヨタの春闘のあり方を根本的に変えようとするものです。トヨタにとどまらず、日本の春闘に大きな影響を与えそうです。

 他の自動車各社では、日産がベア要求3000円に対し満額回答でした。ホンダは3000円の要求に対し1400円、ダイハツが3000円要求に対し1500円、三菱自工が3000円の要求に対し1400円、SUBARUが3000円の要求に対し1000円、日野自動車が3000円の要求に対し2000円—とばらばらになりました。

 電機では、日立製作所や東芝、パナソニックなどの大手12組合は、ベア3000円を求めていましたが、会社側はいっせいに1000円を回答しました。

 2年要求をしている基幹労連は、鉄鋼の新日鉄など大手4労組は昨年に1500円の回答で妥結しています。造船重機の三菱重工や川崎重工の19年の回答は1500円でした。

 トヨタ労組の過去5年間の要求と獲得額は次の通りです。

          賃上げ要求   獲得額  一時金
 2014年春闘  4000円  2700円 6・8カ月(244万円)
   15年春闘  6000円  4000円 6・8カ月(246万円)
   16年春闘  3000円  1500円 7・1カ月(257万円)
   17年春闘  3000円  1300円 6・3カ月(230万円)
   18年春闘  3000円 「昨年を上回る」 6・7カ月(243万円)
 (注 17春闘の賃上げは別に家族手当の引き上げ分1100円)
19春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/03/14 15:37

◎「生きるか死ぬかの状況がわかっていない」と豊田社長 第3回労使協

 いよいよトヨタ自動車の2019年春闘の回答が13日(水)に出ます。それを前にした3月6日、第3回労使協議会が開かれました。

 トヨタ労組は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で12、000円を要求する」としていますが、具体的な賃上げ(ベア)額は明らかにしていません。年間一時金は、基準内賃金の6・7ヵ月です。

 組合の「評議会ニュース」が職場に配布されました。それによると、豊田章男社長は、「今までの労使協で、今回ほどものすごく距離感を感じたことない。こんなに噛み合っていないのか。組合、会社とも、生きるか死ぬかの状況がわかっていないのではないか」と一喝したといいます。

 世界の自動車産業は、巨大IT企業も巻き込んで、電動化や自動運転化など「100年に1度の大変革期」と語り、トヨタは「生きるか死ぬか」と危機感を煽ってきた豊田社長。会社も組合も、まだその状況がわかっていないというのです。

 このため組合の西野勝義委員長は、「本音の議論のレベルが会社トップの危機意識・期待に至っていない。会社トップの強い危機意識を改めて職場と共有し、『もっとこうしたい!』という行動につなげていく」とのべました。

トヨタ本社地区4 グーグルアース
(豊田市のトヨタ自動車本社=グーグルアースから)

 今回の労使協では、関連・下請けの新卒や期間従業員の深刻な人手不足が出されたり、原価低減活動が関連・下請けまかせになっているとの指摘が出ました。会社からは、トヨタで満了した期間従業員を紹介することや外国人技能実習生の受け入れなどが出されました。

 また、第1、2回労使協で出された“プロ”になることやトヨタの競争力強化についても議論されました。会社側からは「プロとは自分がこうなりたいという強い意志を持って自らなっていくもの」などの発言が続きました。

 労使協の本来の目的である賃上げ(ベア)や一時金について組合は、「皆で一体感を持って頑張っていきたいので、改善分を獲得しても、全く配分されない人・職種がいるなら、組合としては受け入れにくい」と全員に配分するよう求めました。

80 図 第3回労使協
(「評議会ニュース」から)

 しかし会社側は、「『高い賃金水準』『競争力』の観点を踏まえると賃金制度改善分をもって“全員一律”に賃金を引き上げる必要性はよく考えていかないといけない」と一律の賃上げには否定的な態度を示しました。

 また一時金についても、「頑張った人、成果を出した人により報いることのできるようなものに変えていきたい」と成果主義を徹底する考えを示しました。その上で、「会社の専権事項としてきた考課などについても労使で議論していきたい」と考課にも踏み込んでいくことを明らかにしました。

 これに対し組合側は、「組合員の一体感の観点から、『関係ない人』は作りたくない。『全員に配分される改善分』には拘っていく」とのべ全員の賃上げを強く求めました。

             ◇

 この記事は、3月12日にアップする予定でしたが前日にアップしました。
19春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/03/11 12:07

◎19春闘山場へ トヨタ労組が本社ブロック集会

トヨタ自動車の19春闘もいよいよ山場を迎える。トヨタ労組は3月5日(火)、翌日の6日に開かれる第3回労使協議会へ向けて各工場・事業場でいっせいにブロック集会を開いた。

 トヨタ労組は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で1万2000円を要求」している。今年から賃上げ(ベア)額は明らかにしていない。年間一時金は、基準内賃金の6・7ヵ月。13日(水)の第4回労使協議会で会社が回答する。

 豊田市の本社グランドには、昼休みの午後0時時過ぎから本社やテクニカルセンターなどから組合員が集まった。春のように暖かい日だが、桜はまだ先になりそうだ。

12 19春闘本社ブロック集会2

10 19春闘本社ブロック集会3


 西野勝義委員長が2回開かれた労使協議会について報告。2人の職場委員長が決意表明し、全員が“がんばろうコール”をして終了した。15分ほどの集会だった。

 各発言者は一様に、全員がプロとしての覚悟と決意を持つ、オールトヨタでの競争力を強めるなどと語った。自動車産業の「100年に1度の大変革期」に、トヨタは大丈夫だという思い込みがあるのではないか、危機感が足りない、労使が一体となって危機を乗り越えよう――などの内容だった。

 また、賃金については、会社は一律ではなく、プロをめざして成長する人には配分したいと言っているとのべた。一時金については、6・7カ月をめざし共に頑張りましょうと訴えた。

 昨年の18春闘は、組合が3000円の賃上げを要求したが、回答は「昨年を上回る」と賃上げ額を非公表にした。大きな曲がり角にきたトヨタの春闘。賃上げと人への投資1万2000円と一時金の満額6・7カ月は譲れない。

            ◇

 この記事は、3月6日にアップする予定でしたが、前日にアップしました。
19春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/03/05 22:20

◎賃上げ、一時金の議論は? 第2回労使協

 トヨタ自動車の2019年春闘の第2回労使協議会が2月27日(水)に開かれました。トヨタ労組は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で12、000円を要求する」としていますが、具体的な賃上げ(ベア)額は明らかにしていません。年間一時金は、基準内賃金の6・7ヵ月です。

 組合の「評議会ニュース」によると、組合側は、(1)、「”プロ”になるための課題」として、「自業務の専門性を高め、常に学び続けることを宣言し、 プロになるために必要なこと・課題を主張」したといいます。

 (2)、「オールトヨタの競争力強化に向けて」として、「トヨタの意識・仕事の進め方」の見直しを提言 今日から一緒に変えていくことを労使共に決意したといいます。

 (3)、「賃金、一時金について」は、会社側からの発言として、「〈賃金〉は、きわめて優位性の高い賃金水準にあるため一律ではなく当社固有の課題を解決すべき」、〈一時金〉は、一律でなく「プロとして成長をし続ける人」「オールトヨタの競争力の ために貢献した人」へ報いるあり方を今後検討――するとしています。

 ベアの考え方として、「プロを目指し成長し続ける人が評価され、報われる環境整備を2~3年かけて行っていきたい」などとのべ、一律のベアではなく、成果主義によるものとの考えを示しました。

 「評議会ニュース」は、「プロになるための課題」と「オールトヨタの競争力」が前面にきて、しかも紙面の大部分がそれにあてられています。春闘最重要の課題の賃上げ、一時金の議論はどうなったのでしょうか?

19 第2回労使協
(評議会ニュースから)

 会社側からは、「オールトヨタの競争力」の強化では、「各社に『提案してくれてありがとうございます』では、生き延びる覚悟が足りない」として「待ちの姿勢」を改めるべきだという発言などが出されました。

 また、「若手の退職(20代事技職)も増加しており、プロ人材の育成に向けては危機感を持っている」との発言もありました。

 組合の西野勝義委員長は、「目指すべきプロ像」については、「 職場により様々。この場の議論で終わらせず、全ての職場で議論する」と主張。「賃金・一時金」については「理解を深めることが必要。処遇の変更は組合員の納得を得ることが重要」とのべました。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/03/05 07:32

◎19春闘 第1回労使協 ベアを議論しない異例の展開

 トヨタ自動車の2019年春闘。その第1回労使協議会が2月20日(水)に開かれました。18春闘で、賃上げ(ベア)額を「昨年を上回る」と日本語回答し、ベア額を非公表にした会社。19春闘でトヨタ労組は、要求の総額(1万2000円)を示すだけで、ベア額は明らかにしませんでした。

 注目された第1回の労使協議会。賃上げ、一時金について、労使ともまったく触れず、トヨタの競争力など今後の課題、トヨタ本体と関連会社など「オールトヨタ」が一致団結すること、全員活躍などについて議論する異例の展開になっています。

 18春闘の第1回労使協では、3000円の賃上げを要求した組合に対し、会社側はトヨタの賃金は「極めて優位性のある水準」とか、一時金要求に対しても、「今回の要求水準は極めて高く、そのまま応えることは困難」と組合側を牽制していました。

 19春闘では、組合の「評議会ニュース」によると、組合の西野勝義委員長は、「競争力を高める取り組みを真剣に考え、行動に移そうとする組合員が『解決出来ないこと』、取り組みを進めるにあたり、立ちはだかる『壁』などについて本音の議論を重ねて参りたい」などと主張しました。

 これに対し豊田章男社長は、「オールトヨタの仲間から『一緒に働きたい』、支えてくれている全てのステークホルダーの皆様から『トヨタ頑張れ』と応援される会社になりたい」などと応じました。

50 トヨタ本社地区3 グーグルアース
(豊田市のトヨタ本社地区。中央のビルが本社=グーグル・アースから))

 組合側からは、トヨタ広瀬工場の電子部品を、デンソーへ移管する問題で、デンソーとのチームワークのために交流の機会が欲しい、出向後の不安を取り除くために会社のサポートをお願いしたいなどの声が出されました。

 会社側からは、世界の自動車産業の電動化や自動運転化など「100年に一度の大変革期の中、『生きるか死ぬか』の緊迫感が腹落ちしておらず、危機感が自覚出来ていない」(寺師茂樹副社長)などともっと組合員が危機感を持つ必要があると主張しました。

 また、「トヨタ単独ではやり切れないため、今こそグループ一体とならないと勝てない」(小林耕士副社長)と「オールトヨタ」を強調。組合の西野委員長は、「オールトヨタが一致団結できるよう、会社と取り組んでいきたい」と応じました。

 「全員活躍」の課題では、組合側から業務職や高専卒、シニア期間従業員のように学歴・採用形態による処遇の格差とその是正を図るべきだと提起をしました。

 会社側は、「年次や学歴の枠にとらわれることなく、今後は1人ひとりをみて是々非々で判断していく」などと改善を図ること。「シニア期間従業員の食事費補助など、具体的な方策を検討する」などの回答を示しました。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/02/28 13:53

◎「“春闘”の構造を変える」 トヨタ労組

 トヨタの「評議会ニュース」が職場に配布された。「19ゆめW 要求決定!」といって19春闘の要求案が2月8日に開かれた評議会で満場一致で可決されたという。

……
 技能職、中堅技能職、技能5等級の賃金を310、580円とする。
 技能職、EX級、技能4等級の賃金を383、310円とする。
 技能職、EX級、技能3等級の賃金を417、990円とする。
 賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で12、000円を要求する。
……

 年間一時金は、基準内賃金の6・7ヵ月。

評議会ニュース ベア分消える


 昨年まであった賃上げ分(ベア分)が消えた。なぜ、ベア分を明らかにしないのだろうか? 上郷支部の職場委員長が質問していた。

 「研修や評議会などを通じて、執行部から、要求の形を変えていくという説明は受けており、職長・評議員はその目的・趣旨について理解を深めていたが、職場委員や一般組合員の中には、昨年までとの違いに戸惑っているメンバーもいた」

 「要求の形を変える」? ベア分を示さないことだ。組合員が戸惑うのは当然だろう。副委員長が答弁している。「に中小企業で働く仲間の底上げがまだ進んでいないことが課題」「賃金の絶対水準を重視した取り組みに変えていく」という。

 トヨタ関連、トヨタ下請け(中小企業)の仲間の賃金の格差、底上げをはかることは当然だ。そのために「賃金の絶対水準」を重視し、3つの到達目標を示したことも理解できる。

 しかし、なぜベア分を示さないのかまったくわからない。副委員長も答えていない。納得できない。このことによって、「社会全体の”春闘”の構造を変えていく」と副委員長は答弁しているが、トヨタがベアを明らかにしないことが、どうして春闘の構造を変えることになるのか、まったくわからない。

 西野勝義委員長が決意表明している。トヨタをはじめ世界の自動車会社は、「100年に一度の大変革期の中」で、「グループ全体の競争力強化に向け懸命に取り組んでいる」などと語る。

 それとベア分を示さないこととは、どうつながっているのか? わからないことばかりだ。
19春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/02/15 10:12

◎トヨタ労組 賃上げ要求を提出 ベア明示せず

 トヨタ自動車労組は2月13日、19春闘の要求を会社に提出しました。例年のように4回の労使協議会が開かれ、3月13日の第4回労使協議会で会社側が回答を示します。

 今年の賃上げ要求は、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で1万2000円を要求する」というもの。定昇に当たる賃金制度維持分、自己研鑽補助、シニア期間従業員の昼食費補助などが含まれています。

 具体的なベア額を示していません。18春闘で、3000円を要求した組合に「昨年を上回る」という日本語回答をして具体的なベア(ベースアップ、賃上げ)額を示さなかった会社に沿ったものです。

 メディアは、「ベア非公表 労使で一致」(日経、14日付)、「他の(自動車の)労組は従来通りベア額を示す形で要求し、足並みが乱れた」(朝日、14日付)と報道しています。

 関連・下請け会社との格差是正のためには、ベアの上げ幅ではなく、どれだけの賃金に到達するのかが重要として、①技能職、中堅技能職、技能5等級の賃金を31万580円とする、②技能職、EX級、技能4等級の賃金を38万3310円とする、③技能職、EX級、技能3等級の賃金を41万7990円とする――という3つの到達目標を示しています。

 利益・内部留保日本1のトヨタが2000年代は、日本の賃上げの“春闘相場”を決めてきました。そのトヨタの労使がベアを非公表にしたことで、春闘を引っ張る組合がいなくなるとともに、上部団体の連合や自動車総連、金属労協(JCM)の賃上げがどれほどになったかの正確なデータを得られなくなることを意味します。

トヨタ労組 18春闘本社ブロック集会
(トヨタ労組の18春闘本社ブロック集会)

 産業別に結集してきた自動車総連は、トヨタが非公表にしたことにマツダ労組が同調。一方で、「賃金改善相当分3000円」(日産労組)、「ベア3000円」(本田技研労組)、「賃金改善分3000円」(三菱自工労組)、「賃金改善分3000円」(ダイハツ労組)、「賃金改善3000円」――などと2分され、産別共闘に問題を残しました。

 トヨタ労組の一時金の要求は、18春闘より0・1カ月分多い年6・7カ月です。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/02/14 10:52

◎ベア要求額消える トヨタ労組の19春闘要求案

 トヨタ自動車労組(西野勝義委員長、6万2657人)は1月28日に評議会を開き、執行部が19春闘要求案を示しました。18春闘で、「昨年を上回る」という日本語回答をして具体的なベア(ベースアップ、賃上げ)額を示さなかった会社に沿うように、19春闘で執行部はベア要求額を示しませんでした。

 具体的に示したのは、「賃金引き上げ・人への投資を合わせて、全組合員一人平均で1万2000円を要求する」というものです。これには、ベアや定昇に当たる賃金制度維持分、自己研鑽補助、シニア期間従業員の昼食費補助などが含まれています。

 その上で、①技能職、中堅技能職、技能5等級の賃金を31万580円とする、②技能職、EX級、技能4等級の賃金を38万3310円とする、③技能職、EX級、技能3等級の賃金を41万7990円とする――という3つの到達目標を示しています。

 18春闘までのようにベア要求額を示さなかったことについては、「社会全体の賃金格差の拡大防止や賃金水準の底上げに向け、賃金水準をより前面に押し出した取り組みとすることで、各労使における”賃金の総額に重点を置いた交渉“への転換に寄与する」ためだとしています。

 つまり、これまでのように日本の大企業で利益NO1のトヨタのベア額を基準にして、他の企業がベア額を決めていた方式では、トヨタと他の企業(関連・下請けなども含め)との賃金格差を縮めることや賃金の底上げを図ることは難しいので、トヨタのベア額は示さないというのです。

トヨタの営業利益と賃上げ
(表はトヨタの営業利益と賃上げの推移。ベア要求、回答を示さなければトヨタの賃上げはわからなくなる)

 一方で、定昇や様々な手当てを含めば、いったいどれだけのベア額が積みあがったかが不透明になり、賃金の社会横断的な水準――賃金の社会性や労働組合が産業別に春にいっせいに賃上げを求めてたたかう共闘――日本独自の春闘が困難になります。

 特に経営が厳しい中小零細企業では、大手労組などのベア目標が労組の拠り所、大義名分になってきた経過があります。

 実際、西野委員長は18春闘の後で、「全トヨタ労連の仲間達からは、賃金制度改善分(注、ベアのこと)の水準が開示されなかった点については、『皆で一緒になって取り組みを進めてきたが、水準が分からない事により、一体感が損なわれたと感じた』という厳しいご意見を頂き、課題が残った事も事実である」などとのべていました。

 労働組合の全国組織の連合は、19春闘でベア2%程度を基準とし、定期昇給相当分を含め4%程度を要求するとしています。トヨタ労組が加わる金属労協(JCM)は、定期昇給など賃金構造維持分を確保した上で、3000円以上の賃上げを掲げています。

 自動車総連は、19春闘からベアの統一要求をやめて、「自動車産業目標」「自動車産業スタンダード」など10種類の「絶対水準」を示し、そこに到達するという方式に切り替えました。

 また、金属労協に加盟し日立製作所などの組合でつくる電機連合は、大手13組合が3000円以上のベアを統一してかかげています。

 トヨタ労組のようにベア要求額を示さない方式で、「賃金格差の拡大防止や賃金水準の底上げ」が果たして可能なのか、職場で真剣に議論する必要があるでしょう。

 またトヨタ労組執行部は、一時金の要求案として、18春闘より0・1カ月分多い年6・7カ月を示しました。賃上げや一時金などの要求案は2月8日の評議会で採決される予定です。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/02/01 15:36

◎「労使自治論」前面に 経団連「経労委報告」

 日本経団連は1月22日、2019年春闘の経営側方針である「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)を発表しました。今年は、「賃金の引き上げは、政府に要請されて行うものではない」「労使による議論をへて企業が決定する」と「労使自治論」を前面に掲げました。

 東レ出身の榊原定征・前経団連会長は、「アベノミクス」が破綻しないように賃上げ要請を続けてきた安倍首相に応え、2014年以来、いわゆる「官製春闘」を黙認して一定の賃上げを容認してきました。

 今年の「経労委報告」では、賃上げが選択肢になるのは、「生産性向上により、収益が安定的に拡大している企業」の場合だと強調し、「官製春闘」を否定。日立製作所の中西宏明会長が経団連会長に就任したことを受けて、金属大手労使が主張する「労使自治論」を前面に押し出した上に賃上げ抑制を露骨に示しました。

10 経労委報告 2019
(「経労委報告」の2019年版。昨年は税込みで972円でしたが、今年は1296円に。賃上げせずに値上げするのかとの声も)

 具体的な賃上げについても、連合が求める月例賃金引き上げ(ベースアップ=ベア)ではなく、「多様な方法による年収ベース」にするとし、「業績や成果、貢献度」を加味したものではならないとしています。

 「経労委報告」で経団連が主張するように、賃上げは「収益が安定的に拡大している企業」にのみとすれば、ごく限られた大企業に限定されてしまう賃上げ不要論に通じるものです。

 巨額の内部留保についても、「経労委報告」で利益剰余金は12年度の304兆円から17年度には446兆円へと、わずか5年間で142兆円も増えたことを認めています。

 さすがに昨年の「経労委報告」は、「過剰に増やすようなことがあれば、投資家の視点から決して許されない」とのべていました。ところが今年は、「人財への投資」へ活用するという指摘も消え、「適正な水準の内部留保を確保することの重要性が一層高まっている」と“一層”ため込むことを宣言しています。
19春闘 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/01/26 18:13

◎「賃上げ、労働条件の改善こそ経済回復の道」 労働総研が19春闘へ提言

 労働組合の全国組織、全労連と協力・共同している労働運動総合研究所(労働総研)は1月16日、2019春闘の提言「賃上げ、労働条件の改善こそ経済回復の道」を発表しました。
http://www.yuiyuidori.net/soken/

 その骨子は、「Gセブン7か国の経済成長率を比較すると、日本は下から3番目と低く、唯一、実質賃金がマイナスである。国際的にもアベノミクスの失敗は明らかである」と指摘しています。

 その上で、「とりあえず、安倍政権発足時まで生活を戻し、維持するだけで、7・16%、2万3044円の賃上げが必要になる」と大幅賃上げの必要性を強調しています。

 労働総研が提起している労働者のための「働き方改革」(働くルールの確立)にふれ、「非正規労働者の正規化、最低賃金の1500円への引き上げおよび2万5000円の賃上げを実施すると、59・5兆円の財源が必要になるが、それによって付加価値(≒GDP)が34・8兆円増加し、税収も6・355兆円の増収となる」と試算しています。

 それにより、「GDPの増加34・8兆円は、2016年のGDPの6・5%に相当するから、第2次安倍内閣発足後、平均1・14%であった経済成長率が6倍近くに加速されることになる」としています。

労働総研 19春闘提言


 日本の企業の2017年度の内部留保が667・3兆円に達したこと。従業員1人あたりでみると、全体で1531万円、資本金規模1000万円未満の企業でも214万円あり、財源は十分である、としています。

 19春闘では、「賃上げおよび労働条件の改善は、労働者だけではなく、日本経済にとっても必要なのであり、それを実現するのは、労働組合の社会的責任である」と春闘を元気にたたかうよう激励しています。

 2万5000円の賃上げは、全労連が掲げています。大企業の内部留保はたっぷりであり、一方で労働者の実質賃金はアベノミクスの失敗で減り続けています。内部留保が20兆円を超える断トツのトヨタ自動車では、大幅賃上げは可能です。

 労働総研の提言を職場論議に生かしましょう!

              ◇

 この記事は、1月22日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/01/21 14:55

◎自動車総連 19春闘統一要求掲げず

 18春闘で、トヨタ自動車が賃上げ額(ベア)を公表しなかったことが19春闘を揺さぶっています。トヨタ労組が加わる自動車総連は1月10日、横浜市で中央委員会を開き、19春闘では統一要求を掲げない方針を決めました。

 自動車総連は、2002年春闘でトヨタ労組がベアゼロに抑えられて以降13年まで、ベアはゼロか、1000円程度の低額で推移してきました。14年以降は、15年に「月6000円以上」、16~18年は「月3000円以上」のベア要求を掲げてきました。

18春闘 jcmボード
(金属労協の18春闘回答ボードには、トヨタは「昨年を上回る」との日本語回答で、ベアは非公表でした)

 総連として、こうしたベアの統一要求をやめて10種類の「絶対水準」を示すという方式に切り替えるものです。大手と中小の賃金格差が縮まらないというのが理由です。

 これまでのように「上げ幅だけではなく、賃金カーブや配分に係る課題に目を向けるなど『絶対額を重視した取り組み』をこれまで以上に進める」(総連の高倉明会長)としています。一方で、比較的賃金が高いトヨタ労組などは、事実上、賃上げ抑制になる可能性もはらんでいます。

 10種類の絶対水準は、「賃金センサスプレミア」「自動車産業プレミア」「自動車産業目標」「自動車産業スタンダード」「自動車産業ミニマム」の5段階を、「技能若手労働者」と「技能中堅労働者」に分けるもの。

 「技能中堅労働者」の「賃金センサスプレミア」は37万円で、「自動車産業ミニマム」は24万円です。13万円もの開きがあり、この方式での格差是正は長期にわたる可能性があります。

 トヨタ労組執行部が組合員に要求案を示すのは、1月下旬の評議会です。総連の方針を受けて、どのような要求案を出すのかが注目されます。
19春闘 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/01/13 20:26

◎トヨタの賃上げ非公表、自動車総連に影響

 トヨタ自動車が18春闘で、3000円の賃上げ(ベア)を要求した組合に対し、「昨年を上回る」と日本語回答し、ベアを非公表にしたことが19春闘に影響を与えています。

 自動車総連は12月13日、19春闘の方針案を発表しました。これまで総連としてベアの統一要求(18春闘は3000円)を示してきましたが、これをやめて10種類の「絶対水準」を示すという方式に切り替えるといいます。

 利益トップのトヨタは、2000年代に入り賃上げ相場を決定する役割を果たしてきましたが、今後も非公表を続ける見込みであること。統一要求では、大手企業と中小企業の格差は縮まらない――などのためと見られています。

 10種類の絶対水準は、「賃金センサスプレミア」「自動車産業プレミア」「自動車産業目標」「自動車産業スタンダード」「自動車産業ミニマム」の5段階を、「技能若手労働者」と「技能中堅労働者」に分けるもの。

 「技能中堅労働者」の「賃金センサスプレミア」は37万円で、「自動車産業ミニマム」は24万円です。13万円もの開きがあり、この方式で格差が果たして縮まるかどうか?

JCM 18春闘ボード
 (トヨタ労組が加盟する金属労協=JCM=の18春闘回答ボードは、トヨタは「昨年を上回る」との日本語回答で非公表でした)

 メディアでは、「今回の方針変更は、18年春闘でトヨタ自動車が会社としてベアの実額を非公表とした影響がありそうだ。最大手メーカーのベア水準が分からなくなったため、自動車総連としては実額要求を打ち出しにくい」(日本経済新聞)、「18年の春闘では、相場の牽引役だったトヨタ自動車が妥結したベア額を公表せず、トヨタの労組もこれを受け入れた。この動きを黙認した格好だ」(朝日新聞)――などとトヨタの非公表が影響したとしています。

 上部団体の自動車総連の方針を受けて、トヨタ労組はどのような方針を打ち出すのか注目されます。トヨタ労組執行部が要求案を示すのは、来年1月下旬の評議会です。
19春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/12/14 17:16

◎トヨタ春闘はどこへ行くのか? (下)

 トヨタ労組の「評議会ニュース」(12月4日発行)は、「19ゆめW 取り組みにあたって」の特集を組んでいます。このなかで、“トヨタショック”と呼ばれた2002年の春闘についてふれています。

 02春闘では、組合のベア1000円の要求に対し、奥田碩会長=当時=が「いつまで100円玉の争いをしている」と一喝してベアゼロに抑えたといわれています。

 1兆円を超える、大企業トップの営業利益を上げていたトヨタ。そのトヨタのベアゼロは、他の企業に衝撃を与え、軒並みベアゼロになりました。“トヨタショック”と呼ばれました。

 「評議会ニュース」では、次のようにのべています。

……
 ・02ゆめWは「このまま毎年賃上げを続ければ日本のモノづくり競争力を失う」との会社判断から、当時、過去最高益でありながら、それまで続いていた改善分獲得が途絶え(ベアゼロ)、他社でもベアゼロが続出し、社会全体に大きな衝撃を与えるとともに、「改善分が当たり前でない時代」への変化点になった。

 ・ベアゼロとなって以降の数年は、トヨタの業績は向上していたが、日本経済全体の状況(収益状況の厳しい企業が多数存在したことなど)を考慮すると、労働界全体が賃上げに取り組める状況ではなかった。そのため、トヨタのみが改善分に取り組むことは難しい状況が継続した。
……

30 トヨタの営業利益と賃上げの推移


 表のように、02年から13年までの12年間、ベアがあったのは3回、それもわずか1000円にすぎず、あとは軒並みベアゼロとなり、賃上げ“冬の時代”が続きました。08年のリーマン・ショックで、トヨタは赤字になったとはいえ、この間、トヨタは1兆円から2兆円超の営業利益をあげていました。

 これを脱したのが14春闘です。トヨタが2兆円を大きく上回る営業利益を上げる中で組合は4000円のベアを要求。2700円のベアを獲得しました。15春闘では、6000円を要求し、4000円を獲得しました。

 18春闘までの5年間、連続して賃上げがある春闘になりました。しかし、安倍政権が日本経団連に賃上げを要請したことから、メディアからは「官製春闘」と揶揄される事態になりました。

 こうしたなかでトヨタは、18春闘で組合が3000円のベアを要求したにもかかわらず、「昨年を上回る」という日本語で回答し、ベアを「非公表」としました。利益日本1のトヨタの「非公表」は、「社会全体に大きな衝撃を与え」ました。

 この16年間の春闘を振り返ると、19春闘でトヨタ労組がどのような要求を掲げるのかが、今後の日本の春闘のターニングポイント(転機)になりそうです。組合員の切実な願いに応えるような要求であったほしいと思います。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/12/12 20:54

◎トヨタ春闘はどこへ行くのか? (上)

 トヨタ自動車の19春闘が始まります。トヨタ労組の「評議会ニュース」(12月4日発行)は、「19ゆめW 取り組みにあたって」の特集を組んでいます。

 トヨタ労組にとって19春闘は、特別の意味を持っています。18春闘で3000円の賃上げ(ベア)を要求したにもかかわらず、会社の回答は「昨年を上回る」という日本語回答で、会社は具体的な数字を非公表としたからです。

 組合は、ベア3000円に賃金制度維持分(定期昇給分)として7300円、合わせて1万300円を要求しました。これに対し会社の回答はつぎのようでした。

……
 「人への投資」も含め、一般組合員、SP、パートタイマー、シニア期間従業員、全組合員の昇給額とし、その金額は一人平均11700円、率にして3・3%とする。
……

 「評議会ニュース」では、これを振り返り、「要求と回答が異なったことや回答の一部が非公表になったことは異例」とのべながら、「一方、会社回答に込められている、『全員活躍』『関係各社との格差是正』に向けた取り組みを進めていきたいという考えは、理解できないものではない」としています。

 しかし、日本の春闘でトップ企業のトヨタの果たす役割は2000年代になって決定的になっており、ベア額の非公表という事態にトヨタの労使に批判が集中しました。

トヨタ労組 18春闘
(トヨタ労組の18春闘本社地区ブロック集会)

 このため「評議会ニュース」では、19春闘では要求について次のような方向性を示しています。

……
■今後の要求においては、基準内賃金の重要性は踏まえつつ、それ以外の「人への投資(総合的労働条件等)」も検討していくべきではないか。

■「人への投資」については、下記の観点を基に考えるべきではないか。

 職場:職場の声・ニーズを踏まえた上で、その課題を解決することで更なる競争力強化に繋がるもの(*)。

 (*)台数増/能率向上/費用低減など、利益に直接繋がるもののみに限らず、個別課題を解決することにより、組合員の意欲・活力につながるものも含む。

 社会性:社会的な課題の解決につながるものかなど、世の中への影響を考慮。

 ⇒日頃より組合員の皆さんから頂いている声や期初研修などで吸い上げた意見も踏まえ、今後執行部で検討していく。
……

 執行部が具体的な要求案を示すのは、19年1月下旬に開く予定の評議会です。どのような要求案になるのか、19春闘は特別に注目されます。
19春闘 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2018/12/11 17:26

◎ベア非公表についてトヨタ労組の見解は

 2018年春闘でトヨタ自動車労組は、賃上げ(賃金制度改善分)として3000円を会社に要求しましたが、会社が回答したのは「昨年を上回る」という日本語回答で、具体的な数字を示しませんでした。

 トヨタ労組の西野勝義委員長は、回答を受け入れるかどうかの評議会(3月30日)のあいさつで、次のようにのべました。

 「全トヨタ労連の仲間達からは、賃金制度改善分の水準が開示されなかった点については、『皆で一緒になって取り組みを進めてきたが、水準が分からない事により、一体感が損なわれたと感じた』という厳しいご意見を頂き、課題が残った事も事実である。来年以降のゆめW(注、春闘のこと)の取り組みに向けて、要求案や交渉の進め方などにつき、執行部として検討していく」

 トヨタ労組の第85回定期大会が10月13日に開かれましたが、ベアが非公表になったことについて代議員から次のような質問が出ました(組合の「評議会ニュース」から)。

 「執行部が認識している課題は以下3点と伺った。①組合の要求と会社の回答形式が異なったこと②賃金制度改善分の獲得額が非公表であったこと③労使協における労使の主張がかみ合わなかったこと。上記課題についての執行部の受け止め、“19ゆめW”に向けて、どのような議論が行われているかを教えてほしい」

トヨタ労組集会
(18春闘のトヨタ労組の本社地区ブロック集会)

 これに対し、執行部は次のように答弁しました。

 「要求と回答の形式が異なったことは異例だが、『社会全体の格差是正』や『トヨタで働く者の一体感醸成に向け取り組みを進めたい』という会社の考え方自体は、執行部が目指すものと根元は同じであると認識」

 「“19ゆめW”の要求は、『何を求めていくことが組合員のためになるのか』『会社の競争力に結びついていくのか』を踏まえ、現在、執行部にて議論を進めている」

 執行部での議論途中などとして、具体的な答弁ではありませんでした。ベア非公表は、トヨタの労使にとどまらず、日本の春闘に大きな与えました。トヨタ労組が加わる金属労協(JCM)や連合の賃上げ回答に、トヨタ労組をふくむことができなくなったからです。

 春闘の“リーダー労組”を自認するトヨタ労組の明確な総括、今後の方向が求められます。
19春闘 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/10/26 14:16

◎連合が「基本構想」に賃上げ目標示さず? トヨタの影響か

 トヨタ労組の上部団体で、労働組合の中央組織の連合は、春闘の「基本構想」に、これまでは賃上げ(ベア)の目標を示してきましたが、19春闘では示さないことを検討していることがわかりました。

 朝日新聞(10月3日付)が報道しているものです。それによると連合は、18春闘のまでの3年間、「2%程度を基準」とした賃上げ目標を「基本構想」に入れていました。

 ところが、連合が10月2日に開いた幹部会議で示した19春闘の「基本構想」の素案には、賃上げ引き上げ率の目標の記載がなく、「闘争の争点を賃金の『上げ幅』追求から働き方の価値に見合った賃金『水準追求』へと転換をはかっていかなければならない」とあり、19春闘はその足がかりとするとしていました。

 この方法に異論がでたために、連合執行部は、「基本構想」の次の段階の「闘争方針」には、何らかの賃上げ引き上げ率目標を入れると説明したといいます。

 朝日新聞の記事は、連合の方針の見直し検討には、春闘相場をリードするトヨタが18春闘で賃上げを非公表にしたことがあるのではないかとして、連合関係者の声をのせています。

トヨタ労組の18春闘
(18春闘で開かれたトヨタ労組の本社ブロック集会=3月6日)

 トヨタ労組は9月はじめの「評議会ニュース」で、前期の経過報告、後期の運動方針(案)を掲載しています。そのなかの「賃金」のなかで、18春闘で賃上げ額が非公表になったことについて、「組合要求(注、3000円)と会社回答が異なる形式であったことや、賃金制度改善分(注、ベアのこと)が非公表となったことも踏まえ、今後の要求のあり方を検討していく」としています。

 その上で、賃上げの「主張の考え方(イメージ)」として、「これまで」は、「過去の取り組み成果に重きをおいて主張」してきたとしています。「今後」は、「取り組みの成果のみでなく、競争力強化に向けた組合員の危機感・思い・決意などもしっかりと主張」していくとしています。

 つまり、過去の成果ではなく、「競争力強化に向けた組合員の危機感・思い・決意などもしっかりと主張」していくことに力点を置いていくというものです。

 そこには、豊田章男社長が18春闘の第3回労使協議会で発言したことが大きな影響を与えています。「評議会ニュース」でも改めて社長発言を紹介しています。

 「(組合側から)第1回、2回で伺った多くの話は兎にも角にも、『自分達はやった。成し遂げた。努力してきた。』と、アピールを重ねているように聞こえました。(中略)敢えて、厳しい言い方をしますと、百年に一度の危機感を本当に持っているならば、自分達の過去の成果に目を向けている暇はありません。」

 豊田社長が常に語っているのは、電動化、自動運転化、コネクテッド化、シェア化など世界の自動車産業の「100年に1度の大変革の時期」に、これまでのように他の自動車会社との競争だけではなく、グーグールのようなIT企業などが参入しているもとで、トヨタは「生きるか、死ぬか」という危機のなかにあるということです。

 そのためには、「過去の成果に目を向けている暇」はなく、「競争力」をいっそう強化しなければならないという考えです。組合の主張の「今後」が「競争力強化」になっているのは、豊田社長のこうした発言が背景にあるのです。

 連合の春闘は、大企業労組から中小零細企業労組までが産業別に結集し、統一した賃上げ目標を掲げてたたかってきました。特に、経営が厳しい中小零細企業では、連合が掲げる賃上げ目標が労組の拠り所、大義名分になってきました。

 そうした中小零細企業労組では、連合が「基本構想」で賃上げ目標を掲げないことを検討していることに反発が出ているといいます。春闘の“リーダー労組”を自認するトヨタ労組が、日本の春闘全体に与える影響は大きく、18春闘のように回答非公表を受け入れるのではなく、「今後」の方針もトヨタだけではなく、日本の春闘全体に目配り・配慮して出すべきではないでしょうか。
19春闘 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2018/10/06 12:36
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