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◎「桜を見る会」 「しんぶん赤旗」日曜版が大活躍

 安倍晋三首相が税金で開催される「桜を見る会」を私物化していた大問題をスクープした「しんぶん赤旗」日曜版(10月13日号)。日本共産党の田村智子参院議員の国会質問(11月8日)で、一気に火が付きました。

 思想家で神戸女学院大学の内田樹名誉教授は14日、ツイッターに投稿しました。

 ……
 「桜を見る会」は政権の命取りになると思います。(1)前夜祭での公選法違反(事後買収)を否定する証拠がない(2)議員の支援者が招待された事実を万単位の関係者がSNSでばらした(3)そもそも「違法行為ではないか」という自覚がなかった(4)違法行為でも「うるせえ」で済むと思っていた。
……

 安倍首相の“命取り”になるという大問題だといいます。 その日曜版が「安倍事務所が招待客集め」と題するスクープを連打しています(11月17日号)。

25 日曜版 第2弾


……
 「『桜を見る会』のご案内」と題する文書があります。フェイスブックに載せた(あべ晋三)後援会員は編集部の取材に「今年2月に封書で送られてきた」と語ります。

 文書の差出人は安倍晋三事務所。「出席をご希望される方は、2月20日までに別紙申込書に必要事項をご記入の上、安倍事務所または、担当秘書までご連絡ください」と記載されています。

 「案内」には桜を見る会とセットで「あべ晋三後援会主催 前日夕食会(会費制)」とも書かれています。

 関係者によると、同封された申込書には「後日郵送で内閣府より招待状が届きますので、必ず、現住所をご記入ください」と書いてあるといいます。

 桜を見る会の招待者を安倍事務所が取りまとめ、後援会行事の目玉にしていたことを裏付ける決定的“証拠”です。
……

 安倍首相は追い詰められました。さぁ、“命取り”になるような流れになってきました。

                                 ◇

 この記事は、11月16日にアップする予定でしたが、都合により前日にアップしました。
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安倍政権 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/11/15 21:24

◎“アベチャンネル”もやるじゃないか 「桜を見る会」

 安倍晋三首相が自身の後援会員ら約850人を招待した疑惑の「桜を見る会」。安倍首相を批判せず、“アベチャンネル”と揶揄されるNHKが11月14日の午後7時のニュースで、独自取材した「安倍首相の国会答弁と食い違う証言」を放送しました。

 NHKも「桜を見る会」が安倍首相によって私物化されたと放送したのです。少し長いですが、以下はその内容――。

……
 まず「桜を見る会」の前日に「前夜祭」などと称して安倍総理大臣の後援会が都内のホテルで毎年、開いていた懇親会についてです。

 NHKが入手した「桜を見る会」の案内文には、前日の懇親会について、安倍総理大臣の後援会が主催し会費は5000円だったと記されていて、ことしの懇親会に出席した女性は「850人ぐらいが出席していた」と証言しています。

 政治資金規正法は、政治団体が会費を徴収して催し物を開いた場合には、その収支を政治資金収支報告書に記載することを義務づけていますが、政治団体「安倍晋三後援会」の収支報告書にはこうした懇親会の収支の記載はありません。

60 写真1 アベチャンネル
(NHKの11月14日の放送から)

 懇親会について安倍総理大臣は今月8日の参議院予算委員会で「各個人がホテルとの関係においてもそれはホテルに直接払い込みをしているというふうに承知している」と答弁し、会費は出席者がそれぞれホテル側に直接支払ったと受け取れる説明をしています。

 数百人規模のパーティーの代金を出席者一人一人がホテル側に直接支払うことは可能なのでしょうか?

 NHKは過去に懇親会が開かれていた都内の2つのホテルに取材しました。いずれも個別のケースについては答えられないとしましたが、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」は「パーティーの代金は原則として出席者から個別に受け取ることはなく主催者や代表者から一括で受け取る」と説明しました。

 「ホテルニューオータニ」は「代金を個別に受け取るか一括かはケースバイケースで相談次第だ」と回答したうえで、会費5000円のパーティーのプランはあるかどうか尋ねたところ「パーティープランの最低価格は1人1万1000円からで値切り交渉などには応じられない」などと説明しました。

菅官房長官は14日午後の記者会見で、安倍総理大臣の後援会が「桜を見る会」の前日夜に、東京都内で開いた懇親会の会費が1人5000円だったとされることについて、「安倍総理大臣の事務所のことなので承知していないが、5000円でできないことはないのではないか。想定の範囲だと思う」と述べました。

60 写真2 アベチャンネル
(NHKの11月14日の放送から)

 このうちことし4月の懇親会に出席した山口県内の地方議員は「5000円の会費は会場の部屋の前に設けられた受付でホテルの従業員ではなく安倍総理大臣の事務所の関係者に支払ったと思う。このような会合でホテル関係者に会費を支払うということはありえない」と証言しました。

 そのうえでこの議員は、5000円の会費について「ホテルで開かれるパーティーと考えると、少し安いと感じた」と話しました。

 このほか安倍総理大臣は「桜を見る会」の招待者について「各界において功績・功労のあった方を各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待している。私は招待者の取りまとめ等には関与していない」と答弁しています。

 しかしNHKが入手した「桜を見る会」の案内文は安倍総理大臣の事務所が地元関係者に参加を募る内容になっていて、実質的に安倍総理大臣の事務所が支援者の参加を取りまとめていたことを伺わせる内容になっています。

 かつて自民党の国会議員の秘書を務めていた地方議員がNHKの取材に応じ、総理大臣主催の「桜を見る会」には国会議員の推薦枠があったとしたうえで、「みずからもその枠を割りふる仕事をしたことがある」と証言しました。

 この地方議員によりますと、十数年前の自民党政権時代に自民党の国会議員の秘書を務めていた際、総理大臣主催の「桜を見る会」の参加者に国会議員の推薦枠があることを知らされ、その枠を議員の支援者に割りふる仕事を担当したということです。

 この議員は、「秘書の仕事として、議員の指示を受けて支援者に『桜を見る会』への参加を呼びかけたことがある。割り当てられた推薦枠は5人ほどで、後援会で功労があった方やお世話になった方に声をかけていた」と証言しました。

 そのうえで、「桜を見る会」は公的行事というより政治活動の色彩が強いのかという質問に対し、「そのように指摘されても否定しづらい部分は大いにある」と述べました。

 さらに、地方議員になったあと、「桜を見る会」に実際に参加した際に感じた違和感についても証言しました。

 この議員が住んでいる地域では、地方議員が「桜を見る会」に招かれることはふだんはほとんどなかったということですが、自民党の総裁選を控えていた去年の『桜を見る会』には、この議員を含めて多くの自民党の地方議員が会に招かれたということです。

 この議員は「ふだんは招待されないのに総裁選前に全国の自民党の地方議員が呼ばれたということは、3選を目指ざす安倍総理大臣への支持固めという意味合いがあるのではないかという疑いを感じた」と話していました。
……

NHK 安倍答弁
(NHKの11月14日の放送から)

 NHKがこの独自取材を放送した14日、日本共産党の志位和夫委員長は記者会見で、安倍首相の「疑惑はふくらむ一方だ」とのべ、3点の疑惑を指摘しました。

 第1は、「桜を見る会」を安倍後援会が私物化し、国民の血税を使って買収を行っていた疑惑。第2は、1人あたり5000円の会費を取り850人規模で開催した「前夜祭」の収支が、安倍氏の関連政治団体の収支報告書に記載されていない問題。第3は、首相の虚偽答弁の問題――と指摘しました。

 その上で、官邸内の「推薦枠」があったにもかかわらず、また安倍後援会が招待者の取りまとめを行っていたにもかかわらず、「招待者のとりまとめに関与していない」(8日の参院予算委)とのべたのは、明らかな虚偽答弁。

 志位委員長は、「この3つの問題は、どれも安倍首相でなければ答えることのできない問題です。とくに虚偽答弁は深刻な問題です。首相が国会で疑惑をただされたらウソで切り抜けることが堂々とまかり通ったら、まともな国会審議ができなくなる。ですから首相が出席した予算委員会の開催がどうしても必要です」と強調しました。

 さらに志位委員長は、「首相が説明を拒否した場合や説明できなかった場合には辞めていただくしかない。このことを野党で共同して強く求めていきたい」とのべました。

 NHKの放送内容は、志位委員長が指摘した「3点の疑惑」を裏付ける内容になっています。安倍首相は、疑惑を説明する責任があります。説明できなかったら首相を辞める以外にないでしょう。

安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/11/15 14:08

◎「桜を見る会」は来年度中止 安倍首相、“私物化”認めた

 安倍晋三首相は11月13日夕方、国民からの厳しい私物化批判を受けて来年度の「桜を見る会」は中止することを記者団に表明しました。「しんぶん赤旗」日曜版が10月13日号でスクープしてちょうど1カ月、日本共産党の田村智子副委員長が参院予算委員会で取り上げて(11月8日)からわずか5日です。

 日本共産党の小池晃書記局長は同日、「公的行事の私物化を認めたのと同然だ。首相の資格が問われる問題」とのべ、首相が出席する衆参予算委員会の集中審議を求め、問題を徹底追及すると表明しました。

 安倍政権になってから「桜を見る会」の予算も参加人数も急速に増え、今年4月の「会」には、安倍首相の後援会関係者らが約850人も招待されるという異常な私物化ぶりが明らかになりました。

 「しんぶん赤旗」や田村議員の追及は、テレビ、新聞がいっせいに報道。また、独自ネタ合戦の様相を見せ、テレビのワードショーなどでも大きく取り上げられるなどして、安倍政権は一気に追い込まれました。

50 マス酒 あべ
(マス酒で乾杯する得意絶頂の安倍首相=今年の「桜を見る会」。テレビ朝日系から)

 この日、安倍首相の前に中止を明らかにした菅義偉官房長官は、「さまざまな意見があることを踏まえ、政府として招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討していく」とのべました。

 「しんぶん赤旗」日曜版や田村参院議員の追及で、招待対象者の選定や手続きなどで問題があったことを認めざるを得なくなりました。

 また、内閣官房が招待者名簿を作成する際、「官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、官邸内は首相、副総理、官房長官、官房副長官に対して事務的に推薦依頼を行ったうえで、提出された推薦者のとりまとめを行っている」とのべました。首相らによる招待「枠」があったことを認めたかっこうです。

 しかし、安倍政権は来年度の中止で問題を収束させ、世論を鎮静化させようとしていますが、とんでもないことです。招待者の名簿は破棄したといいながら文科省にはあることを萩生田文科相は認めました。

 萩生田氏は、「個人情報」を盾に公表をしないとしています。選定基準を明確化する上では、どう選んでいたかを明らかにする必要があるでしょう。「桜を見る会」と一体で開催されてきた安倍首相後援会の「前夜祭」の問題などの究明も必要です。

 衆参の予算委員会を開いて、首相自らが具体的に説明する責任があります。菅原一秀前経済産業相、河井克行前法務相が相次いで辞任したことについても、両氏からいまだに何の説明もありません。「桜を見る会」も、同じようにさせては絶対にならないでしよう。われわれの血税が使われたのですから。
安倍政権 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2019/11/14 16:57

◎安倍首相の「桜を見る会」 「赤旗」が追撃

 安倍首相が追い詰められています。安倍首相の「桜を見る会」で、「しんぶん赤旗」が11月13日付で追撃です。「桜を見る会」と一体で開かれていた安倍後援会の「前夜祭」についてです。

 「赤旗」によると、読売新聞の「安倍首相の一日」欄で「桜を見る会」の前日を調べてみると、2017~19年の3年間「東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。『安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭』」と書かれています。

「前夜祭」の費用は、「しんぶん赤旗」日曜版の取材に複数の参加者が「5000円の会費を払った」と証言しています。ところが、安倍首相が代表を務める政党支部や関係する政治団体は6つあるものの、収支報告書には「前夜祭」についての記載がないのです!

書かれていないのなら、政治資金規正法の疑いがあるというのです。対価を徴収して行われる催し物を「政治資金パーティー」と規定しており、収入や経費を収支報告書に記載するよう義務付けているからです。

安倍首相は8日の参院予算委で、日本共産党の田村智子副委員長から「前夜祭」について追及されると、「(各個人が)そのホテルとの関係においても、それはホテルに直接払い込みをしているというふうに承知をしている」と答えました。

80 桜を見る会 前夜祭のホテル
(しんぶん赤旗」、11月13日付から)

 バス十数台で、数百人が前夜祭や「桜を見る会」に参加したとみられますが、後援会行事の費用を各個人がホテルに直接支払ったのか? 誰が主催した宴会なのか? 誰が参加費を集め、ホテルに費用を支払ったのか?

 安倍首相の答弁は、にわかには信じがたいものです。安倍首相は、明確な説明をすべきです。野党は、予算委員会での集中審議を求めていますが、自民党は応じないといいます。

 「赤旗」は、野党が12日に合同ヒアリングを行ったことも伝えています。
 「桜を見る会」という公的行事に地元後援会員を無料招待していた安倍首相の行為が公選法違反かどうか?

 総務省の担当者は、一般論としつつ「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として金銭・物品を提供することは買収罪にあてはまる」と明言したのです。

安倍首相の「桜を見る会」の私物化は、首相の地位にもかかわる大問題に発展してきました。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/11/13 18:43

◎桜を見る会 安倍首相、税金使って後援会員らを大量招待

 このブログ「トヨタで生きる」では、安倍首相の国政私物化問題の1つとして、「しんぶん赤旗」日曜版がスクープした「『桜を見る会』も」を取り上げました(2019/10/21アップ)。

 この問題を、11月8日の参院予算委員会で日本共産党の田村智子副委員長が追及しました。毎年、東京・新宿御苑で4月の半ばに開かれている「桜を見る会」は、安倍政権になって参加者は急激に増え、財政が厳しい時に支出額は予算額の3倍にもなっています(グラフ)。

桜見る会 グラフ


 田村議員は、各界で「功労・功績のある方」を各府省が推薦するとしながら、安倍首相、萩生田光一文科相など閣僚・自民党議員の後援会・支持者が多数招待されていることを明らかにしました。

 その上で、安倍首相の地元の下関市選出の友田有・山口県議会議員がブログで「今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました」と発信していることなどを紹介。安倍首相の後援会員が、安倍事務所が取りまとめ役になって「下関から毎年数百人が上京する」と証言していることなどを示しました。

80 田村質問1
(追及する日本共産党の田村智子参院議員)

……
  田村 案内状発送は内閣府が一括して行い、必ず招待者一人ひとりにあてて送付する。安倍事務所がとりまとめをしなければ、下関市の後援会員の名前や住所がどうしてわかるのか。

 大塚幸寛・内閣府大臣官房長 推薦者のとりまとめにかかる情報は、円滑な取りまとめに支障をきたす恐れがあるので、答えは差し控える。

 安倍首相 個人に関する情報であるため、回答を差し控える。
……

 安倍首相や大塚官房長は答弁に詰まると、「セキュリティーにかかわることなので回答を差し控える」などと何度も具体的な答弁を拒否。逃げることしかできず、審議はしばしば止まりました。

 田村議員は、「桜を見る会は参加費無料でアルコールなどをふるまう。政治家が自分のお金でやれば明らかな公職選挙法違反だ。こういうことを公的行事と税金を利用して行っていることは重大問題だ」と厳しく追及しました。

 田村議員の追及は、大反響を呼んでいます。TBS系の「NEWS23」や毎日新聞、東京新聞などが取り上げました。また、立憲民主党の枝野幸男代表は「党派を超えて、数年に1度の素晴らしい質疑だった」とツイッターに投稿しました。
安倍政権 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2019/11/10 10:43

◎奢る安倍氏は久しからず

 就任間もない経産相と法務相の2人の重要閣僚の辞任が相次いだ安倍内閣。11月6日、衆院予算員会で開かれた集中審議に注目し、NHKの生中継を聞いた。安倍首相は、2人の任命を「適材適所」と強弁し、辞任について「責任を痛感している」をくり返すだけだった。

 これで「責任」を果たしたのか? これで終わりなのか? 辞任した2人は「説明責任を果たす」とのべていたにもかかわらず、辞任するとダンマリ。自民党総裁として2人に説明させるべきだと野党が求めても、安倍首相は、「政治家として自ら説明責任を果たすべきだ」と、本人任せの姿勢。こりゃだめだ。

 安倍首相、挙句の果ては架計学園疑惑で、現在は大臣に納まっている萩生田光一文科相にかかわる資料が文科省から出てきたことについて、野党が「文科省の方が書いた文書か」と問いただすと、質問者に「あなたが書いたんだろう」と大臣席からヤジを飛ばす有様だ。

 野党議員が取り消しを迫ると、「誰が書いたかわからないという意味において、そう言った。取り消せというが正式の答弁でないので」などと開き直る。騒然とする議場。

70 安倍首相 責任痛感 NHK
(衆院予算委員会で「責任を痛感」とのべただけの安倍首相=11月6日、NHKテレビから)

 安倍首相は、これまでもヤジをくり返している。大臣が相次いで辞任するという内閣総辞職に相当する事態なのに、何の反省もなく、「責任を痛感している」は、口だけであることが証明された格好だった。

 これが一国の首相なのか? 政治家以前に、人間として問われる。「驕る平家は久しからず」の言葉があるが、「奢る安倍氏は久しからず」にしなければならないと思った。

 集中審議では、日本共産党から塩川鉄也議員が、萩生田文科相が延期を表明した英語の民間試験について質問。受験会場が限定される地域格差や受験料や交通費負担の経済格差が生じるなどの問題点を改めて指摘した。

 その上で、「大学入試制度の転換と民間企業の参入への道を開いたのは、安倍首相が主催する教育再生実行会議の『大学入学者選抜改革』の提言(13年)だ」と安倍首相の責任を追及したが、安倍首相はまともに答えなかった。

 衆院に続いて参院でも集中審議が行われる。安倍首相らの逃げ切りは許されない。英語の民間試験で振り回された高校生は怒っており、奢る安倍首相に国民はまったく納得していない。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/11/07 11:40

中島岳志著のユニークな『自民党』論

 東京工業大学の中島岳志教授の著作『自民党』(スタンド・ブックス)が面白い。「政治家は国内政治において、大別すると<リスク>(お金)と<価値>をめぐる仕事をしています」として、縦軸に「リスクの問題」、横軸に「価値の問題」を置いたマトリクスで政党、政治家を評価しています。

 これを表で分りやすく示すと、縦軸の上は「リスクの社会化(セーフティーネットの強化)」、下は「リスクの個人化(自己責任)」、横軸の左は「リベラル(寛容)」、右は「パターナル(権威主義、父権制)」です。

25 自民党 中島岳志

中島岳志 政党の立ち位置


 著書の冒頭では、安倍晋三首相を分析。安倍氏の著作から安倍氏の実像に迫っています。安倍氏分析の中見出しを拾うと―。

・議員生活は歴史認識問題からスタート
・「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」事務局長に
・アンチ左翼、アンチ・リベラル

・靖国参拝は国家観の根本
・日米安保強化を一貫して強調
・政治家は結果責任をとることで免罪される
・日本型ネオコン勢力の権力奪取

 この中見出しを見れば、安倍氏がどんな政治家かがわかります。中島教授は、安倍首相が執念を燃やしている、2020年にも憲法9条を変え、自衛隊を海外で戦争できる国につくり変えようとしていることについて分析しています。

 次の引用文は、安倍氏の著作『この国を守る決意』からです。

……
私は、三つの理由で憲法を改正すべきと考えています。まず現行憲法は、GHQが短期間で書き上げ、それを日本に押し付けたものであること、次に昭和から平成へ、二十世紀から二十一世紀へと時は移り、九条等、現実にそぐわない条文もあります。そして第三には、新しい時代にふさわしい新しい憲法を私たちの手で作ろうというクリエイティブな精神によってこそ、われわれは未来を切り拓いていくことができると思うからです。
……

 アメリカのトランプ大統領べったりで、米国の高額な兵器を爆買いするなど、アメリカいいなりになっている安倍氏が、現憲法をアメリカの“押し付け憲法”だと言っていること自体、笑い物です。

 中島教授は、安倍氏の「本来の関心は、横軸(価値の問題)に集中しています。そして、その姿勢は本人が言及するように『アンチ・リベラル』です」と指摘。「わずかに語られる楯軸については、『徹底した行革』を強調していることから『リスクの個人化』を志向している」と分析しています。

 よって安倍氏は、Ⅵのタイプの政治家と位置付けることができる、と指摘します。つまり、「リスクの個人化」とは、リスクは個人で対応せよ――自己責任で生きていけということです。

 横軸の「価値」の問題では、権力を持つ者が価値観の問題に対して介入・干渉を強めることであると中島教授は指摘。こんな安倍氏が長年にわたって首相を務めていては、日本がとんでもなく息苦しい国になってしまいます。
安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/11/04 21:57

◎“お騒がせ萩生田”文科相 英語民間試験の導入見送り

 大学入学共通テストで活用される英語の民間試験について、来年度(2020年度)からの導入に固執してきた萩生田光一文部科学相は11月1日、「導入を見送る」と表明しました。

 同制度は、受験生の住む地域や、家庭の経済状況によって格差が生じるといった批判が噴出。日本共産党は導入の中止を強く求めてきました。

 萩生田氏は、「等しく安心して試験を受けられる配慮など、自信を持っておすすめできるシステムにはなっていない」と釈明。今後1年をかけて新たな制度を検討し、24年度からの実施をめざすとしました。

 萩生田氏の「身の丈」発言で、民間試験の地域・経済格差問題が改めて明らかになり、自民党内からも延期論が出るなど、同氏は追い詰められて導入を延期したものです。

 TBS系の「サンデーモーニング」(3日放送)では、格差問題でわかりやすいパネルを掲載していました。それによると、民間の検定料は、最も安いところで5800円ですが、最も高いところは2万5850円にもなります。

12 TBS 民間英語試験
(TBS系の「サンデーモーニング」、3日放送から)

 民間に丸投げし、こんな高い検定料を払わなければ大学に入学できないのです。「身の丈」発言が、いかに高校生・受験生を傷つけたのかは明らかです。萩生田氏は、「私の発言が直接影響したということではない」と強弁しています。

 これに対し日本共産党など5野党・会派は1日、国会内で「野党緊急全議員集会」を開き、6日間で2人の主要閣僚の辞任や萩生田氏発言の事態を受け、臨時国会では安倍政権を徹底的に追及することを確認しました。

 民間試験の導入延期について「声を上げれば政治は動くという民主主義の本来の姿を久々に取り戻すことができた。野党は、連携し力を合わせることがいかに大きな意味をもつかを今回、証明できた」(立憲民主党の枝野幸男代表)、「全国の高校生、受験生をはじめとする国民のたたかいと、野党の結束した共闘の大きな成果」(日本共産党の志位和夫委員長)などと語りました。

 週明けの衆参予算委員会の集中審議が楽しみになってきました。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/11/03 10:18

◎河井法相辞任 妻が参院選で公選法違反の疑い

 このブログ「トヨタで生きる」で、萩生田光一文部科学相の“身の丈”発言や河野太郎防衛相の「雨男」発言を連日、アップしましたが、今日10月31日は河井克行法務大臣(56)の辞任です。

 安倍政権の閣僚の辞任は先月の内閣改造後、菅原一秀前経済産業相が公選法違反疑惑で25日に辞任し、河合氏で2人目。いよいよ安倍政権も末期症状です。このブログへ日本共産党を誹謗するコメント者も、これでは何も書けないでしょう。

 この日、NHKは次のように伝えました。

……
 河井法務大臣は、31日発売の「週刊文春」で、先の参議院選挙で当選した妻の河井案里参議院議員の事務所が運動員に法律の規定を上回る報酬を支払っていたほか、みずからの選挙区の有権者らに、じゃがいもやトウモロコシなどの贈答品を配っていた疑いがあるなどと報じられました。

 これを受けて河井大臣は辞任する意向を固め、31日朝8時すぎ、総理大臣官邸で安倍総理大臣と面会し、辞表を提出しました。
……

 すばやい辞任いうことは、もはや言い逃れできないことを自ら認めたことでしょう。「週刊文春」の報じた内容について、「文春オンライン」が次のように証拠をばっちり示して伝えています。
https://bunshun.jp/articles/-/15073

……
 選挙でのウグイス嬢の報酬は、公職選挙法で上限額が1日1万5000円と定められている。だが、「週刊文春」がウグイス嬢や河井氏の後援会関係者、広島県連関係者などを取材すると、案里氏の事務所はウグイス嬢13人に対し、法定額の倍の1日3万円を支払っていた疑いがあることがわかった。

50 河合妻の公選法違反 文春オンライン画像
(公選法違反の証拠を示す「文春オンライン」)

 さらに、ウグイス嬢の領収書や支払いを記した“裏帳簿“を入手。こうした文書によれば、案里氏の事務所は、選挙期間中には、1日1万5000円を支払ったことにして領収書をウグイス嬢に書かせ、残りの額は、公示(7月4日)前の7月1日付で、選挙が始まる前の「人件費」で支払った形にしていた。なお、取材に応じたウグイス嬢9人は、選挙前には活動を行っていなかったと証言している。
……

 河合氏は菅偉義官房長官の派閥に所属しています。先に辞任した菅原氏は、菅官房長官の側近中の側近です。「令和おじさん」と呼ばれ、ポスト安倍ともいわれる菅長官も追い詰められました。
安倍政権 | コメント(16) | トラックバック(0) | 2019/10/31 15:22

◎河野太郎防衛相 「雨男」など相次ぐ暴言

 河野太郎防衛相が「雨男」発言で、10月29日に開かれた参議院外交防衛委員会で、「不快な思いをされた皆様方におわびを申し上げたい」とのべ、陳謝しました。

 河野氏は28日夜、約800人を集めた自身の政治資金パーティーで、「私は、よく地元で雨男と言われた。私が防衛大臣になってからすでに台風が3つ。そのたびに自衛隊の隊員が出てくれている」などとのべました。

 相次ぐ台風、洪水で百数十人もの死者が出る中なかでの発言で、被災者などから強い批判が出ていました。大臣規範では、大規模なパーティーは自粛することになっていますが、それを無視しての開催でした。身内が多いパーティーの席上で、本音がぽろりと出た格好です。

60 nhk 河野太郎
(「雨男」発言で陳謝する河野太郎防衛相=10月29日の参議院外交防衛委員会。NHKテレビから)

 河野氏は、安倍内閣の外相から防衛相に横滑りしましたが、外相時代も暴言をくり返しました。

 今年7月19日には、元徴用工問題で、南官杓駐日韓国大使を外務省に呼び出し、抗議しました。その際、「極めて無礼だ」と大使を叱責しました。記者たちが取材している前での暴言でした。

 日本共産党の志位和夫委員長は、「外交上のまったくマナーを欠いた非礼な態度を外務大臣がやるというのは常軌を逸した態度だ」と批判。「外交なので、お互いに立場に違いはあっても、しっかりと、冷静に話し合うことが必要だし、お互いに敬意をもって、礼儀を守って対応しなければいけない。日本政府の一連の対応を大きく危惧する」とのべました。

 また河野氏は、19年12月11日の記者会見で、ロシアとの平和条約交渉に関する記者からの質問について、「次の質問どうぞ」と4回続けてのべ、答えようとはしませんでした。こんなやり取りは前代未聞のことでした。

 父は、自由民主党総裁や衆議院議長を務めた河野洋平氏で、自身も反原発を主張するなど“ハト派”と見られていました。しかし、安倍内閣に入閣して原発容認に変身しました。

 一連の暴言をみると、安倍政権に取り込まれて、安倍首相と何も変わらない政治家になってきたことがわかります。
安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/10/30 21:27

◎“お騒がせ萩生田”文科相 “身の丈”発言で陳謝

 ツイッターで、作家の平野啓一郎氏が10月28日、発信しました。

……
 「不快」とか何とか、気持ちの問題じゃない。教育の機会均等を否定する根本問題で、改めて大臣の資格がないことを露呈している。辞任すべき。
……

 萩生田光一文部科学相は、大学入学共通テストに導入される英語の民間試験をめぐって、24日のBSフジ番組で、「裕福な家庭の子どもが回数を受けてウォーミングアップできるというようなことがあるかもしれないが、自分の身の丈に合わせて2回をきちんと選んで頑張ってもらえれば」などと発言しました。

 受験生や世論の厳しい批判を受けて28日、「国民、特に受験生の皆さんに対して不安や不快感を与えることになってしまったと考えており、改めておわびを申し上げる」などと陳謝しました。

萩生田 陳謝
(NHKテレビから)

 これまでも架計学園疑惑などの言動で、“お騒がせ萩生田”を演じてきた萩生田氏。安倍政権で初入閣を果たしてのぼせ上ったのか、とんでもない発言となりました。

 これに対し平野氏は、文科相としての資格はない、辞任すべきと求めたのです。当然です。安倍首相は、こんな人物を、しかも文科相に任命したのです。ビール片手に、安倍首相と架計孝太郎氏と3人で撮影された写真を思い起こします。

 日本共産党の小池晃書記局長は28日の記者会見で、憲法26条は、「すべて国民はひとしく教育を受ける権利を有する」とうたい、教育基本法でも等しくその能力に応じた教育を受ける権利を有するとされていると指摘しました。

 その上で、「萩生田氏の発言は、経済条件によって教育を受ける権利が左右されても構わないと言っているものだ。文科相の辞任を求める」と強調しました。“お騒がせ萩生田”氏は、辞任するしかないでしょう。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/10/29 16:31

◎平城宮跡と新天皇の「大嘗宮」

 奈良市の平城宮跡歴史公園には、復原された大極殿があります。そのなかに新天皇が即位した際に座る「高御座(たかみくら)」の模型があります。10月22日、皇居で新天皇の「即位礼正殿の儀」が行われました。

 安倍首相は、「高御座」の新天皇を仰ぎ見て、「寿詞(よごと)」をのべた上で、「天皇陛下万歳」と声を張り上げました。安倍政権は、即位関連の予算として160億円もの巨費を計上しました。

10 高御座
(「高御座(たかみくら)」の模型=奈良市の平城宮跡公園の大極殿)

 首相、衆参議長、最高裁長官の3権の長、閣僚らが参加した「即位礼正殿の儀」は、日本国憲法の国民主権、政教分離の原則に抵触するものとなりました。

 しかも相次ぐ台風、豪雨で、死者・行方不明100人以上、堤防決壊が130カ所以上などと国民は甚大な被害を受けていた時と重なりました。千葉県民のなかには3度も水に浸かり、生活再建に見通しがつかない人々が多数いる状態です。

 そうした時だけに、巨費を費やして奈良時代とみまがうような儀式を行うことには、国民感情と相いれないものが残りました。

12 大極殿
(奈良市の平城宮跡公園の大極殿)

 平城宮跡にはまた、新天皇が1代で1度だけ行う「大嘗宮の儀」の遺跡もあります。新天皇が収穫された米などを供え、五穀豊穣を祈るものです。今年の11月14~15日、皇居では新天皇の「大嘗宮の儀」が行われます。

 これに異議を唱えたのが秋篠宮。昨年11月、「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」とのべ、宮内庁長官らに伝えましたが「聞く耳を持たなかった」と語りました。

 さらに、天皇家の“私費”にあたる「内廷会計」で賄うべきだとものべました。宮内庁長官は山本信一郎・元内閣府事務次官で、安倍政権下の2016年から長官を務めています。

 「大嘗宮の儀」の建物は新しく建てられるもので、終わるとすべて焼却されます。今回の大嘗宮の面積は奈良時代の数倍にものぼります。安倍政権が計上した予算は、即位関連予算のうちの27億円。あぁ、もったいない。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/10/28 10:08

◎安倍・国政私物化 「桜を見る会」も

 森友学園や架計学園疑惑で明らかになった、安倍首相の国政私物化。多額の税金が投入されている同首相主催の「桜を見る会」も、首相の後援会関係者が大量に招待されていることを「しんぶん赤旗」日曜版(10月13日号、20日号)がスクープしています。

 毎年、東京・新宿御苑で4月の半ばに開かれている「桜を見る会」。
 「平成を名残惜しむか八重桜」
 今年の4月13日の「桜を見る会」で安倍首相は得意げに、こう歌いました。

 そばには、あの昭恵夫人が。森友疑惑では、渦中の人物だったのに、首相の力で逃げおおせた格好です。その様子がユーチューブにアップされています。
 https://www.youtube.com/watch?v=kLghSDbHOko

 参加者は1万8200人。これまで1万人前後だった参加者が安倍政権下で増え続けています。18年には例年の予算の3倍、5229万円にふくれあがりました。

 日曜版がスクープしたのは、「桜を見る会に山口県から数百人規模で参加している」「恒例の後援会旅行で、その目玉行事が、桜を見る会だった」――などと安倍首相の選挙区の山口県の複数の後援会関係者が証言したことです。

 しかも、招待者の人選は下関の安倍事務所が行い、飛行機やホテル、バスも事務所が手配するなど、詳しい経緯が明らかになりました。昭恵夫人がスキーや農業、酒造仲間を招待していたことも判明したというのです。

20 日曜版 桜を見る会


 安倍内閣の閣僚や自民党幹部らも自らの後援会員を招待していました。菅義偉官房長官は、「各界で功績、功労のあった方々を幅広く招待している」と、相変わらず「問題なし」とのべています。

 国民の血税で、首相自らの後援会関係者を“おもてなし”するという税金私物化疑惑です。「桜を見る会」に、安倍首相の後援会関係者が大量に参加していることは所管している内閣府の招待者名簿をみれば明らかですが――。

 なんと内閣府は、「資料を破棄し招待者はわからない」! ここでも資料を破棄か! 森友、架計疑惑とまったく同じ構図です。証拠隠滅ではないのか! 

 驚くべきは、税金による開催の必要性をただした立憲民主党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に「内閣の公的行事であり、意義あるものと考えている」とする答弁書を閣議決定(10月15日)までしたのです。安倍首相の国政私物化、極まれり、です。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/10/21 17:01

◎“お騒がせ萩生田” 企業・団体献金疑惑

 安倍内閣改造(9月11日)で文科相に就任した、安倍首相の最側近、萩生田光一衆院議員に企業・団体献金疑惑が浮上しています。「しんぶん赤旗」(9月23日付)が報じています。

 政治資金規正法は、企業などが政党(支部)に献金するのは許容していますが、公職の候補者や政治団体に献金することは禁止しています。候補者が企業などと癒着を防ぐためです。

 「赤旗」が報道しているのは、2017年10月の総選挙期間中に、萩生田氏が代表の「自由民主党東京都第24選挙区支部」(八王子市など)が、選挙期間中に約1850万円の・企業団体献金を集め、その大半を萩生田氏個人の選対本部に寄付していたのです。
80 萩生田 献金疑惑表
(「しんぶん赤旗」、9月23日付から)


 政治資金収支報告書から明らかになったものです。しかし、萩生田氏の選挙運動費用収支報告書には献金した企業名は書かれていないのです。「赤旗」の取材に、複数の経営者が献金したのは「選挙応援のため」と答えています。

 つまり、企業・団体から候補者個人への献金が禁じられているために、政党支部を迂回して資金の出所を分からなくしているのです。

 「第24選挙区支部」が集めた企業・団体献金は、15、16年が約1000万円だったのに、総選挙のあった17年は約3600万円へと激増しています。

 「赤旗」が萩生田氏の事務所に取材を申し入れましたが、「回答しない」というものでした。これまでも、架計学園問題をはじめ、安倍首相の悲願である9条改憲に応えるために、衆院議長の交代まで唱えるなど“お騒がせ萩生田”ぶりを発揮してきた同氏。どう弁明するのでしょうか。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/09/25 20:56

◎“お騒がせ萩生田” なぜ文科相に?

 安倍首相が内閣を改造(9月11日)しましたが、側近の萩生田光一・党幹事長代行を文部科学相に任命しました。お友達内閣とも在庫一掃内閣ともいわれ、悪評さくさくですが、“お騒がせ萩生田”氏を、なぜわざわざ文科相に?

 萩生田氏といえば、安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ架計学園理事長の架計孝太郎氏と3人で撮った写真があまりにも有名になりました。架計学園問題の本質を1枚の写真が明瞭に示しているからです。

架計学園 3人写真
(加計学園の獣医学部新設が問題になるなか、=左から=安倍首相、加計孝太郎加計学園理事長、萩生田光一官房副長官の3人そろいぶみの写真がネットで広がりました)

 その萩生田氏、安倍内閣の官房副長官だった当時、「萩生田副長官ご発言概要」と題する文科省のメモに生々しく登場してきます。「官邸は絶対やる」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」「文科省だけが怖じ気づいている」などという記録文書の存在が明らかになりました(17年6月)。

 安倍官邸が、架計学園の獣医学部(愛媛県今治市)の開学を18年4月にするよう文科省に強く働きかけていたのです。萩生田氏は、発言内容を否定してきました。

 人の噂も75日ともいわれ、架計学園問題はうやむやになり、安倍首相の国政を私物化は、森友学園問題とも合わせ、何事もなかったかのように葬り去られようとしています。

 それにしても、安倍首相は“古傷”の架計学園問題で、当事者の1人になった萩生田氏をあえて文科相に任命したのでしょうか? もう架計学園問題は過去のことと思っているのでしょうか。

 おっとどっこい、萩生田氏が文科行政のトップに立つ以上、うやむやにはできません。野党は手ぐすねを引いて待っています。国会で、国民が納得を得られるまで説明を尽くす責任があるからです。

 官房副長官から自民党幹事長代行へ転出し、消費増税見送り、衆院議長の交代で憲法議論促進、大阪でカジノ開業を――などと発言し、“お騒がせ萩生田”といわれてきました。

 臨時国会や来年の通常国会で萩生田文科相がどんな答弁をするのか、楽しみになってきました。
安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/09/13 15:19

◎ウラジミールは薄笑いしている

 安倍内閣は9月11日、「安定と挑戦」などと言って、“お友達”を多数配置、13人を初入閣させるなど在庫一掃の内閣改造を行いました。元首相の息子をサプライズにして政権浮揚をはかろうとさえしています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、8月8日の日本共産党創立97周年記念講演会で、安倍政権を次のように批判しました。

……
 ごく一握りの大企業と富裕層に巨額の富が蓄積し、国民のなかには貧困と格差が広がる。この否定できない現実を前にして、もはや安倍首相は、「アベノミクスをふかす」というあのお決まりの法螺(ほら)すら語ることができないではないですか。

 安倍首相が自慢してきた「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」なるものも、対米外交は追随、対ロ外交は屈従、対韓外交は破綻、八方ふさがりに陥り、「地球儀の『蚊帳の外』の外交」であることが、すっかり露呈してしまったではありませんか。
……

 その屈従の対ロ外交は、まだ6日前のことです。そこで安倍首相が語ったことは――。

……
ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている
平和条約という歴史的使命がある
ゴールまでウラジミール
二人の力で
駆けて駆け 
駆け抜けようではありませんか
……

 最近、こんな歯の浮くような呼びかけを聞いたことがありませんでした。
 安倍首相は9月5日、ロシアのプーチン大統領と会談(ウラジオストクでの東方経済フォーラム)しました。その際、安倍首相がプーチン大統領に、こう呼びかけたというのです。

 テレビでこれを見て、見ている方が恥ずかしくなりました。安倍―プーチン会談は、これで27回目。日ロ領土問題についての進展は何もありませんでした。プーチン大統領の薄笑いが見えるようでした。

 プーチン大統領は同日未明、色丹島に新設された水産加工場の稼働式に中継映像で参加しました。8月にはロシアのメドベージェフ首相が択捉島を訪問するなど、ロシア側は千島列島の「主権」をアピールし、領土は1ミリも返さない態度に終始しました。

 そうしたなかで、プーチン大統領に抗議するどころか、「ウラジミール」と呼びかけて親密さをアピールしようとしたのです。こんな姿勢では、千島列島は永久に返還されないでしょう。

 1年前の東方経済フォーラムで安倍首相は、プーチン大統領が目の前で「年末までに前提条件なしで(日ロ)平和条約を結ぼう」と発言したのに対し、何の反論もしませんでした。

 メディアからも、この間の安倍首相の姿勢は、歯舞・色丹の2島で決着しようとしていると手厳しい批判がでています。歴代自民党政府でさえ国後・択捉(南千島)を加えた4島返還だったからです。

日本共産党の千島政策地図


 会談を重ねれば重ねるほど、ずるずると後退する安倍首相。日ロ領土問題の根本は、どこにあるのでしょうか。日本共産党の志位和夫委員長は、「日露領土交渉の行き詰まりをどう打開するか――『日ソ共同宣言』60周年にあたって」(2016年10月18日)を発表しています。
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2016/10/post-726.html

 このなかで、次のように主張しています。

1歯舞、色丹の「2島先行返還」はありうることだが、その場合は、中間的な条約と結びつけて処理することとし、平和条約は、領土問題が最終的な解決にいたった段階で締結すべきである。

2、この60年間にわたって、日露領土問題が前進してこなかったのは、「国後、択捉は千島列島にあらず。だから返還せよ」という日本政府の主張が、歴史的事実にてらしても、国際法的にも、通用しない主張だったことにある。このことを正面から認め、領土交渉の方針の抜本的な再検討を行うことが必要である。

3、日露領土問題の根本は、「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじって、「ヤルタ協定」で「千島列島の引き渡し」を決め、それに拘束されてサンフランシスコ平和条約で「千島列島の放棄」を宣言したことにある。この戦後処理の不公正にいまこそ正面からメスを入れるべきである。

安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/09/11 19:27

◎体調を崩した? “政界渡り鳥”の政務官辞任

 薬局で調合してもらっている間に、置いてあった『週刊文春』(8月29日号)を読みました。「厚生政務官 上野宏史衆院議員 口利き&暴言音声を公開する」という見出に目が止まりました。

 サブ見出しに、「外国人の在留資格を『お金をもらう案件でやっている』」「仲人は安倍晋三夫妻だった」などが踊ります。

 また、また自民党の口利き疑惑か―。確定申告をめぐって片山さつき地方創生相の国税庁への口利き疑惑が発覚(18年10月)。甘利明経済再生相(当時)が道路工事をめぐる補償交渉で口利き・金銭授受していたとして閣僚を辞任(16年1月)などが相次いでいます。

 上野議員は、口利き疑惑を否定し、政務官を辞任したのは「体調を崩し役所に出ることもままならない」などというもの。甘利氏も、「睡眠障害」で国会を長期にわたって欠席。ところが、いまや激務の自民党選対局長として、先の参院選を取り仕切りました。

 上野議員は、東京大学、ハーバード大学ケネディスクールで学びました。経産省に入省後、みんなの党→日本維新の会→次世代の党→無所属→自由民主党(細田派)という“政界渡り鳥”で有名です。

 「週刊文春」の記事は、上野議員は東京都内の人材派遣会社が法務省の出入国在留管理局に申請した外国人の在留資格認定証明書の交付をめぐって、厚生政務官の地位を利用し、法務省に証明書の早期発行を働きかけというものです。

 人材派遣会社から1件あたり2万円を受け取ろうとしていました。また、同社から受け取った187人分の証明書交付申請の一覧をもとに、法務省に認定の可否について問い合わせをしたといいます。

 そのやり取りを上野議員の秘書が録音していました。記事は、その様子を生々しく伝えています。さらに秘書を大声で罵倒したり、モノを投げつけたり、椅子を蹴り上げるなど暴言、パワハラが絶えなかったといいます。

12 週刊文春 上野政務官1


 秘書への暴言では、自民党の豊田真由子元衆院議員の「このハゲー!」「うん、死ねば?生きてる価値ないだろ、もうお前とか」などの暴言が有名です。同議員は17年10月の衆院選挙で、さすがに落選しました。

 豊田元議員も東大、ハーバードで学んでおり、自民党のエリート議員は秘書を人間と思っていないのでしょう。自民党議員は、こんなに質が悪いのか! こんな議員に国政を任せたら日本がどうなるかわからない!

 「政治とカネ」をめぐる疑惑、議員としての資格が問われる事件が続出する安倍政権。上野議員の疑惑は、おごり高ぶった安倍政権を退陣させる以外に道がないことを示しています。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/09/02 08:53

◎植民地支配への真摯な反省を土台にしてこそ

 「日韓炎上 文在寅政権が敵国になる日」(『文芸春秋』9月号)など、徴用工問題に端を発した日韓問題で韓国バッシングが強まっています。日本共産党の志位和夫委員長は8月26日の記者会見で、記者団から「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の韓国による破棄など日韓関係ついてどう見ているか」との質問を受け、答えました。

日韓関係が冷え切っているなかで、両国問題の解決は戦前の日本帝国主義の「植民地支配への真摯な反省を土台にしてこそ」という提起です。本質を突いた志位委員長の表明を紹介します。

……
日韓関係の深刻な悪化を深く憂慮している。

今日の日韓関係の深刻な悪化を招いた直接の原因は、安倍政権が、「徴用工」問題で被害者の名誉と尊厳を回復する責任を放棄したうえ、わが党の強い警告を無視して、この問題での政治的対立の「解決」の手段として対韓貿易規制の拡大――韓国の「ホワイト国」からの除外という、政経分離の原則に反する「禁じ手」を使ったことにある。

 しかも、安倍政権は、「ホワイト国」からの除外の理由を「安全保障のための輸出管理の見直し」と説明するという欺瞞(ぎまん)的態度をとった。
 この過程で、河野外務大臣が、駐日韓国大使を呼びつけ、メディアの前で居丈高に「無礼」と面罵したことをはじめ、およそ外交的礼儀を欠く態度が繰り返されたことも、恥ずべきことである。

河野外相 極めて無礼
(河野太郎外相は、外務省に呼ばれた駐日韓国大使の言葉をさえぎり、「極めて無礼だ」とのべました=7月19日)

さらに日韓関係の深刻な悪化の根本的要因としては、安倍首相が、韓国の植民地化を進めた日露戦争を美化した2015年の「安倍談話」に象徴されるように、1995年の「村山談話」、1998年の小渕首相と金大中(キム・デジュン)大統領の「日韓パートナーシップ宣言」で明記された「植民地支配への反省」の立場を投げ捨てる態度をとり続けていることを、あげなければならない。

 日本軍「慰安婦」問題にせよ、「徴用工」問題にせよ、過去の植民地支配への真摯(しんし)な反省の立場を土台にしてこそ解決の道が開かれることを強調しなくてはならない。

歴史を偽造し、他国を侮辱し、排外主義をあおることによって、自らの延命をはかることは、政権をあずかるものの態度として決して許されるものではない。それは北東アジアでの平和構築にとってもきわめて有害である。こうした態度を根本からあらためることを強く求める。

(GSOMIA〔軍事情報包括保護協定〕の破棄そのものをどう見ているか)わが党は、もともとまず日米間で、続いて日韓間で締結されたGSOMIAそのものに反対してきた。

 2007年に米国の強い要求で締結した日米GSOMIAは、日米が軍事情報でも一体化を加速させ共同で戦争をする仕掛けづくりであるとともに、「軍事情報保護」の名で国民の知る権利を侵害し、13年の秘密保護法の強行へとつながっていった。

 2016年に締結された日韓GSOMIAは、米国主導の「ミサイル防衛」体制に日韓両国を組み込み、中国や北朝鮮を念頭に軍事的圧力を強めようというものであり、これにも私たちは反対を表明してきた。

 軍事的挑発に対して、軍事的圧力の強化で構えるというやり方では、軍事対軍事の悪循環になる。そういうやり方ではなく、いかに対話による解決の局面へと転換するのかが重要だと主張してきた。GSOMIAが解消されることで、北東アジア地域の平和と安定が危険にさらされるとは考えていない。
……
安倍政権 | コメント(8) | トラックバック(0) | 2019/08/27 20:42

◎“お騒がせ萩生田” 大阪でカジノ吹聴

 安倍首相の側近の自民党・萩生田光一幹事長代行が、架計学園問題などに続いて、またまた世間をお騒がせしています。「25年の大阪万博より前に夢洲=ゆめしま=のIR(カジノを中核とする統合型リゾート)が開業していることが望ましい」などとカジノ開業を吹きまくっています。

 「しんぶん赤旗」(8月17日付)が伝えています。日経新聞社が主催したIRフォーラム大阪(8日)で語ったものです。2025年5月に、大阪万博が大阪市内の人工島・夢洲で開かれます。

 それと一体で、しかもカジノを先行して開業させようというものです。安倍政権は、IRを「当面3カ所」としていますが、北海道や大阪府、愛知県、和歌山県、長崎県などが名乗りをあげ、激しい争いをしています。

 日経のフォーラムは、米ラスベガスのMGMなど海外カジノ企業3社の協賛を受け、市内の高級ホテルに大阪カジノへの参画をめざす企業関係者ら700人を集めて開かれました。

 松井一郎大阪市長(日本維新の会代表)や吉村洋文大阪府知事(同、代表代行)がそろってあいさつ。「万博めざして夢洲IRを必ずと国ともぎりぎりの交渉をしてきた。万博と一体でオープンさせて相乗効果を上げたい」(松井市長)などとのべました。

12 大阪 夢洲
(大阪湾の埋め立て地、夢洲=ゆめしま=)

 萩生田氏が参加したのは、安倍政権が露骨に大阪に肩入れしようとしていると見られています。安倍首相がねらう2020年の9条改憲には、維新の協力が不可欠だからです。

 維新が掲げてきた大阪万博の開催やIRにも、安倍政権は全力で支援してきました。萩生田氏のあいさつは、それを受けてIRの開業を万博よりも先行させようというものです。

 このブログ「トヨタで生きる」では、大阪にある阪南大学の桜田照雄教授の講演からカジノの危険性を指摘してきました(17年3月18日アップ)。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-2459.html
 
……
 1番最初に皆さん方にわかってほしいのは、カジノとパチンコ・競馬との決定的な違いです。パチンコは風俗営業法の規定で、1分間に100発以上打つのはダメなのです。1発4円ですから、1分間に400円、1時間で2万4000円、11時間で26万円以上は負けないのですね。

 競馬は1日12レースしかありません。カジノのはどうか。ルーレットは1勝負3分かかりません。ブラックジャックとかバカラになってくると1勝負1分かからない。負けるときのテンポが決定的に違うことを覚えてください。
……

 その上で、大王製紙の創業家の井川意高・元会長が106億8000万円を失ったことを紹介しました。カジノはパチンコなどと決定的に違うのです。カジノを推進する“お騒がせ萩生田”には困ったものです。

安倍政権 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/08/18 16:20

◎日本人よ、怒ろう! 森友学園疑惑捜査終結

 「検察庁は解体すべきだ」―阪口徳雄弁護士が8月9日、怒りを込めて語った。森友学園疑惑で、大阪地検特捜部が佐川宣寿・元財務省理財局長(61)ら10人を再び不起訴としたからだ。

 この日本に正義はあるのか? 公文書を改ざんしようと国有地を8億2000万円も値引き(背任)しようと、特捜部は一切、罪と認めなかった。

 ある人は、「巨悪は逃さないが特捜部の矜持だった。これでは税金で特捜部にただ飯を食わせているようなものだ」と怒り心頭だった。

 大阪第一検察審査会は、「不起訴不当」と議決したが、「起訴相当」でなかったために、検察審査会の2度目の審査は行われず、特捜部の捜査は終結した。

 安倍首相と昭恵夫人の高笑いが聞こえる。

佐川証人
(国会での証人喚問=2018年3月27日=で、証言拒否を連発した佐川宣寿・元財務省理財局長)

 公文書改ざんについて、NHKは9日のニュースでこう伝えた。

……
 検察審査会はいったん決裁された文書の改ざんについて、社会常識を逸脱した行為だと非難したうえで、原本と内容が変わり国民の知る権利を妨げているなどとして公文書変造罪や公用文書毀棄罪が成立すると指摘していました。

 これに対し特捜部は「変造とは、文書の非本質部分に不法に変更を加え、新たに証明力を作り出すことと考えていて、本件を文書の改変により新たな証明力が作り出されたかどうかという観点から検討したものの、変造と認めることは困難だった」としています。
……

 「新たな証明力」? 何をわけのわからぬことを言っているのか? 特捜部小橋常和部長は何を見ているのか!

 森友学園疑惑の本質とは、国有地の大幅値引きに昭恵夫人が深くかかわり、佐川元局長らがそれに“忖度”し、当初の文書から昭恵夫人の名前を5カ所も削除したことなどである。

 しかも、安倍首相が国会で追及されると、「私や妻が関係していたということになれば総理大臣も国会議員も辞める」(2018年2月17日の答弁)と口をすべらせたことから官邸は大騒ぎになったのが事の真相である。

 特捜部は安倍夫妻に“忖度”して森友学園疑惑の幕引きをした。特捜部なんて、阪口弁護士の言うように解体すべきだ。日本国民よ、怒ろう!
安倍政権 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/08/10 18:32

◎“お騒がせ萩生田” 今度は衆院議長交代も

 自民党の萩生田光一幹事長代行が、またまた世間をお騒がせしています。7月26日、右派系インターネット番組で、衆院憲法審査会を動かすために「今のメンバーでなかなか動かないとすれば、有力な方を議長において憲法改正シフトを国会が行っていくというのが極めて大事だ」などとのべました。

 安倍9条改憲のためには、「三権の長」の1人である衆院議長まで更迭するという驚くべき発言です。現在の衆院議長は、自民党の重鎮だった大島理森氏です。

 その大島氏を、「立派な方だが、どちらかというと調整型だ」と人物評価。「(野党に)気を使いながら(憲法審での)審査はやってもらうように促すのも議長の仕事だった」などと大島氏に不満をぶつける尊大な発言をしたのです。

 さらに、9条改憲に絡めて「もう一度国民のみなさんに大切なことを聞く機会があれば、(安倍首相は)躊躇なくやる」とのべ、衆院解散の可能性も示しました。

大島議長のツイッター
(衆院議長の大島理森氏のツイッター。現在は沈黙していますが…)

 安倍首相の代弁をはばからない姿勢です。萩生田氏と言えば、安倍首相の友人の架計孝太郎氏が理事長を務める架計学園疑惑で、「萩生田副長官ご発言概要」と題する文科省のメモに生々しく登場してきます。

 架計学園の獣医学部新設で、「官邸は絶対やる」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」「文科省だけが怖じ気づいている」などと書かれていたからです。

 安倍首相と架計氏、萩生田氏の3ショット写真は、あまりにも有名。官房副長官に据えておくと野党の追及にさらされるために、自民党幹事長代行におさまっています。

 4月18日のインターネットテレビ番組では、「(景気が)この先危ないぞと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかないので、また違う展開はあると思う」などと、国民の期待を持たせるような消費増税見送りの発言をして世間を騒がせました。

 安倍首相への忠誠心からでしょうか、言いたい放題です。参院選では、萩生田氏らが目論んでいた改憲勢力3分の2の議席を自公や日本維新の会で占めることはできませんでした。

 そうした焦りが、衆院議長交代発言まで飛び出したのでしょう。いつも温厚な日本共産党の市田忠義副委員長が怒りを込めてツイッターに投稿しました。

……
 こういう人間だとは思っていたが、ここまでいうか。「改憲のためには衆議院議長の交代も」。「立派な方だが、調整型だ」。しかし、調整するのが議長の役目ではないか。調整などせず「ワイルドに」やれ、といことだな。改憲勢力が3分の2割れした参議院選挙の結果をいったいどう受け止めているのか。
……
安倍政権 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/07/29 21:36

◎権力監視 映画「新聞記者」を見た

 メディアの第1番の役割は、権力監視である。民主主義社会で、権力が暴走しないように、常にチェックして国民に明らかにしていく。新聞記者は、それを自覚し、取材感覚を研ぎ澄ます。

 映画「新聞記者」(藤井道人監督)は、そうした新聞記者像をあますことなく描いた。しかも、映画としてのだいご味のサスペンスを織り込んだ秀作である。原案は、東京新聞記者の望月衣塑子記者の『新聞記者』である。

 望月記者は、安倍政権のスポークスマン・菅義偉官房長官の記者会見で、森友事件や架計学園事件、沖縄・辺野古の新基地建設問題などで、改ざん、隠ぺい、廃棄、虚偽答弁、民意無視をくり返す政権のごまかしに、何度も何度も執拗に食い下がって質問をくり返すことで知られている。

映画 新聞記者3


 映画の背景は、架計学園事件をほうふつとさせる。総理の友人が医療系大学の新設をねらうが、その大学は軍事研究を目的にしたものだった。担当する内閣府の官僚から匿名で極秘文書が新聞社にファックスで送られてくる。

 女性記者の吉岡エリカ(シム・ウンギョン主演)が担当することになり、彼女が権力の取材を開始する。もう1人の主演が外務省から内閣情報調査室(内調)へ出向している若手エリート官僚の杉原拓海(松坂桃李)である。

 内調は、国民の税金を使って何をしているのかまったくわからない謀略組織である。杉原は、内調が政権をまもるために情報操作やマスコミ操作などをしていることに疑問を抱く。

 この2人が、医療系大学の新設を担当した内閣府官僚の自殺事件で交差し、権力腐敗を明らかにしたいと心を通わす。杉原が内閣府で、極秘文書をスマホで撮影し、それを吉岡記者に手渡す場面は、手に汗を握る迫力がある。

40 映画 新聞記者2
(映画「新聞記者」の1場面、パソコンで情報を取材する吉岡記者=映画のパンフレットから)

 松坂桃李は、テレビでイケメン役をすることが多く、この映画のように素晴らしい演技力があるとは思わなかった。若手エリート官僚の苦悩をあますところなく演じていた。

 日本の新聞社は、権力監視を第一にしている新聞社と、権力におもねている新聞社とに分断され、新聞記者が連帯できないといわれている。その間にあって記者の連帯を呼びかけているのが新聞労連である。

 新聞労連をふくむ日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が、「『FIGHT FOR TRUTH』=真実のためにたたかおう」との集会を総理官邸前で開いたことは、このブログ「トヨタで生きる」(19年3月16日)でアップした。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-3192.html

 映画「新聞記者」には、新聞労連の南彰委員長(朝日新聞記者)や望月記者、架計学園問題で安倍政権のかかわりを、敢然と語った元文部科学省事務次官だった前川喜平氏が討論する場面が背景に出てくる。

 安倍政権の腐敗を鋭く突いた映画が製作・公開され、多くの観客が鑑賞している日本は、民主主義を守ろうとする草の根の強さが十分健全であることを示している。
安倍政権 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2019/07/21 16:23

◎トランプ大統領 日米安保条約は「不公平」

 G20で来日中のトランプ米大統領は6月29日、大阪市内での記者会見で、日米安保条約は「不公平」であり、「変えるべきだ」との考えを日本側に伝えたことを明らかにしました。

 米ブルームバーグ通信(電子版)が6月25日に、「日米安保条約の破棄を検討している」と大統領側近に語ったと報じましたが、安保条約に強い不満をぶつけることで、安倍政権を揺さぶるねらいとみられています。

 トランプ大統領は先日来日した際、安倍政権がF35ステルス戦闘機を105機追加購入することを「日本は同盟国の中でも最大規模のF35戦闘機群を持つことになる」と安倍政権の“爆買い”を大歓迎したばかりでした。

 F35は1機当たり100憶円以上もする戦闘機で、105機だと総額1兆円にもなります。トランプ大統領は、安保条約が不公平だと決めつけで、一層の爆買いや米軍への「思いやり予算」の増額、安保法制に基づく軍事分担のいっそうの拡大などをねらってくる危険があります。

ANN トランプ 安保不公平
(ANNニュースから)

 しかし、安倍首相は大統領からそうしたことを伝えられたことを一切明らかにしていません。トランプ大統領との“蜜月”ばかりをアピールする安倍首相を“組み易し”とみられているのでしょう。

 「親密な個人的関係を成果につなげることも出来ず、いいように揺さぶられている現状を、首相はどう説明するのか」(朝日新聞、30日付社説)という痛烈な批判があります。

安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/06/30 18:21

◎菅官房長官の「機密費」 6年間で約74億円

 光文社の『週刊FLASH』(2019年6月18日号)が、「しんぶん赤旗」が入手した資料などをもとに安倍内閣の菅義偉官房長官の「官房機密費」を明らかにしています。

 それをわかりやすい図にしていますが、毎月平均1億円で、6年間で何と約74憶円の巨額に上ります。とりわけ、領収書なしの「政策推進費」は、とんでもないしろものです。その割合は91.2%にも!

80 菅長官 機密費 FLASH
(『週刊FLASH』から)

 われわれが汗水して働いて稼いだ中から税金として吸い上げ、それを湯水のように使っていいのか? 「身を切る改革」というのなら、まずここに手を付けるべし!

 内閣官房機密費(報償費)とは、内閣官房長官の判断で支出され、月平均で1億円が国庫から渡されています。

 機密費には3類型があり、(1)官房長官自らが管理し、政府協力者などに領収書不要で支出できる「政策推進費」(2)会合の飲食代や情報協力者への謝礼などの「調査情報対策費」(3)慶弔費や交通費、贈答品などの購入費用などに支出する「活動関係費」―があります。

 上脇博之・神戸学院大学教授ら大阪の市民団体「政治資金オンブズマン」が内閣官房機密費(報償費)の支出について情報公開を求めた裁判で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は2018年1月19日、一部文書の開示を認め、国の不開示処分を取り消しています。

 『週刊FLASH』は、改めて「官房機密費」について取り上げたものです。びっくりするような暴露もあります。

……
 2010年には、「永田町のスナイパー」とあだ名された故・野中広務氏が、「前任の官房長官からの引き継ぎ簿に、政治評論家らの名前が記載され、『ここにはこれだけ持っていけ』とあった」と暴露。さらには、「受け取らなかったのはジャーナリストの田原総一朗氏だけだった」と語ったのだ。
……

 田原氏はのちに、「野中さんはいくら僕に渡そうとしたか。こういう場だからはっきり言う。1000万円です」と明かしたといいます。以下は、安倍内閣での「官房機密費」の内訳です。

【6年間で約74億円「官房機密費」の内訳】

《官房機密費》
●2012年~2013年
・政策推進費:12億630万円
・活動関係費、政策推進費の調査情報対策費(合計):6233万円
・政策推進費の占める割合:95.0%

●2014年
・政策推進費:10億9850万円
・活動関係費、政策推進費の調査情報対策費(合計):1億1251万円
・政策推進費の占める割合:90.7%

●2015年
・政策推進費:11億2060万円
・活動関係費・政策推進費の調査情報対策費(合計):1億1222万円
・政策推進費の占める割合:90.9%

20 上脇本 機密費
(上脇博之・神戸学院大学教授の著書『内閣官房長官の裏金』=日本機関紙出版センター)

●2016年
・政策推進費:11億540万円
・活動関係費・政策推進費の調査情報対策費(合計):1億1874万円
・政策推進費の占める割合:90.3%

●2017年
・政策推進費:11億1380万円
・活動関係費、政策推進費の調査情報対策費(合計):1億1762万円
・政策推進費の占める割合:90.4%

●2018年
・政策推進費:11億1620万円
・活動関係費、政策推進費の調査情報対策費(合計):1億2227万円
政策推進費の占める割合:90.1%

●6年間合計
・政策推進費:67億6080万円
・活動関係費、政策推進費の調査情報対策費(合計):6億4572万円
・政策推進費の占める割合:91.2%

安倍政権 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2019/06/29 15:40

◎予算委を開かず、一方で憲法審に不満 安倍首相会見

 通常国会が終6月26日に終わり、いよいよ参院選挙(7月4日告示、同21日投票)が始まります。参院選挙は、6年半続いた嘘と隠ぺいの安倍政権を退場させる絶好のチャンスになります。

 その安倍首相は26日、記者会見を開き、参院選挙の大きな争点に憲法改定を位置付けました。その言い分がとんでもないものでした。「この1年、国会の憲法審査会は衆議院で2時間余り、参議院ではたった3分しか開かれていない。議論すら行われないという姿勢で本当によいのかどうか」というのです。

 安倍首相が打ち上げた2020年に「9条改憲」(侵略戦争の反省から戦争を放棄した憲法9条を変えて戦争ができる国にする)を施行する――そのための憲法審査会での議論が、昨年の通常国会、臨時国会、今国会と3国会連続で見送りになったことに強い不満をぶつけたのです。

 そして、「参議院選挙で、憲法の議論すらしない政党を選ぶのか、議論を進めていく政党を選ぶのか」と訴えたのです。これはとんでもない詭弁です。

50 安倍会見 20190626
(安倍首相の記者会見=6月26日、首相官邸ホームページから)

 今通常国会は、公的年金だけでは2000万円が不足するという金融庁の報告書をめぐる問題をはじめ、日米貿易交渉など山積する国政の問題の解決のために野党が予算委員会の開催を呼びかけたにもかかわらず、衆院では3月1日、参院では3月27日を最後に安倍自公政権の反対で開かれませんでした。

 国権の最高機関での議論を封じながら、憲法審査会での議論が進まなかったことに安倍首相は不満をぶつけ、参院選挙での争点にしようというのです。憲法改正は、世論調査で示されているように、国民が喫緊の課題とは望んでいないものです。

 事実、NHKの6月の世論調査でも、憲法を「改正する必要がある」は29%、「必要ない」は32%、「どちらともいえない」は31%です。「今の公的年金で、自分の老後の生活を賄えると思うか」については、「賄える」が5%、「どちらかといえば賄える」が16%、「どちらかといえば賄えない」が23%、「賄えない」が51%でした。

 公的年金問題が切実であることは明瞭です。麻生太郎財務相兼金融担当相が金融庁の報告書を「受け取らない」という姿勢に終始したのをはじめ、安倍自公政権はこの問題でも予算委員会を開こうとはしなかったのです。

 参院選挙は、嘘と隠ぺいの安倍政権にサヨナラする絶好の機会です。安倍首相は記者会見で、「12年前の参院選で自民党は歴史的な惨敗を喫した」とのべましたが、ふたたび自民党に歴史的な惨敗を味わわせようではありませんか。

安倍政権 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2019/06/27 16:01

◎「森友事件をスクープした私が辞めた理由」

 NHKの元記者の相沢冬樹氏(1962年生まれ)の著書『安倍官邸vs.NHK』(文芸春秋)が実に面白い。同著に、「森友事件をスクープした私が辞めた理由」との副題が付いているように、安倍政権へ“忖度”したNHK幹部によってスクープがつぶされるまでの生々しいやり取りが書いてあるからだ。

 相沢氏は、森友学園がある大阪のNHK大阪放送局に勤務する記者で、司法キャップを務めた。昨年夏にNHKを退職し、現在は大阪日日新聞の論説委員。今も森友疑惑を追い続けている。

相沢本


 森友疑惑で安倍晋三首相は、衆議院予算委員会(2017年2月17日)で、次のように進退をかけて疑惑を否定した。

 「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います」

 これに驚愕した菅義偉官房長官ら首相官邸が、大慌てで森友疑惑隠しに奔走し、官僚らに安倍首相の身を守るために忖度させたというのが真実だ。

 NHKの上層部も同様に忖度したことを、相沢氏が著書で暴露しているのだ。著書のなかで、第11章の『「口裏合わせ」の特ダネに圧力再び~プロの記者はこうして取材する~』が断然、面白い。

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(森友学園が建設していた小学校=大阪府豊中市)

 それによると、2018年4月4日。再開された「クローズアップ現代+」で、森友疑惑を取り上げることが決まる。相沢氏は、新ネタがないのはさびしいとスクープをねらう。

 新ネタは、財務省側が8億円もの値引きを正当化するために、森友学園側に「トラック何千台もごみを搬出したことにしてほしい」という電話を掛け、虚偽の口裏合わせを学園側に求めていた――その裏付けを財務省側から取ることだった。

 財務省側が絶対に認めないのを認めさせる――相沢氏の記者魂が奮起する。先輩記者から「頭が禿げるほど考え抜け!」といわれた相沢氏。核心の人物、財務省のZ氏のプロフィールを調べ尽くす。

 そして、Z氏の自宅から職場までの通勤経路での「30分1本勝負」に賭ける。その日の朝。相沢氏「Zさんですね」。Z氏「私は何も言えませんよ」。相沢氏「私がしゃべりますから、少し話にお付き合いください」と言って、調べたZ氏の経歴や仕事ぶり、周囲の評価をしゃべり続ける。

 少し心を許したZ氏に、「去年の2月20日に籠池理事長に雲隠れを指示する電話をかけたと言われてますけど、そういう電話はしていませんよね。そのことも知っています」

 そして勝負所。「でも、別の電話をしていますよね、同じ日に。『トラック何千台でごみを搬出したと言ってほしい』という電話」。Z氏は一瞬立ち止まって、こちらを振り向いた。その表情は、それまでの冷静な顔つきとは変わって、ちょっと驚いたふうに見えた。

 「知ってるんだ…」 認めた!「知ってるんだ」というのは、私の問いかけを認めたことになる。しかし、これだけでは弱い。

 「Zさんはあの日、そのことをメールで省内の複数の人に報告したでしょう。電話をしたけどダメだったということを報告している。あのメールはいろんな人に送られていますよね。だから見た人は大勢いるわけですよ。検察庁にもあるし」
「なるほどね」(とZ氏)
 
 こうして「口裏合わせ」の裏付けをとった冬沢氏。しかし、NHK上層部の圧力で「クローズアップ現代+」では放送されず、「ニュース7」の一番最後の項目で、目立たない形で放送された。

 そして予感する冬沢氏。「いよいよ、次の人事で何かあるな」――その予感は的中し、相沢氏は取材記者からはずされる。NHKを退職する決意をする…。
安倍政権 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2019/06/25 15:26

◎アベ政治を許さない 豊田駅前で3日行動

 作家の沢地久枝さんが呼びかけ、「アベ政治を許さない」を掲げた毎月3日の行動が6月3日(日)、全国で行われた。豊田駅前でのこの行動も4年を過ぎた。

 6月に入ったばかりなのに、夏のような日差しの強い日だった。そのせいか、駅を行き交う人も少ない。撮った写真も白っぽい。

アベ政治許さない1 20190603 


 安倍首相の改憲への執念はいささかも軽く見ることはできない。東京オリンピックと同年の2020年施行をあきらめてはいない。

 安倍首相が、トランプ米大統領を国賓として迎えた一連のパフォーマンスのなかで、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)で、ヘリ搭載型護衛艦「かが」を視察(5月28日)のは、9条改憲の先取りともいえるとんでもないものだった。

 「かが」を含む「いずも」型護衛艦を改修して「空母化」し、米国製のF35Bステルス戦闘機を運用するというのだ。トランプ大統領は大喜びで、日本政府がF35ステルス戦闘機を105機追加購入することを「日本は同盟国の中でも最大規模のF35戦闘機群を持つことになる」と手放しで安倍首相を持ち上げた。
 

アベ政治許さない2 20190603

 空母、ステルス戦闘機…敵国を標的にし、攻撃できる武器だ。まがりなりにも「専守防衛」を掲げてきた自民党の政策を投げ捨てるもので、9条を空洞化するものだ。

 この日の「3日行動」で、参加者は交代して、「安倍9条改憲NO!」とリレートークして訴えた。「憲法9条を生かし、日本を戦争する国にしないようにしましょう!」「消費税の10%への増税は、今からでもやめられます!」――自民党、公明党の悪政を止めるために頑張ろうと訴えた。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/06/04 21:40

◎トランプ大統領が安倍首相と自衛艦視察 F35B取引に狂喜

 「アメリカの不動産王」と呼ばれるトランプ米大統領の政治姿勢は、よくdeal=取引といわれます。来日していた同大統領は5月28日、安倍首相とそろって海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)でヘリ搭載型護衛艦「かが」を視察し、日米同盟を誇示・強調しました。
 
 安倍首相は、自衛隊と米軍約500人を前に訓示。「かが」が米海軍と連携を深めているとし、短距離離陸・垂直着陸が可能なステルス戦闘機F35Bを念頭に、「今後、本艦を改修し、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)戦闘機を搭載する」とのべました。

 「かが」を含む「いずも」型護衛艦を改修して「空母化」し、米国製のF35Bステルス戦闘機を運用する考えを改めて表明したのです。

14 TBS系 かがの上で
(テレビ朝日系のワイドショーから=5月29日)

 トランプ大統領も、日本政府がF35ステルス戦闘機を105機追加購入することを「日本は同盟国の中でも最大規模のF35戦闘機群を持つことになる」と安倍政権の“爆買い”を大歓迎しました。

 F35は1機当たり100憶円以上もする戦闘機で、105機だと総額1兆円にもなります。トランプ大統領は、このDealに狂喜したのでしよう。

 同大統領は、「まもなくこの護衛艦が、これらの最先端の航空機を搭載できるよう改修される。この素晴らしい新しい装備で、護衛艦はわたしたちの国々を守ってくれる。さまざまな地域の紛争、また、離れた地域の紛争にも対応してくれることになる」と強調しました。

 F35Bの導入は、自民党が曲がりなりにも主張してきた“専守防衛”を投げ捨てるものです。トランプ大統領は「さまざまな地域の紛争」などと言って、「日本防衛」とは無縁の海外の米軍主導の紛争への参戦を安倍政権に求めたのです。

 憲法9条とは絶対に相いれないステルス戦闘機F35の導入。安倍首相は、改憲を先取りするように、日本を海外で戦争することができる国に作り替えようとしています。この日の「かが」でのトランプ大統領との蜜月ぶりが、それを示しています。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/05/29 18:35

◎もてなし外交の果てに 開けてびっくり?

 安倍首相は5月27日、来日しているトランプ米大統領と東京・元赤坂の迎賓館で会談しました。自動車や農産物などの貿易交渉について、夏の参院選以降の決着を念頭に置いているといいます。

 ゴルフに大相撲、炉端焼き、宮中晩餐会など、新天皇の即位後に世界の元首のなかで国賓として最初の来日となったトランプ大統領をもてなし尽くした上で、出てくるものとはいったい何か? 国民にとって開けてびっくり?

 トランプ大統領は宮中晩餐会で、安倍首相が決めた新元号の「令和」の元になった万葉集に触れ、大伴旅人、山上憶良までを口にし、安倍首相のもてなしにリップサービスしました。

 貿易交渉は、日本側が7月の参院選後に決着を求めたといわれており、これに応えてトランプ大統領は、「おそらく8月に両国にとって素晴らしいことが発表されると思う」と会談でのべました。

 貿易交渉の大きなテーマは2つ。アメリカ側は、日本に牛肉など農産物の関税の引き下げを求め、自動車対米輸出については追加の関税と数量制限を求めるのではないかといわれています。参院選後になれば、トランプいいなりを押し付けられる可能性が出てきました。

トランプ 安倍 記者会見
(トランプ大統領と安倍首相の共同記者会見=内閣広報室の動画から)

 会談後の共同記者会見で、トランプ大統領は農産物を念頭に、「すべての障壁を取り除くことが目標だ」とのべ、安倍首相は「8月決着」に関する記者団の質問には答えませんでした。参院選での争点化による国民の批判をかわそうとしています。

 トランプ大統領がもっとも喜んだのは日本のF35の爆買いです。「日本は最大の買い手になった」と絶賛した上で、「F35ステルス戦闘機105機を購入いただける。米国の同盟国では、日本が最も多くのF35を保有することになる」とのべ、昨年末に決定した105機の追加購入を予定通り行うよう迫りました。

 日本共産党の小池晃書記局長は、安倍首相が「8月決着」について語らなかったことについて、「7月の参院選挙が終わるまでは黙っていようと示し合わせたのではないかといわれても仕方がない」強調。「安倍首相が『そうではない』というのなら、予算委員会を開いてきちんと説明する責任がある」とのべました。

 日本の自動車対米輸出について、アメリカが追加の関税と数量制限をしてくるのなら、トヨタの職場も大きな影響を受けます。農産物問題とともに国会で明らかにし、議論する必要があるでしょう。
安倍政権 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2019/05/28 18:59

◎トランプ大統領と安倍首相の大相撲観戦

 大相撲夏場所は、3役経験がない平幕の浅乃山の優勝と体重99㌔の小さな炎鵬の活躍で沸かせました。その千秋楽の5月26日、来日中のトランプ米大統領と安倍首相が観戦に訪れました。

 両首脳が5回目のゴルフで蜜月を演じた後、東京の国技館へ。千秋楽の取材をしていた「しんぶん赤旗」の記者が、「伝統文化 特例づくしの異様」との記事を書いています(27日付)。

 土俵からわずか6mの升席最前列に設置され、4席の椅子に両首脳の夫妻をいれて約25分間観戦したといいます。貴賓席でなぜ、だめだったのか? あぐらや正座で楽しむ一般客に比べ、「異様な光景」でしたと書きます。

NHK トランプ大統領 大相撲観戦
(大相撲を升席で椅子から観戦する安倍首相とトランプ米大統領=26日のNHKニュースから)

 相撲好きで知られたフランスのシラク大統領は、2階の貴賓席からの観戦だったことをあげ、「待遇の差は歴然」と指摘します。安倍首相は、「相撲も盛り上がっているし、新しい令和の時代も日米同盟をさらに揺るぎないものにしていきたい」と語りました。

 「両国の結束強化のために日本の伝統文化を政治利用する思惑を隠そうとしません。スポーツの自主性を侵害して構わない、その感覚を疑います」と安倍首相を手厳しく批判します。

 朝日新聞も、「まげを結った力士と勝負だけでなく周辺の存在全てが、日本文化の伝承だ。足を踏み入れれば、様々なしきたり、様式美がある。その空気感が独特の味わいを醸し出している」と相撲文化を指摘しています。

 その上で、「多くの勝負に一喜一憂した過去の皇族や要人らとは雰囲気が違った。観戦する大統領からは手持ち無沙汰感も伝わってくる」とのべ、「力士らへの拍手も少ないし、国技が政治利用されている」と違和感を覚えたと書いています。

 トランプ大統領は、27日には国賓として新天皇に最初に面会しました。様々な演出でトランプ大統領をもてなす安倍首相。「おもてなし満喫プロジェクト」と揶揄する評論家もいます。

 外交は自主独立で対等・平等であるべきです。トランプ大統領は26日、ツイッターで「日本との貿易交渉は大きく前進した。農産物と牛肉が交渉の中心だ。ただこれは大きな数字が期待される7月の選挙(参院選)の後までお預けだ!」とつぶやきました。

 農産物と牛肉の交渉については、安倍首相に配慮して参院選後にするというのです。安倍首相の一連のもてなしは、アメリカ従属の日米同盟の極端な姿を示したものといえるでしょう。

 安倍首相のもてなしに「卑屈な過剰同調をしてはいけない」(26日のサンデーモーニングで寺島実郎氏)という声も上がっています。

安倍政権 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/05/27 16:00
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