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◎連合結成30年 新たな船出に何を期待するか (上)

 日本には、労働組合の中央組織(ナショナルセンター)が、連合と全労連の2つあります。2つとも1989年11月21日に結成されました。それから30年になる節目の10月10~11日、連合は16回目の定期大会を東京で開きました。ベテラン労働記者に、その様子を聞きました。

               ◇

 節目の大会にふさわしく、「働くことを軸とする安心社会 -まもる・つなぐ・創り出す―」との副題を示した「連合ビジョン」を示したのが大きな特徴です。

 このなかで、現在の日本社会を「パート・有期・派遣等で働く仲間が増加。雇用の流動化と不安定化、貧困の固定化と格差の深刻化が進行」(パンフレット)しているなどととらえています。確かに、日本社会は深刻です。

 その上で、連合がめざす社会像とは、「働くことに最も重要な価値を置き、誰もが公正な労働条件のもと、多様な働き方を通じて社会に参加でき、社会的・経済的に自立することを軸とし、それを相互に支え合い、自己実現に挑戦できるセイフティーネットが組み込まれている活力あふれる参加型社会です」としています。

 さらに、「『持続可能性』と『包摂』を基底に置き、年齢や性、国籍の違い、障がいの有無などにかかわらず多様性を受け入れ、互いに認め支え合い、誰一人取り残されることのない社会です」と位置付けています。具体的には、「5つの安心の架け橋」などを示しています。

30 連合 5つの架け橋
(「連合ビジョン」のなかの「5つの安心の架け橋」)


 日本の未組織労働者が8割を占めているという現状から、パート・有期・派遣などで働く仲間を組織化するなどして、“集団的労使関係”に守られるようにするのがナショナルセンターの連合の責務と位置付けています。

 そうした視点から、これまで非正規労働者と呼称していたのをやめること。連合の組織にあった「非正規労働センター」を「フェアワーク推進センター」と名称を変更することも提起しました。

 キーワードの1つが「多様性」という言葉です。このブログでも引用していましたが、有識者に諮問し、報告を受けた「連合評価委員会 最終報告」(2003年9月)から厳しく指摘されたことが反映されているでしょう。

 「最終報告」は、「労働組合が雇用の安定している労働者や大企業で働く男性正社員の利益のみを代弁しているようにも思えるし、労使協調路線のなかにどっぷりと浸かっていて、緊張感が足りないとも感じられる」などと連合を厳しく批判しました。

 その上で、「労働組合員が自分たちのために連帯するだけでなく、社会の不条理に立ち向かい、自分よりも弱い立場にある人々とともに闘うことが要請されているのである」とのべ、連合が「社会の不条理に立ち向か」うことを強く求めました。

 次の2年間の運動方針を提案した相原康伸事務局長(トヨタ労組出身)は、この部分を引用し、「(そ)の大切さをしっかりと受け止め、労働運動のパワーアップをはかり、社会を覆う不安を払拭しなければならない」と強調しました。

連合大会 201910
(連合第16回定期大会=10月10日、東京・新宿)

 相原事務局長は方針案のなかで、これまでの連合の7つの運動領域を整理し、重点分野を設定することを示しました。3つの重点分野は、①集団的労使関係の量的拡大と質的向上、②雇用・地域・産業・グローバルの視点に立脚した政策機能の強化と実践、③ダイバーシティ・フェアワークが根付く職場・社会の実現――です。

 パート・有期・派遣などで働く労働者に寄り添うとともに、連合結成以来、重点活動と位置付けてきた政策活動に思い切って力を注ぐということです。反対に、これまでの7つの運動分野の上にあった「雇用・ワークルール・社会賃金相場の形成」を削除しました。

 政策は連合、賃上げは産業別組合ということを鮮明にしたものです。確かに賃上げは、この30年間、自動車総連や電機連合など金属労協(JCM)が先導し、相場を形成してきたという経過があります。

 一方、これまで連合がナショナルセンターとして賃上げ目標を示してきただけに、賃上げを後景に追いやるのではないかと心配する声があります。果たして、欧米に比べて低い日本の賃金を引き上げることができるのか? 安倍政権のもとで実質賃金が下がり続けているだけに疑問が残ります。メディアから「官製春闘」と揶揄されているだけに当然でしょう。
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労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/10/14 16:09

◎「組合の存在意義って?」 トヨタ労組の議案書から

 トヨタ自動車労組の定期大会が10月19日(土)に開かれます。大会に提案される「58期前期議案書」のダイジェスト版が組合の「評議会ニュース」に掲載されています。タイトルは「やめよう かえよう はじめよう」です。

 この中に「組合活動に対する職場の生声(一部抜粋)があります。
 「活動が時代に合ってない」
 「組合の存在意義って? 会社とほぼ同じでは?」
 「守るべきもの? 変えるべきもの?」

表紙 トヨタ労組 大会議案書


 こうした声が出るのは当然でしょう。議案書にもあるように、19春闘の労使協議会で、豊田章男社長がのべた、「組合、会社とも生きるか死ぬかの状況がわかってないのではないか?」「今回ほどもの凄く距離感を感じたことはない」という言葉が組合の重しになっているからです。

 豊田社長は、世界の自動車産業は自動運転化など「CASE」と呼ばれる「100年に1度の大変革期」なのに、「生きるか死ぬかの状況がわかってないのではないか」と一喝しました。組合は「認識が甘かった」と謝罪しました。

 それ以降、毎月開かれている副社長らが出席した「労使拡大懇談会」。会社の方針が組合に直接伝えられています。職場の生声として「組合の存在意義って? 会社とほぼ同じでは?」という声が出るのも当然です。

 では、組合活動として「守るべきもの? 変えるべきもの?」とは何でしょうか。議案書に「組合員の雇用」とありますが、これは最大の活動でしょう。これをなくしたなら組合の存在意義はなくなります。

 自動車産業と並ぶ、もう1つの日本の産業は電機産業です。しかし、相次ぐ電機リストラで、2011年から35万人の労働者が職場を追われました。なかでも経団連会長会社の日立製作所は、「営業利益率5%に満たない事業は撤退する」 として、神奈川県では戸塚事業所、HGST小田原事業所が閉鎖されました。組合は反対運動をしませんでした。

 これでは、組合の存在意義はないでしょう。トヨタ労組は「綱領」の冒頭に、「主として労働条件の維持・改善、その他経済的地位の向上をはかり、あわせて労働者の社会的地位の向上」などをはかるとしています。

 「雇用」と「労働条件の維持・改善」は、議案書で指摘しているように、「絶対に守りたいもの(=時代が変わっても不変)」です。その上で、組合の活動に参考になるのは、トヨタ労組が加盟している労働組合の全国組織・連合が有識者に諮問し、報告を受けた「連合評価委員会 最終報告」(2003年9月)です。

30 表紙 連合評価委員会 最終報告


 このなかで、「外部から見て、今、労働組合はこう映っている」という評価では、「労働組合が雇用の安定している労働者や大企業で働く男性正社員の利益のみを代弁しているようにも思えるし、労使協調路線のなかにどっぷりと浸かっていて、緊張感が足りないとも感じられる」と厳しく労使協調路線を批判しています。

 その上で、「改革に向けての視点と方向性―労働運動のあり方、理念の再構築」では、「労働の価値を見直し、労働運動の存在理由を再確認する」「弱い立場にあるものが、協力、連帯してこそ不条理に立ち向かえる」――などと強調しています。

 16年前の「最終報告」ですが、今も色あせてはいません。トヨタ労組の中から「組合の存在意義って?」という生声が上がるもとでこそ、「最終報告」に目を通してみようではありませんか。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/about_rengo/data/saishuuhoukoku.pdf


              ◇

 この記事は、10月11日にアップする予定でしたが、都合により8日にアップしました。
労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/10/08 10:21

◎GM労働者が工場閉鎖の撤回求めストライキ

 全米自動車労働組合(UAW)は9月15日深夜、工場閉鎖の中止や賃上げなどを求め、米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)の労働者4万8000人がストライキに入りました。

 GMでのストは2007年以来、12年ぶりです。

 GMは昨年11月、北米の5つの工場を閉鎖し、1万4000人を削減するリストラを発表しました。それ以外の地域では2工場で生産を停止するとしています。

 閉鎖対象の工場は、ガソリン車のセダンを主に生産しているといいます。リストラで約60億ドル(約6800億円)を浮かせ、電気自動車や自動運転車の開発、生産に振り向けるという黒字リストラです。

40 UAW ストライキ
(UAWのホームページから)

 UAWはこれを撤回することを求めてきました。4年に一度の労働協約の改定に向けてGMと交渉してきましたが決裂。北米の31工場でストライキに突入したものです。

 UAW幹部は、「組合員の雇用と家族を守るために立ち上がる」と語っています。

 日経新聞は、「07年の前回ストでは従業員7万3000人が対象となり、80の生産拠点が2日にわたって17時間停止した。UAWはスト中の従業員の賃金を補償するため7億ドル(約750億円)以上の資金を確保している」(9月16日付)と伝えています。

 世界の自動車産業は、米IT企業も巻き込んで電気自動車化や自動運転化など「CASE」と呼ばれる「100年に1度の大変革期」(トヨタの豊田章男社長)という激しい競争をしています。

 そうしたなかでGMは、労働者を犠牲にして電気自動車化や自動運転化などの資金を求めようとしています。UAWの組合員は、ストライキで労働者の雇用を守ろうと立ち上がったものです。
労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/09/17 15:40

◎野党共闘を評価 メーデーで連合・神津会長

 トヨタ労組が加盟する連合は4月27日、東京・代々木公園で第90回メーデー中央大会を開き、同連合発表で約3万7000人が参加した。メーデーは、5月1日だが、連合は大型連休中の開催を避け、4月末に開いている。全労連は5月1日に開く。

 会場では、「90」と書いたうちわを労働者たちが持った。トヨタ労連や全本田労連、日産労連など自動車総連傘下の組合旗が立った。

 神津里季生会長が、「働き方改革を、過労死、過労自殺根絶を第1歩として、すべての働く者の働き方改革としていこう」とあいさつ。7月の参院選について、「立民や国民民主を中心とした野党の力合わせがようやく新しいステージに向かい始めた」と野党共闘を評価した。

30 2019連合メーデー


 前日の26日には、立憲民主党の枝野幸男代表と日本共産党の志位和夫委員長が会談。安倍政権打倒をめざす野党連携の強化について、①参院選で32ある1人区で野党一本化にむけた協議を加速し、連休明けの早い時期に決着をめざすこと、②その上で、早期の解散・総選挙に備えて、衆議院小選挙区で与野党が競り合っている選挙区を中心に一本化の協議を開始すること―で合意している。

 3年前の参院選では、民進=当時=、共産、社民、生活の野党4党は、安倍政権が強行した安保法制(戦争法)の廃止と立憲主義を守ろう、と全国32の1人区で野党統一候補を擁立。福井県、鹿児島県では地方連合事務局長が野党統一候補になり、香川県では日本共産党の候補が野党統一候補になった。

 その結果、6年前の参院選では野党がわずか2選挙区しか勝利できなかったが、11選挙区で勝利する成果をあげ、神津会長は「一定効果があった」と評価した。

 労働組合、労働者が安倍政権打倒をめざして野党共闘をすすめていくことがいよいよ重要になっている。
労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2019/04/28 17:00

◎「残業代ゼロ制度」の職場導入に反対 連合

 トヨタ自動車労組が加盟する労働組合の全国組織、連合は12月20日に開いた中央執行委員会で、「残業代ゼロ制度」(厚労省は「高度プロフェッショナル制度=高プロ」と呼称)について、会社側から提案されても職場への導入に反対する方針を確認しました。

 高プロは、労働時間の規制を一切はずすもので、いくら働いても残業代はゼロ。安倍政権が今年の通常国会に提出した「働き方改革」一括法に盛り込んできました。

 連合やもう1つの労働組合の全国組織・全労連をはじめ、日本共産党や立憲民主党、国民民主党など野党は、長時間労働と過労死を促進するものとして、強く反対しました。安倍政権と自民党、公明党などは強行可決(6月29日の参院本会議)しました。

10 連合2
(連合本部=東京都千代田区)

 連合は、この日の中央執行委員会に提出した「豊かな生活時間の確保とあるべき労働時間の実現に向けた方針」で、来年4月施行を前に、高プロに対し次のような姿勢で臨むとしています。

……
 高度プロフェッショナル制度の導入に対する姿勢

 〇連合は、労働時間規制が一切適用されない「高度プロフェッショナル制」は長時間労働を助長しかねない制度であること、すでに柔軟な働き方を可能とする他の制度が存在し、現行制度のもとでも成果と報酬を連動させる事は十分可能であることから、一貫して創設に反対してきた。こうした中、今回の労働基準法改正により制度が創設されたことは誠に遺憾である。

 〇今後、高度プロフェッショナル制の適用について経営者側から申し入れなされたとしても、上記の経過、並びに次の理由などから反対の姿勢で臨むこととする。

 ・十分な健康福祉確保措置が講じられたとしても、労働時間規制が適用されなければ、長時間労働が助長されかねないこと。

 ・労働時間規制が適用されなければ、生活時間と労働時間のバランスをとるのは困難であること。
……

 連合が、「経営者側から申し入れなされたとしても反対の姿勢で臨む」とした方針を掲げたことは、「残業代ゼロ制度」(高プロ)の職場導入に反対する運動の大きな力になります。
労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2018/12/21 15:19

◎トヨタ労組評議会 会社役員が経営内容説明へ

 トヨタ労組(6万8000人)は、大会に次ぐ決議機関である「評議会」に、会社役員を招いて経営内容を説明する場を、5月31日に開く評議会から新たに設けることを組合の「評議会ニュース」で明らかにしています。

 評議会は、評議員(組合員100人に1人)と役員、専門部員で構成しています。春闘結果の妥結や同盟罷業(ストライキ)、労働協約の締結・改廃などを審議し、決定する重要な場です。

 こうした決議機関に会社役員が出席するのは、労働組合としては異例です。

カバハウス (2)
(トヨタ労組が入るカバハウス=豊田市)

 これまでトヨタ労組は、1年間に3回開く「労使懇談会」で、豊田章男社長ら全役員が出席し、組合が質問(提言)し、会社が回答する形式で開いてきました。今後は、労使懇談会を原則年1回とし、それに代わって評議会に会社役員が出席するというものです。

 そのねらいについて組合は、「労使がさらに本音の議論を実施し、課題解決につなげたい。組合員の関心事項について会社からタイムリーに情報共有いただくという思いから」(評議会ニュース)としています。

 5月31日の評議会には、白柳正義専務役員が18年3月期決算について、宮内一公プレジデント(専務役員)が「生き残りをかけたTC(トヨタ コンパクト)カンパニーの取り組み」について説明する予定としています。
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/05/27 12:06

◎安倍「働き方改革」、9条改憲をやめさせよう 愛知県中央メーデー

 5月1日は働く者のメーデー。第89回愛知県中央メーデーが名古屋市中区の白川公園で開かれ、2800人が参加した。

 ♪晴れた5月の青空に――メーデー歌にあるように、よく晴れたメーデー日和になった。30度近くはあるだろう。

2018メーデー3
(あいさつする榑松佐一議長)

2018メーデー1
(「安倍 9条改憲 働き方改革 NO!」のボードをいっせいにかかげる参加者)

 残業の上限規制といいながら過労死ラインを超える「月100時間未満」まで認める、際限なく働かせる「残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)」を導入する――安倍「働き方改革」法案反対、安倍9条改憲反対の横断幕、プラカードが目立った今年のメーデー。

 会場の入り口では、日本共産党のもとむら伸子衆院議員や名古屋市議団が、横断幕を持って参加者を激励していた。

2018メーデー2
(参加者を激励する日本共産党のもとむら伸子衆院議員ら)

 集会では、愛知県労働組合総連合の榑松佐一議長があいさつ。「人間らしい生活の保障を実現するために市民と野党の共闘を広げよう」と呼びかけた。

 「安倍9条改憲ノー! あいち市民アクション」の新美加寿奈さんは、「私たち子育てママは、平和で人間らしく生きられる生活を望んでいます」と語り、3000万人を目標にした安倍9条改憲ノーの署名を集めましょうと呼びかけた。

2018メーデー4

2018メーデー5

 日本共産党、自由党、社民党、新社会党の代表があいさつ。メーデー宣言を参加者全員で採択した後、名古屋市の繁華街・栄などに向けて元気よくデモ行進した。
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/05/02 21:34

◎連合の新事務局長にトヨタ労組の相原康伸氏

 東京で開かれていた連合の定期大会は、2日目の10月5日、会長に神津里季生氏(61)=新日鉄労組=を再選、新たな事務局長に相原康伸氏(57)=トヨタ労組=を選出して閉会しました。

 トヨタ労組から連合の事務局長に選出されたのは、連合結成(1989年)以来、初めてです。相原氏は、トヨタ労組名古屋支部、トヨタ自動車財務部の出身です。

 トヨタ労組の執行委員や全トヨタ労連の事務局長、自動車総連事務局長などを経て、この9月まで自動車総連会長でした。神津、相原の両氏は、金属労協(JCM)出身で、会長、事務局長が金属労協で占めるのは2回目です。

連合 新役員
(連合大会で選出された=左から=相原康伸事務局長、逢見直人会長代行、神津里季生会長、川本淳会長代行=10月5日)

 連合大会は、衆院解散の直後に開かれ、これまで支持してきた民進党が「希望の党」(代表・小池百合子都知事)に、事実上、吸収・合併されるという異常な下で開かれました。

 民進党の候補者は、「希望」と立憲民主党、無所属の3つに分裂。大会直後に開いた連合の臨時中央執行委員会では、「希望」とは政策協定を結ばないという異例の対応をしています。

 執行委員会では、「希望」の綱領を「大粋的には理解できる」ものの、「まだ細かい政策は明らかにされていない」として、政策協定は「見送らざるを得ない」としています。

 綱領には、「現実的な外交・安全保障政策を展開する」と、安倍政権が2015年に強行した違憲の集団的自衛権の行使を盛り込んだ安保法制(戦争法)を認める内容が入っています。

 民進党は、安保法制に反対。昨年夏の参院選挙で、日本共産党など4野党共闘で安保法制を廃案にすることを共通の政策としてきました。連合も、安保法制に反対して、くり返し国会前で抗議行動をしてきました。全トヨタ労連の旗がなびきました。

 「希望」の候補者になるために、安保法制と憲法9条の改憲の2つの“踏み絵”を民進党候補者に踏ましたのが小池代表です。枝野幸男氏らは、“踏み絵”に反発して立憲民主党を立ち上げました。

 連合の大会は、「希望」に振り回されたなかで終えましたが、新執行部の船出は、連合結成以来、もっとも厳しいものになりました。
労働組合 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/10/06 17:40

◎連合大会の異常さ 政党代表のあいさつなし

 トヨタ労組が加盟する労働組合の全国組織、連合(神津里季生会長)の定期大会(2年に1回)が10月4日から2日間の日程で、東京で始まりました。ベテラン労働記者に電話で、その様子を聞いてみました。

……
 今回の大会は、安倍首相が突然の解散に打って出た中で、開かれました。まず驚いたのは、政党の代表のあいさつがまったくなかったことです。連合は、支持する政党――現在では民進党ですが、前原誠司代表をはじめ、民進党の候補者が雪崩を打って参加している「希望の党」からも来なかった。

 この日の朝刊に、「希望」(小池百合子代表・東京都知事)の第1次公認候補が掲載されていました。トヨタ労組が推す古本伸一郎候補をはじめ191人の名前がありました。一方、枝野幸男民進党代表代行や岡田克也元代表らの名前はありませんでした。

 小池代表は、違憲の安保法制(戦争法)を認めることと憲法9条の改憲の2つを、民進党候補者に“踏み絵”として迫りました。安保法制は、安倍首相が15年に強行成立させたものですが、民進党は党として反対し、日本共産党などとの野党共闘のなかで廃案を求めてきました。

 “踏み絵”に枝野氏らが強く反発し、新党「立憲民主党」を立ち上げました。小池氏は、反発に驚き、当初は安保法制を「基本的に容認」し、「現実的な安全保障政策を支持すること」としていたのを手直ししました。

 「憲法に則(のっと)り適切に運用する」などとしましたが、安保法制を認めることはなんら変わらないものです。総選挙の告示(10月10日)を目の前に、小池代表は民進党候補者を引き入れようと、いろんな策を弄してきました。

 日替わりで変わる事態に、連合は振り回され、民進党も「希望」の代表を呼ばなかったというのが実態です。神津会長は大会のあいさつで、「いま足元はカオスのなかにあると言っても過言ではない」と嘆きました。

 これまでのように民進党も「希望」も党としては支持せず、候補者を個別に支持するということになりました。労働者に政党の支持を強要する「特定政党支持路線」が、破たんしたんです。

聯合大会


 連合を振り回す小池代表の政治信条、理念とはどんなものでしょうか。2012年の総選挙で、毎日新聞のアンケートに、びっくりするような回答をしています。

 憲法改正には「賛成」、集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈を「見直すべきだ」といいます。原発再稼働については「新基準を満たした原発は再稼働すべきだ」と回答しています。

 また、2030年代の原発ゼロをめざす政府の目標については「支持しない」、沖縄・普天間基地の移設先については「名護市辺野古」、日本の核武装については「今後の国際情勢によっては検討すべきだ」と核武装を主張しています。企業献金は「禁止する必要はない」とも--。

 安倍首相となんら変わらない、ウルトラ右翼といってもいいくらいです。「希望」が現在掲げる政策とは、真逆のものです。そんな人物が代表を務める「希望」に、労働者の願いを託せるはずはないでしょう。

 神津会長は、「連合の政策・理念を共有し、地道な取り組みを重ねる同志の勝利に向けて全力をあげる」とのべましたが、「希望」の候補者のために全力をあげたらどうなるのでしょうか? もはや明らかでしよう。

               ◇

 トヨタの職場では、トヨタ労組の職場委員が3日、期日前投票に行くように、いつ投票に行くのかと組合員に迫っています。だれに投票するのかと聞くと、「まだ決まっていないので、後から連絡します」ということでした。

 まさか、「希望」の候補者ではないでしょうね。

労働組合 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2017/10/05 07:58

◎連合は野党共闘に応援を

 労働組合の全国組織、連合の野党共闘への姿勢が問題になっています。新潟知事選(10月16日投票)、2つの衆院補選(10月23日投票)で、野党共闘の足を引っ張っているとの批判があるからです。

 連合は、夏の参院選が終わった後の8月25日、中央執行委員会で「参院選挙の取り組みのまとめ」を明らかにしました。

 参院選では、32ある1人区のすべてで市民と野党4党の共闘が実現し、11選挙区で勝利しました。戦後初めての野党共闘で大きな成果をあげ、とりわけ安倍政権は最重要選挙区と位置付けて、安倍首相みずからが応援に入ったところで負けました。

 「まとめ」では、野党共闘についてこうのべています。

……
 連合は、結成以来、共産党とは行動を共にしないことを確認し、歩んできている。「連合の政治方針」でも「左右の全体主義を排し」とそのスタンスを明確にしている。綱領に社会主義・共産主義社会の実現を掲げる共産党およびその支援団体とは、一線を画することが大原則である。

 その上で、政権の中間評価となる参院選挙は、政権選択選挙となる衆議院選挙とは異なることから、特に1人区における事実上の野党候補の一本化については選挙戦術として容認してきた。

 ただし、候補者の擁立にあたっては、連合は一貫して、「各地方で民進党(民主党)が中心になって擁立した候補者を、後から共産党は応援することがあっても、最初からその輪の中に共産党があるのは違う」とのコメントを発してきた。
……

 連合が「選挙戦術として容認」してきた参院選の後に行われたのが新潟知事選と2つの衆院補選でした。安倍政権の憲法違反の集団的自衛権の行使を盛り込んだ戦争法(安保法制)の強行に続き、原発再稼働、憲法改悪、TPP推進など暴走する安倍政権ストップの声が労働者、国民から高まるなかでの選挙でした。

稲が実る


 新潟知事選では、東京電力の柏崎・刈羽原発の再稼働問題が最大の争点のなり、直前に立候補し、再稼働に反対する米山隆一氏が市民と日本共産党、社民党、自由党の推薦で勝利しました。

 民進党は野党共闘に加わりませんでした。再稼働をすすめる電力総連をかかえる連合新潟が、自民党、公明党の推薦候補を応援したからです。しかし、民進党の議員や最終盤になって蓮舫代表が応援に入りました。

 東京10区と福岡6区の衆院補選では、日本共産党はすでに決めていた候補者を降ろし、民進党候補を野党統一候補にしました。ところが、民進党候補は日本共産党や自由党、社民党の推薦を受けませんでした。

 東京10区補選では、街頭演説で野党の幹部がそろい踏みしたのに、候補者は現われませんでした。終盤になって連合東京は、民進党候補者の事務所からスタッフを引き上げました。

 3つの選挙後、民進党の野田佳彦幹事長(元首相)は、びっくりする行動に出ました。連合の神津里季生会長と連合新潟を訪ね、蓮舫代表が新潟知事選で米山候補の応援に入ったことを謝罪したというのです。

 学者や学生、ママらの団体などでつくる「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」は、「一部で野党共闘に関する後ろ向きな態度が目立ちました。…市民連合は、特定の業界の事情や狭い利害に振り回されることなく、市民と立憲野党の共闘をいっそう深化させることを求めます」との声明を発表しました。

連合 2015年10月大会
(2015年10月の連合大会で選出された神津里季生会長ら連合幹部)

 日本共産党の志位和夫委員長は、「『綱領、理念、政策の違うものとは協力できない』という議論があります。しかし、『綱領、理念、政策』が同じなら同じ政党になります。政党の共闘と、政党の合同とはまったく違う問題であることは、論ずるまでもありません」(9月20日に開いた日本共産党の第6回中央委員会総会で)と指摘しています。

 また、10月27日の記者会見では、「“本気の共闘”をやるうえで、連合指導部の要求に従う道を選ぶのか、野党と市民の共闘に真剣に取り組む道を選ぶのか。民進党に前向きな決断をしてほしい」と語り、連合指導部とも話し合う用意があることを明らかにしました。

 神津会長は、前日の26日に、自民党の二階俊博幹事長と会談し、「政策面で意見交換していくことで一致した」(時事)といわれています。

 連合は、2001年8月2日に宮城県蔵王町で開かれたサマー・トップセミナーに自民党、民主党、公明党らの幹部とともに日本共産党の志位委員長を招待しました。

 志位委員長は、日本共産党の「日本改革」提案などについて約1時間にわたって講演、会場からの質問に答えました。当時の鷲尾悦也会長や笹森清事務局長らと懇談したことがあります。

 安倍政権のもとで日本の政治の進路が問われている今こそ、神津会長は志位委員長の呼びかけにこたえ、野党共闘などの問題をめぐって率直、真剣に話し合うべきではないでしょうか。
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/10/30 15:59

◎他の企業にはない労使関係 豊田章男社長

 トヨタ自動車労組が創立されて2016年で70周年になります。労組はこの1年、記念式典や年史編纂、記念品作成・販売、記念イベントなどを計画しています。

 その1つ、記念式典が1月28日に組合の事務所のカバハウスで開かれました。豊田章男社長ら会社幹部も出席しました。組合の「評議会ニュース」によると、鶴岡光行委員長は、昭和25年(1950年)の大争議を経てつくられた「労使宣言」(1962年)などを次の世代に引き継がねばならないとあいさつしました。

 大争議とは、労働者の5人に1人にあたる1600人の希望退職募集のことを指しています。当時の組合は、断続的に2カ月にわたってストライキでたたかいました。トヨタの大番頭といわれた石田退三・元社長が組合対策で動き、アメリカ占領軍(GHQ)の介入でストは終結しました。

 トヨタグループ発祥の地につくられたトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)で、2012年に購入した漫画『豊田喜一郎』を読んで驚きました。石田元社長が労組幹部を料亭に呼び出して懐柔するなど労組に介入したことを生々しく描いていたからです。

 「労使宣言」は、「労使関係は相互信頼を基盤とする」「生産性の向上を通じ企業の繁栄と、労働条件の維持・改善をはかる」などを柱にして社長と労組委員長が調印したものです。

労使宣言50周年記念碑


 労働組合とは、労働者1人ひとりばらばらでは、会社に対抗できないために、労働者の要求で団結し、賃金、労働時間など労働条件の向上をはかる組織です。会社や政党から独立した組織であることが大原則です。

 「労使宣言」の内容は、こうした大原則に照らして問題があるのではないでしょうか。日本の労働運動は、労使協調主義と組合員に政党の支持を押し付けるという2つの大きな弱点を持っています。

 実際、トヨタ労組が加盟する労働組合の全国組織、連合は弁護士らの有識者7人でつくる「連合評価委員会」を設置しました。同委員会は2003年9月、最終報告を提出しました。

 連合傘下の大企業労組に対し、「労使協調路線のなかにどっぷり浸かっていて緊張感が足りない」と厳しく指摘。「労働組合が担う労働運動の根本的な使命は、社会の不条理に対して異議を申し立てることにある。不条理に対して闘う姿勢を持ち、行動することが労働組合という組織の使命なのである」と強調しています。
 https://www.jtuc-rengo.or.jp/about_rengo/data/saishuuhoukoku.pdf

 記念式典であいさつした豊田社長は、「日本の他の企業を見渡しても、これほどの信頼で結ばれた労使関係は見当たらず、『当社の競争力の源』として誇るべきものだと強く思っている」と労使関係をほめたたえました。

 2つの弱点を克服することは、組織率が2割を割った日本の労働運動を強くし、再生する上でも重要なことです。安倍政権が、残業代ゼロ法案をねらったり、憲法違反の集団的自衛権の行使などを盛り込んだ安保法制(戦争法)を強行するなかで、立憲主義を取り戻すために労働組合の役割はいっそう重要になっているからです。

労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2016/03/18 09:08

◎日本IBMが労組に白旗

 世界のIBMの100%子会社、日本IBMが労働組合に白旗をかかげました。判決前に、賃金の減額が間違っていたことを認めたのです。思考するビジネス――「out think」をかかげる日本IBMですが、賃金への思考が間違っていたのです。

 アウトシンクの日本IBMといえば、“ロックアウト解雇”でも悪名を轟かせました。ある日、突然、終業直前に労働者に解雇を突き付け、私物とともに会社から追い出す――こんな労働法も無視した解雇を強行してきました。

 今年7月10日、中央労働委員会は不当労働行為と認定。「今後、このような行為を繰り返さない」との誓約文を社内に掲示するよう命令しました。

日本IBM
(日本IBMのホームページから)

 今回の賃金減額は、同社が2010年に、就業規則を変更したことによるものです。13年に、5段階の相対評価で低評価とされた15%の労働者について、年間10~15%の賃金減額を行いました。

 なかには4回の減額で、500万円を超える賃金ダウンを受けた労働者もいました。JMIU(全日本金属情報機器労働組合)日本IBM支部の組合員9人は13年9月、労働契約法違反として、減額された賃金の支払いを求めて、東京地裁に提訴していました。

 日本IBMは、12月25日の判決を前にした11月27日、請求をそのまま認める「認諾」をし、総額1183万円を支払うと表明しました。判決で敗訴が必至とみて認諾したものであり、賃金減額の違法性をみずから認めました。

 日本IBM支部は、「白旗を揚げたもので、それは勝訴判決以上の意味を有する」との声明を発表。ロックアウト解雇など労使紛争を全面的に解決するとともに、正常な労使関係を求めています。
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/12/06 09:50

◎直嶋後援会に迂回寄付 朝日報道

 政治団体間の寄付の法定上限は年5000万円なのに、トヨタ労組系の政治団体「全トヨタ政治に参加する会」(全ト参政会)は、別の団体を迂回して7500万円を寄付していた――朝日新聞(11月20日付)が報道しています。

……
 (参院選挙があった2010年の)3月15日、(全ト参政会は)直嶋後援会に4000万円を寄付した。3月24日には3500万円を直嶋氏の資金管理団体「パラダイムチェンジを進める会」(パ会)に寄付。パ会は直嶋後援会に5月17日に2500万円、6月21日に1000万円を寄付した。

直嶋・迂回寄付
(朝日新聞、11月20日付から)

 同年7月の参院選前、全ト参政会から直嶋後援会に計7500万円が渡った形だ。

 直嶋後援会は同年5月に「会報発送費」として約3400万円を使うなど、同年に約7600万円を支出した。パ会は同年3~7月、直嶋氏が所属する民主党のグループからの寄付など計92万円以外に収入はなく、同年の支出は事務所費約31万円のみだった。

 収支報告書や領収書によると、全ト参政会と直嶋後援会、パ会は当時、愛知県豊田市の同じ住所を「主たる事務所」としていた。この住所はトヨタの労組が入る建物とも同一だ。パ会と直嶋後援会は会計責任者が同じだった。

直嶋・迂回寄付2
(朝日新聞、11月20日付から)

 直嶋後援会は「それぞれ別団体で迂回寄付という指摘は当たらない」、全ト参政会は「法にのっとり対応している」、パ会は「迂回寄付という指摘は当たらない」と回答した。直嶋氏の事務所も「迂回寄付の指摘は当たらない」としている。
……

 朝日新聞は、岩井奉信・日大教授(政治学)のコメントで、「政治団体間の寄付の年間上限を超えていると捉えられかねない脱法的な行為だ。日歯連事件で問題になった迂回寄付と同じような構図といえる」を掲載しています。

 朝日新聞が報じている「全ト参政会」のことや同会の会費が組合費の還付と相殺されていることなどをブログ「トヨタで生きる」は、2011年12月2日アップで明らかにしています。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-474.html
労働組合 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2015/11/21 10:17

◎直嶋参院議員の活動費 1億円超

 トヨタ自動車労組の組織内議員、直嶋正行参院議員の活動費が1億円を超え、組織内候補のうちで4番目に多かったことが朝日新聞の調べて明らかになりました。

 「際立つ資金力」と、11月1日付で伝えています。それによると、参院比例区選出の現職議員96人のうち業界団体や労組の「組織内候補」の29人が関係する政治団体が、参院選があった年の1~8月に政治活動費で平均5665万円を支出し、残り67人の3・5倍だったことが分かったといいます。

 96人が代表の政党支部や資金管理団体、後援会など計302団体の政治資金収支報告書を集計。広報宣伝費などを計上する「政治活動費」について、参院選があった2010年と13年で投開票翌月までの1~8月分を調べたものです。このうち、直嶋参院議員については、次のように伝えています。

40 直島議員 政治活動費
(朝日新聞、11月1日付から)

……
 自動車関連の労組でつくる全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)は10年、傘下のトヨタ自動車系の労組出身の直嶋正行・元経済産業相を擁立、約21万票で当選させた。

 直嶋氏は後援会など関連政治団体が四つある。10年、トヨタの労組と同じ建物にあった政治団体「全トヨタ政治に参加する会」(全ト参政会)から計約9500万円の寄付を受けた。

 トヨタ系の製造現場で働く男性によると、年数百円の政治団体の会費は、職場の組合員の大半が払っているという。4団体は「会報発送代」などで計1億円超を使った。男性は「大量の資料や事務所に資金力を感じた」と話す。

 自動車総連傘下の別の組合幹部は「トヨタの労組は30万人以上の組合員を組織的に動かすところに強さがある」と語る。今夏、来年の参院選について話し合う自動車総連の会合時、トヨタの労組の幹部は候補者を組合員に会わせる日程を固めていたという。

 直嶋氏の事務所は「後援会などは協力して後援会活動を進めている」などと文書でコメントした。
……

直島議員とカバハウス
(後方の建物が「(全ト)参政会」やトヨタ労組、全トヨタ労連が入るカバハウス)

 朝日新聞が報じている「全ト参政会」のことと同会の会費が組合費の還付と相殺されていることの問題点などをブログ「トヨタで生きる」は、2011年12月2日アップで明らかにしています。
http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-474.html
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/11/03 07:11

◎トヨタ労組大会 技能発揮考課、2時間残業、投票済証…

 トヨタ自動車労組の第82回定期大会が10月17日、豊田市内の労組事務所、カバハウスで開かれました。論議の様子をまとめた「評議会ニュース」が職場に配布されました。

 それによると、来年1月から工場の技能職に導入される技能発揮考課の問題や、12月に発売される新型プリウスなどによる生産増に対応した残業・休日出勤増の問題、選挙毎にくり返される投票済証の提出の問題など職場と選挙の問題などが代議員から出されました。

カバハウス
(トヨタ労組が入っているカバハウス)

 新設される技能発揮考課によって、組合員は6段階で評価されます。最高と最低では最大2万5000円の差が出ます。上司から毎月評価され、毎月賃金が変わるという成果主義賃金の背骨にあたるものです。

 本社工場の代議員からは、「運用に対して不安を抱く人は少なくない。…公平・公正を伴う運用が大切。執行部のフォローをお願いする」と注文しました。職場では、評価に対する不安・不満が多いことを示しています。

 これに対し執行部は、「評価者・被評価者のへのヒアリングなどで、公平・公正な評価の課題・問題点を継続して確認していく」と答弁しました。

 トヨタでは、10月から来年3月まで、1日当たり最大2~2・5時間の残業、1カ月に2~4直の休日出勤(1人当たり月1~2回)の特別生産体制に入っています。

 高岡工場の代議員は、「10月から、直間拡大、そしてタクトも下げた上で、日当たり2時間の残業プラス月4回の休日出勤という『要員ねん出のための特別な稼働対応』が始まった」とのべました。

 その上で、「ひんぱんな人の入替え負担や継続する高負荷にともなう心身の疲労が絶えないのも事実」と強調。「『要員不足を理由に、生産が優先され、安全や年休がおろそかにされるのではないか』といった懸念の声が数多く寄せられており、こうした声は、高岡工場だけではなく、すべての工場であがっていると考える」と生産第一主義への不安、懸念を訴えました。

 これに対し執行部は、「『職場に問題があっても、来年3月まで無条件で実施する』と約束したものではないので、問題があればすみやかに伝えてほしい」と答弁しました。

 来年夏には参院選があり、トヨタ労組は引退する現職議員に代わって新たな候補者を推薦しています。これに対し、衣浦工場の代議員は、「期日前投票や、済証(選管が発行する投票済証)の持ち寄りについての不満の声、フォロー対応が多すぎる事もあり、活動について効率よく取り組む方法が必要なのではないか」と注文をつけました。

 労組の特定政党支持の押し付けと、その具体化である投票済証を、家族をふくめて労組に提出させ、チェックするなどの組合の態勢について強い不満が出されました。こうした意見が出るのは異例です。

 政治課題では、もっとも大きな問題が安倍政権と自民党、公明党が9月19日に強行成立させた安保法制(戦争法案)です。国民の6割以上が「今国会での成立に反対」という世論と憲法学者のほとんどが違憲という法案です。

国会行動 自動車総連
(安保法制に反対して国会行動をする自動車総連の組合員ら=8月23日)

 トヨタ労組の上部団体の自動車総連や連合は、これに強く反対。トヨタ労組出身の相原康伸会長は9月の自動車総連大会で、「立憲主義をゆるがせにし、国のあり様を極めて短期に、かつ、曖昧なまま、決定しかねない政府の対応に強い懸念と政府の安保法案への反対を表明しておきたい」とのべました。

 8月23日の連合の国会前行動には、全トヨタ労連の旗が立つなど多くの組合員が反対行動に参加しました。

 しかし、トヨタ労組の大会議案書には、安保法制についてはふれておらず、大会のあいさつ、討論でも出なかったようです。組合員はもちろん、国民全体の平和にかかわる重要な課題であり、残念でなりません。
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/10/30 20:15

◎連合は変わったのか? 連合大会から

 労働組合の全国組織であり、トヨタ労組が加盟する連合の定期大会(2年に1回)が10月6~7日、東京で開かれました。連合を取材してきたベテラン労働記者に、大会のようすや連合の現在を聞きました。

 ――連合がこれまでと変わったという声がありますが、そうですか?
 記者 9月末まで大幅に延長された国会で、連合は安倍政権の労働者派遣法改悪や安保法制(戦争法案)と対決しました。国会前に1万4000人の組合員らが集まって反対(8月23日)するなど、これまでと変わって“たたかう姿勢”を鮮明にしています。

 ――なぜですか?
 記者 12年12月の総選挙で自公が圧勝し、安倍政権が誕生したことがきっかけだと思います。安倍政権は成長戦略の名前で、労働者保護ルールを破壊し続けていると連合はみています。

 新会長に選ばれた神津里季生氏(基幹労連、新日鉄労連出身)は、記者会見で、「自民党の強引な政権運営に組合としてどう対抗していくのか」と聞かれ、こう答えました。「安保法制について、普通の市民がこのままでいいのかと声を上げた。連合組合員も普通の市民であり、1つの社会運動として力を持っていくのは大事なこと。この間、労働法制をとっかかりに集会、国会前座り込み、デモをやってきた。社会に広く訴えていくことは重要」と語りました。

 連合は、労働者派遣法の改悪については、「派遣は臨時的・一時的業務に限る」という原則から逸脱し、“生涯ハケンで低賃金”を助長するといって廃案のために集会、座り込みをしてきました。“残業代ゼロ”法案は継続審議になりましたが、“残業代ゼロよりも過労死ゼロ”のスローガンを掲げて強く反対しています。

 ――トヨタ労組など各組合が“過労死ゼロ宣言”をしているけれど、その一環なんですね。

 記者 そうです。もう1つ、安倍政権になって首相と連合会長のトップ同士が定期的に話し合う政労会議が廃止されたことも連合の怒りをかっています。

 ――先ほどの安保法制の反対の国会前集会には、自動車総連や全トヨタ労連、本田労連の旗が立って驚きました。シールズの奥田愛基さんもあいさつしたといいますね。

 記者 自動車総連は賃上げの水準を決める役割を果たし、春闘ではもっとも注目される産別です。安保法制反対で1000人以上集めたと聞いていますが、政治的課題でこれほど力を入れたのはこれまで聞いたことがありません。

 大会の議論では、自治労は安倍政権の安保法制の強行採決について、「独善的、強権的」と口を極めて批判しました。連合北海道は、「違憲で一致する弁護士会など多くの団体と様々な共同をしてきた」と発言するなど、安倍政権と対決していく発言が次々出たのが特徴です。

連合大会 (1)
(連合の大会で選出された新執行部=10月7日)

 ――方針で注目されるのは?
 記者 神津新会長が強調していたのは4つの総掛かりの運動です。4割近い非正規労働者や未組織労働者の底上げ・底支えの実現に取り組むと力説していました。また、すべての働くものにディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を、と強調していたのも印象的です。

 具体的には、長時間労働の温床になっている特別条項付の36協定について、年間750時間を上限とし、限りなく360時間に近づけるとしています。勤務間のインターバル(原則11時間)の導入も主張しています。

 ――トヨタの36協定は、年間600~720時間になっていますから、この方針をもとに360時間に近づけることが必要ですね。

 記者 もう1つの労働組合の全国組織、全労連も安保法制に反対し、労働者派遣法の改悪、“残業代ゼロ”法案にも反対しています。一致している要求では共同で反対してよさそうだが、そこまではいっていないのが残念です。

連合大会 (2)
(連合会長に選ばれた神津里季生氏=NHKテレビから)

 ――日本共産党は、“戦争法廃止、立憲主義を取り戻す”――この一点で一致するすべての政党・団体・個人が共同して、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を樹立しようではありませんか、と呼びかけましたが、連合の受け止めはどうですか?

 記者 大会では直接、論議になりませんでした。しかし、来賓あいさつで民主党の岡田克也代表は、「憲法違反の安保法制は白紙に戻さなければならない」と強調していました。神津新会長をはじめ連合は、安保法制反対でたたかってきました。そこは共産党と一致しているわけだから、これまでのいろんなことは脇に置いて、共同できるといいのですが…。

 ――安倍政権のもとで、政治のおおもとの憲法と労働者の暮らしが全面的に破壊されようとしているのだから、これまでの成り行きにこだわらず、安倍政権を退陣に追い込むためにいっしょにやってほしいですね。

 記者 その通りです。連合が結成されて4半世紀になります。連合は、労使協調主義、特定政党支持の押し付けという弱点を持ってきましたが、このところの“たたかう姿勢”は、それを乗り越える可能性を秘めています。

 来年夏の参院選で自民党、公明党が勝って議席の3分の2になれば憲法を変えることに安倍首相は手をつけるでしょう。安倍政権の退陣に向けたたたかいを、連合は国民・労働者とともに総掛かりでやってほしいと思います。

                ◇

 この記事は、10月9日、10日の2日分としてアップします。

労働組合 | コメント(5) | トラックバック(0) | 2015/10/09 08:42

◎突出した投票率 豊田市

 いっせい地方選挙後半戦の投開票(4月26日)が終わりましたが、愛知県内の市議選では、豊田市(定数45)の投票率が突出して高くなっています。

 豊橋48・43%、豊川52・01%、大府48・53%、半田46・99%、安城55・17%、春日井39・71%、一宮46・32%…。多くの市が有権者の半分程度しか投票していません。

 そのなかで、豊田市の64・03%は、群を抜いています。これに続くのがみよし市の60・05%です。

 豊田、みよしの両市に共通するのは、トヨタ自動車の工場があることです。ここでは、トヨタ労組や全トヨタ労連が推薦する候補者がいます。豊田市では、市議選前までは民主党系の「市民フォーラム」が9議席を占めていました。

 トヨタ労組は、国政選挙、地方選挙で組合員に民主党の支持を押し付けています。憲法で保障された思想・信条の自由を踏みにじるものです。選挙活動の一環として行っているのが、選挙管理委員会が出す「投票済証」の回収です。

20 樋田市議選 投票済証
(豊田市議選の「投票済証」)

 職場委員が、組合員と同居する家族に、いつ期日前投票に行くかを求め、「投票済証」で行ったことを確認するというものです。豊田市議選は、4月19日(日)に告示されました。

 ある職場では、22日(水)までに期日前投票を終えるよう、組合員に求めました。このため、20日(月)には、組合員の半数が「投票済証」を提出、22日(水)には、1人を除いて全員提出しました。

 すべての職場で、このようなことが行われているわけではありません。なかには投票日の26日(日)が終わってから提出してもいい職場もありますが、組合は全員の「投票済証」の提出を求めています。

 組合が、組合員に投票に行くよう呼びかけるのは、いいことでしょう。しかし、「投票済証」の提出を求め、1人ひとり、家族にまで提出を求めてチェックするのは、明らかに行き過ぎです。

 しかも、特定の政党への支持を押し付けるなかでの「投票済証」の提出です。組合員からは、「ここまでやるのか」「やりたくない」などと怨嗟の声が上がっています。

 豊田市では、いつの選挙でも4000~5000票くらいの無効票が出ますが、今回の豊田市議選でも、無効票が4550票もありました。無効票の大半が白票です。候補者1人が当選できるほどの数です。

 ある組合員は、「選管の『投票済証』をもらうためだけに投票所に足を運んでいるとしか思えない。提出の強要はもうやめてもらいたい」と語ります。



労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/04/28 11:31

◎STOP労働者保護ルールの改悪

 15春闘は、トヨタ自動車労組など大手労組にいっせいに回答が出ましたが、関連・中小労組への回答はこれからであり、たたかいは続いています。大手に示された回答が、波及するかどうか、格差は縮まるかどうかが注目されます。

 この春闘で、連合愛知やトヨタ労組は賃上げとともに、「STOP労働者保護ルールの改悪」などをかかげています。写真のようなカラーリーフを組合員に配布しています。

リーフ1 トヨタ労組


 労働組合の全国組織、連合がかかげる「残業代ゼロより過労死ゼロ」のスローガンとともに、一生涯にわたって派遣労働者のままになる労働者派遣法の改悪など3つの課題で労働者保護ルールを守ろうと呼びかけています。

 安倍晋三首相が、「日本を企業が一番活躍できる国にする」といって、労働者保護ルールの改悪を主張しているからです。その1つに「残業代ゼロ法案」があります。今国会に提出しようとしています。

 「高度プロフェッショナル制度」という名で、年収1075万円以上の労働者を、「週40時間、1日8時間」の法定労働時間からはずし、無制限に働かせようというものです。

 残業代がゼロになるばかりか、今でも年間200人ほどが労災に認められている過労死を、いっそう激増させるものです。トヨタでは、研究開発部門で2万人以上が働いていますが、こうした労働者が対象になる可能性があります。

リーフ2 トヨタ労組


 第1次安倍内閣の時に、「ホワイトカラーエグゼンプション」の名で、法案を提出しようとしましたが、連合やもう1つの全国組織、全労連など労働界がこぞって反対し、日本共産党などもたたかかって阻止しました。

 今春闘で、愛知連合とトヨタ自動車労組の連名で出されたリーフレットは、「STOP労働者保護ルールの改悪」の1点で労組、政党のわくを超えて一致団結できるものです。

 安倍内閣に「残業代ゼロ法案」を提出させないために、ともに力をつくそうではありませんか!
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2015/03/23 10:44

◎選挙活動は、労組がすべきことでしょうか

 このブログ、「トヨタで生きる」で、「紹介者カードの提出はいやだ」(8月25日)をアップしたところ、次のようなコメントをいただきました。

……
★「紹介者カードを連休明けに提出せよというのだ。家族・同居者5人まで書く欄がある。他に2人紹介しなければならない」とありますが、昔はもっとひどかった。20年前、直嶋正行が立候補するとき、俺の勤務先(部品メーカ)では、管理職は10名、組合員は5名(家族以外)、それぞれ、紹介せよと言われた。困っていたときに、保険会社のオバチャンから保険の切り替えを推奨されたので、保険の切り替えに応じる代わりに、保険会社の人を名前を5人分貸してもらった。

 ★組合が1番熱心にやる活動は、選挙活動ですね。賃上げや、労働環境を向上させる活動を、選挙並みにやってくれれば、皆よろこんで書いてくれると思うのですが。
 それと、あれだけの活動をやるのですから、多額の組合費を使っているはずです。パンフレット、ビラ、後援会申込書、莫大な連絡文書、職場委員が動員されてかける電話代、選挙事務所の諸費用。いくら組合の決定をへているとはいえ、実質的には民主党に対する政治献金と同じではないのか?組合費は本来の目的のために使ってほしい。
……

 衆院選、参院選、地方選挙…くり返されるトヨタ労組の選挙運動と組合員のへの動員。コメントからは、組合員がうんざりしていることがよくわかります。

20 後援会 カード


 思想・信条の自由は憲法で保障されたものです。労組が特定の政党の支持を組合員に押し付けるのは、憲法に違反します。選挙活動は、労組とは別に後援会などをつくって行うべきです。

 トヨタ自動車は、企業の社会的責任をまとめた「CSR方針」で、「私たちは、従業員が自由に結社する権利または結社しない権利を、事業活動を行う国の法令に基づいて認めます」と政党結成の自由を表明しています。

 また、「トヨタ行動指針」では、「政治・宗教活動」について次のように定めています。

 「トヨタは、職務の遂行に支障をきたすといった特別の事情がない限り、トヨタで働く人々の政治参加を奨励すると共に個人の宗教活動には一切関与しませんが、政治活動や宗教活動は私的行為ですから、原則、会社施設内で行うことはできません。
 私たちは、積極的に政治に参加するよう努め、宗教活動を行う場合は節度ある行動を取ります」

 トヨタは、政党をつくり、活動することの自由と積極的に政治に参加することをうたっています。しかし、労組が特定政党の支持を押し付けたり、強要することとはまったく別次元のことです。

 コメントでいただいたように、労組は本来の「賃上げや、労働環境を向上させる活動」を積極的に行うべきでしょう。
労働組合 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2014/09/01 07:25

◎世界の労働者との連帯 メーデーに参加した

 トヨタ自動車の労働者にとって、メーデーとは何だろうか? 5月1日、トヨタの工場は、“トヨタカレンダー”によって10連休の真っただ中だ。豊田市からメーデーの集会、デモ行進がなくなって久しい。

 メーデーは、アメリカのシカゴの労働者が8時間労働制を要求してストライキしたことが起源だ。1886年というから、もう100年以上の歴史がある。「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために」と歌ったという。

メーデー3 20140501


 世界に広がり、世界の労働者が連帯してたたかう日になった。しかし今年のメーデーは、トヨタの職場からは、4月26日に名古屋市の久屋大通公園で開かれた連合愛知のメーデー集会(デモ行進はない)に、トヨタ労組の代表が参加しただけという。

 職場の一般の組合員へ、参加の呼びかけはない。世界と日本のさまざまな労働者と連帯するということがなくなったのだろうか。トヨタという企業のわくのなかだけでいいのだろうか? トヨタは、世界に進出しているというのに…。

メーデー1 20140501


 5月1日、同じ久屋大通公園で開かれた愛知県労働組合連合会(愛労連)のメーデーに参加した。昨夜までの雨があがり、メーデー日和になった。

 ♪ ガンバロー 突き上げる空に
 開会前に、歌声の歌唱指導が行われていた。

メーデー2 20140501

 のぼり、プラカード、デコレーションがいっぱいだ。「戦争はいや 憲法を守れ」という神輿(みこし)をつくってきた女性たち。安倍政権が集団的自衛権を憲法解釈で認めようとしているだけに、それを許さないという思いでつくったものだろう。

メーデー4 20140501


 民間や官公労などのさまざまな組合旗が林立する。約3000人が集まった。「メーデー宣言」が採択された。安倍政権がねらう労働者派遣法の大改悪、残業代ゼロ、限定正社員の導入、解雇の自由化などにすべての労働者が反撃しようということなどが盛り込まれた。

メーデー5 20140501


 残業代ゼロなんて、8時間労働制を崩すものであり、メーデーに立ち上がったアメリカの労働者らに挑戦するものだ。“おれたちの好きなことのため”の8時間が奪われてたまるか。

 集会後、名古屋の中心部を2コースに分かれてデモ行進した。五月晴れの下、労働者が心を1つにしてデモ行進し、シュプレヒコールの声をあげる。連帯することがどんなに素晴らしいことか。

 前日には、「メーデー前夜祭」が開かれ、みんなで歌ったり、踊ったりした。

メーデー6 20140501
(メーデー前夜祭)
労働組合 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2014/05/02 12:00

◎「全ト参政会」つて何? 親子の対話

 トヨタ自動車勤務の親 おや、「全ト参政会ニュース」なんて、持っているんだ?
 トヨタグループ勤務の息子 組合から配布されたが、読んでいないよ。
 親 「全ト参政会」という組織を知っているのかい? 

 息子 そんなの知らないよ。
 父 「全トヨタ政治に参加する会」の略称だ。トヨタ自動車労組などトヨタと関連会社などの労組でつくる全トヨタ労働組合連合会(全トヨタ労連。32万6000人)が1997年4月に発足させた政治団体だ。お前の会社の労組も入っている。

 息子 へぇ、そうなんだ。
 父 「全ト参政会」の「ニュース」を読むと、今年1月16日に、全トヨタ労連の研修組織、つどいの丘で第18回定期総会を開き2013年の決算報告を承認し、14年の予算を決めたとある。

 息子 なぜ、労組が別の組織をつくったの?
 父 それが重要だ。「全ト参政会」が発足した当時、リクルート事件などのように、企業が政治家にわいろを贈り、便宜を図ってもらおうという事件が相次いだ。金権・腐敗政治の温床には、企業・団体献金があるとして、その禁止を求める世論は高まっていたんだ。

 息子 おれが子どものころで、何も知らなかったけれど。
 父 1995年以来の政治資金規正法改正で、企業や労組などの団体が政治家個人に寄付することは禁止になった。しかし、政党・政党支部、政治資金団体に寄付する抜け道は残された。

 息子 労組もかい?
 父 そうだ。労組も民主党やその前身の党の議員らに献金していたから。世論の高まりのなかで、「全ト参政会」がつくられた。当時のトヨタ労組の「評議会ニュース」では、「(全ト)参政会」は、「実質的には個人寄付の受け皿の役割を持つ団体です。つまり、便宜上『(全ト)参政会会費』として、資金を納入していただきます」としていた。

 息子 労組の団体献金にも風当たりが強くなったので、個人献金の形に変えたというのだね。
 父 その通りだ。しかも、「組合費の還付がある場合は、その還付金の中から会費を納入していただく」ということも決めていた。

 息子 えっ? 何なの、それって?
 父 いいかい。「全ト参政会」は、その基本的性格として、「組織内議員(国・県)や顧問議員の活動資金を、個人の寄付により拠出し、資金面で議員を支える組織」としている。そして、「形としては労働組合とは別の組織(政治団体)となるものの…あくまでも全トヨタ労連の方針や大会決定に基づく運営組織」としているんだ。

201212 総選挙
(全トヨタ労連が組合員を動員した総選挙の街頭演説会=2012年12月、豊田駅前)

 息子 組合と「全ト参政会」は、事実上、いっしょということだね。
 父 お前がもらってきた「ニュース」のなかの2013年の決算報告を見ると、約2億595万円の会費を集めている。「国政活動対策費」に2940万円、「国政後援会への寄付」に9000万円、「国政研修会」に約66万円などを支出している。

 息子 「ニュース」には、「国政研修会」として、直嶋正行参院議員や古本伸一郎衆院議員と開いたことがのっているね。全トヨタ労連が選挙で応援してきた議員だ。
 父 ほとんどの組合員が「全ト参政会」に入らされており、事実上強要されているのが実態だ。

 息子 おれも入っているのかな?
 父 おぼえていないくらいだろう。『(全ト)参政会』がつくられてから毎年、組合費の還付が行われている。

 息子 その組合費還付って、何なの?
 父 トヨタ自動車労組の場合、昨年8月の給与から組合員(6万3000人)にたいし、1人平均1万121円の組合費を還付した。労組の「評議会ニュース」をよく見ると、小さな字で「参政会会員の方は、今期分の会費(720円×口数)を相殺した金額で還付します」とある。

 息子 じぇじぇじぇ!!! 体よく組合費から、「全ト参政会」の会費をとっているということだ。
 父 その通りだ。毎年、還付するくらいなら組合費を引き下げるべきだ。それをしないのは、「全ト参政会」会費=政治献金をとるために、組合費をわざわざ高くしているとしか思えない。

 息子 知らなかった! びっくりだ。
 父 労働組合は、賃上げなどの要求で団結し、会社にその実現を迫るものだ。特定の政党―全トヨタ労連の場合は民主党―の支持を組合員に押し付け、政治献金を強いるのは、思想・信条の自由を保障した憲法に反するものだ。

 息子 やめてほしい。
 父 その声を、もっともっとあげなければならないね。
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/05/01 10:58

◎「労使の絆は、競争力の源泉」 豊田名誉会長

 トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長が日本経済新聞に連載していた「私の履歴書」が4月30日、終わりました。経団連会長を務め、現在のトヨタの社長の豊田章男社長の父親だけに、1カ月間、注目して読みました。

 最終回では、”もっといいクルマを”の見出しのもとに、高速道路での自動運転の可能性などをあげ、「交通事故死ゼロ。これが私の夢だ」と語っています。

 自動運転といえば、ネット大手のグーグルがトヨタのプリウスを使って自動運転の走行実験をしています。トヨタの先を行っているといわれています。4月30日付の朝日新聞は、そのグーグルが次々にロボットベンチャーを買収していることを報道しています。

 グーグルのねらいは、家庭でなんでもこなす”執事ロボット”ではないか、と推測しています。これからは、ものづくり+ソフトの世界になること、グーグルはロボットの頭脳を支配しようとしているのではないか、ロボット技術を牽引してきた日本もグーグルの動きに過敏になっている、と伝えています。

トランペット ロボット
(トヨタのトランペットを弾くロボット)

 トヨタも、溶接ロボットの技術を発展させ、トランペットを吹くロボットやギターを弾くロボットなどを開発しています。パートナー・ロボットと呼んでいます。ロボットは、人間のパートナーになりうるのでしょうか。

 豊田名誉会長の連載で、注目した1つは、トヨタのパートナーとしてあげている部分です。「販売店・取引先、そして労使の、固い絆。これがトヨタの競争力の源泉だ」(4月28日付)という叙述です。販売店・取引先と同列に労組をあげています。

「トヨタ75年史」から
(トヨタ労組の歴代3役名を掲載する『トヨタ自動車 75年史』)

 終業時間時間直前に、「私物をまとめろ」といって突然、労組組合員らをねらいうちして解雇する日本IBM。そのロックアウト解雇の異常さが批判を浴びています。労組をこれほど敵視する組合があるなかで、トヨタは労組を”固い絆”と呼んでいます。

 確かに、『トヨタ自動車 75年史』でも、歴代役員の一覧とともに、トヨタ労組の歴代3役が2ページにわたり掲載されています。「労使は、トヨタの競争力の源泉」と語る豊田名誉会長。なぜ、そうなのか? 連載で、もう少し語ってもらいたかったところです。

労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/04/30 09:47

◎連合がメーデー 「働く人の犠牲の上に成長戦略を描くことは許せない」

 労働組合の中央組織、連合は4月26日、東京・代々木公園で約4万人が参加してメーデー中央大会を開きました。トヨタ労組も連合に加盟しています。メーデーは、本来5月1日に開くものですが、連合は大型連休中で開催は困難として、4月下旬に開いています。

 もう1つの中央組織、全労連はメーデーの伝統をふまえ5月1日に開いています。連合のメーデーには、自民党の首相としては13年ぶりに安倍首相が出席しました。日本共産党を除く9党が招待され、あいさつしました。

 NHKは26日、次のように伝えました。

……
 連合の古賀伸明会長は、「メーデーは働く人の祭典だが、ことしは労働者保護ルールの改悪にストップをかける運動の一環と位置づけている。当たり前の生活を送るための最低限のルールに“岩盤規制”とレッテルを貼り、働く人の犠牲の上に成長戦略を描くことは許せない」と述べました。

 そして、働いた時間ではなく成果によって報酬が決まる新しい「労働時間制度」や、労働者派遣法の改正などに反対する特別決議を行いました。
……

連合メーデー 20140426
(連合のメーデー中央大会で、安倍政権の労働者保護ルールの改悪を批判する古賀伸明会長=4月26日、NHKから)

 安倍首相は、メーデー大会あいさつで、「『三本の矢』の政策により、今確実にデフレから脱却しつつある」などとのべました。古賀会長は「3本の矢」の1つの「成長戦略」について、「働く人の犠牲の上に成長戦略を描くことは許せない」と強く批判したものです。

 安倍首相の諮問機関である産業競争力会議が、労働者に労働時間ではなく成果によって賃金を支払うという「残業代ゼロ」を法案の作成を提起するなど、働くルールを根こそぎ崩そうとしています。

 連合が、安倍政権の労働者保護のルールの改悪にストップをかけようという姿勢は、日本共産党と基本的には同じ立場です。一致する政策・要求で政党、労組が共同するのは労働者多数の願いです。

 私たちは、「働く人の犠牲の上に成長戦略を描くことは許せない」という立場を共有し、「残業代ゼロ」など労働者保護のルールの改悪にストップをかけるためにトヨタの職場で奮闘したいと考えています。
労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/04/27 10:04

◎破たんした連合の「2大政党的体制」

 労働組合の全国組織(ナショナルセンター)の1つである連合は、1989年に結成されて24年目を迎えます。トヨタ自動車労組も、上部団体の自動車総連を通じて加盟しています。

 連合が、結成以来、政治方針にしてきたのは、「政権を担いうる新しい政治勢力の形成に協力し、政権交代を可能にする健全な議会制民主主義を実現する」(「連合の進路」の「基本目標」)というものでした。

 この政治目標について、初代連合会長だった山岸章氏(全電通=現、情報労連=委員長)は、「イギリスに見られるような『保守対社民プラス中道』の二大政党的体制が好ましい」(『連合 世直しへの挑戦』とのべていました。

 連合は、自民党に代わって政権交代可能な「二大政党的体制」をめざし、1998年に結成された民主党の育成に、最大の応援団として人も金もそそぎこみます。組合員には民主党の支持を強要します。

 2009年9月の総選挙で、民主党は政権を担い、連合の目的は達成されたかのようにみえました。しかし、12年12月の衆院選挙で大敗し、わずか3年3カ月で政権を失いました。自民党や社会党の離党組などから成る民主党は、国民、労働者の期待を完全に裏切ったからです。

 今回の参院選挙でも地滑り的な敗北となり、「二大政党的体制」は完全に破たんしました。連合は比例代表選挙で単産が擁立する9人の必勝をめざしますが6人にとどまりました。

 連合は、「誠に残念な結果となった」(事務局長談話)とのべるだけでした。連合を長く取材してきた労働記者は、連合について「しばらく再起不能だろう」といいます。

 自動車総連の擁立した候補は当選しましたが、このブログ「トヨタで生きる」でも明らかにしたように、同候補の「支援する会」への強制加入、期日前投票と「投票済証」の完全回収、ポスター貼り、電話での支持拡大など、あらゆる手をつくしても、総連組合員の3分の1程度しか票を固められませんでした。

 組合員は、民主党をもはや見離しているのです。これは、連合が目標にしてきた「二大政党的体制」を組合員は支持しないという意味でしょう。特定の政党の支持を組合員に押し付けるのは、思想・信条の自由をうたった憲法に反するものです。

 連合は、10月に第13回定期大会を開きます。これまでの政治方針を見直し、特定政党の支持を組合員に押し付けることはきっぱりやめるべきでしょう。組合員の要求と一致する政党と共同することこそ、労働組合の本道ではないでしょうか。

連合大会 201110
(連合の第12回定期大会=2011年10月、東京)

               ◇

 この記事は、8月3日アップの予定でしたが、都合により前日にアップしました。

労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/08/02 18:26

◎「労使宣言50周年記念之碑」とは

 トヨタ自動車の本社敷地内に、「労使宣言50周年記念之碑」が建っています。今年4月8日に、トヨタの豊田章男社長とトヨタ労組の鶴岡光行委員長が除幕式を行いました。

 碑文は、次のように刻まれています。

 「会社と組合は 車の両輪が道を行くが如く 相互信頼と相互責任を基礎とする労使の絆を 一層強固なものとし お客様の満足と社会への貢献を それぞれの期待を超えるまでに実現することで 労使宣言の精神とトヨタのモノづくりを 次の世代に引き継ぐことを ここに誓う」

 「労使宣言」とは、1962年2月、トヨタの社長とトヨタ労組の委員長が、「生産性の向上を通じ企業の繁栄と、労働条件の維持向上をはかる」などとうたって調印したものです。昨年2月で、50周年になるのを記念して「記念碑」がつくられました。

 「労使宣言」の柱は、「労使関係は相互信頼を基盤とする」というものです。後に「相互責任」が加わり、今回の碑文の中核になっています。このような「労使宣言」は、日本の企業の労使関係で特異なものです。

50 労使宣言50年記念碑


 労働組合は、企業から独立し、すべての組合員が要求で団結する組織です。今年2013年の春闘では、トヨタ労組は4年連続して賃上げ要求をしませんでした。このため、5年連続で賃上げがないという事態になりました。

 日本経済がデフレ不況から脱するには、賃上げが必要なことはいうまでもないでしょう。トヨタは、5年ぶりに1兆円を超える利益をあげました。今期は、1兆8000億円の利益を見通しています。

 労使の「相互信頼」と「相互責任」をうたう一方で、“労働条件の維持向上”のもっとも大きな賃上げが、長期にわたってありません。労働組合とは何か、労使関係はどうあるべきか、についてあらためて考えてみようではありませんか。
労働組合 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2013/06/19 05:45

◎民主党支持の押し付け そのいい訳は

 夏の参院選挙で、トヨタ労組やその上部団体の自動車総連は、民主党の磯崎(いそざき)哲史氏(日産労組出身)を組織内候補者=新人=として擁立しています。組合員に、磯崎氏を「支援する会」へ加盟させるなど、その支持を強要しています。

 しかも、民主党が昨年暮れの総選挙で大敗したことから、「超逆風」「非常事態ともいえる危機的な状況」と煽り、磯崎氏への支持押し付けをいっそう強めようとしています。

 衆院選挙では、組織内候補の民主党、古本伸一郎候補が小選挙区愛知11区(豊田市など)で、過半数ぎりぎりの51%の得票しか集められませんでした。実際、2カ月前のトヨタ労組大会では、代議員から「民主党に対する不信感・失望感の声も多く、一体いつまで支援をするのかという声が職場の組合員の中からも出ている」という声が公然と出たほどでした。

 民主党は、“政治を変えて欲しい”という国民・労働者の願いを裏切りました。「最低でも県外移設」といっていたのに、普天間基地に代わる辺野古への新基地建設を認めたり、自民、公明との3党合意で消費税の増税を決めるなど、「アメリカいいなり」「財界中心」の自民・公明の政治をそのまま引き継ぎました。マニフェストに掲げたことをことごとく踏みにじりました。

 このため参院選挙を前に、トヨタ労組の組合員からは、「そもそも、なぜ民主党を支援するのか?」「民主党は結局、何もしてくれなかったのではないか?」などの疑問、意見が出ています。

 そうした疑問に対し、「財界・経営者よりの立場に立つ自民党に対し、働く者や生活者の立場に立った民主党」とか、「どの党でも党内で政策を完全に一致させるのは極めてむずかしい」などといい訳をしています。

 その上で、民主党が実績をあげたといってもっぱらあげるのが、自動車販売増につながる自動車税制の見直しに手を付けたということです。自動車労働者の願いである労働条件向上のための民主党の実績は、なんらあげることができません。

 特定政党の支持を組合員に押し付けるのは、思想・信条の自由を保障した憲法を踏みにじるものです。ましてや、自民党や公明党と同じ“財界・経営者より”の民主党の支持を押し付けるのは、きっぱりやめるべきでしょう。

いそざき支援する会
(いそざき氏を支援する会への加入申込書)
労働組合 | コメント(6) | トラックバック(0) | 2013/04/11 17:06

◎「支援する会」への加入申込書を破り捨てた

 総選挙が12月に、参院選挙が来年夏におこなわれますが、昨日、このブログに「一組合員」から次のようなコメントをいただきました。

               ◇

 先日 組合の代議員からいそざき哲史支援する会の申込書に自分と他にもう一名書いて金曜日までに絶対提出してくれと言われました、過去になおしままさゆきを支援する会の申込書を同じように書きましたが、そう言うことでしたか。
いそざき氏の事務所に頭に来てたんで、文句言っておきました。
会社で浮きまくるぐらい知ったこっちゃないんんで、組合費は天引きされるけど、申込書は破り捨てました。

いそざき 申込書


               ◇

 このコメントは、ブログ「トヨタで生きる」に、昨年(2011年)12月2日にアップした、「組合費還付金と相殺 会費という名の民主党献金」に対して付けていただいたものです。

 http://toyotaroudousya.blog135.fc2.com/blog-entry-474.html

 昨年8月の給与では、組合費が1人平均1万2485円「還付」されました。今年8月には、同様に1万2768円が「還付」されました。

 「還付」されるからうれしいように感じますが、ブログでも明らかにしたように、ほとんどの組合員が事実上、強制加入させられている、「(全ト)参政会」会員は、「会費」(720円×口数)を相殺して「還付」するといいます。なんのことはない、「還付」金から「会費」が差し引かれているのです。

 トヨタ労組は、日産労組出身で自動車総連特別執行委員のいそざき氏を参院選候補に擁立し、組合員と同居家族が「支援する会」へ加入するよう、事実上強制しています。

 また、衆院選で4選をめざすトヨタ労組の組織内候補の古本伸一郎氏への「ひと言カード」の記入を同様に行っています。

 労働組合は、賃上げなどの要求で団結し、会社にその実現を迫るものです。特定の政党―トヨタ労組は民主党―の支持を組合員に押し付けたり、政治献金を強いるのは、思想・信条の自由を保障した憲法に反するものです。

 近づく衆院選、参院選では、こうした押し付けに反対していきましょう。

トヨタ労組評議会ニュース 201208
(トヨタ労組の評議会ニュース、2012年8月2日発行から)
労働組合 | コメント(7) | トラックバック(0) | 2012/11/18 11:11

◎連合大会 原発、有期雇用をめぐって討論



 連合大会を、前日に続いて労働ジャーナリストに投稿してもらいました。

         ◆

 連合大会は1日目の4日、今後2年間の運動方針の提案の後、代議員の討論が行われました。

 原発問題では、ライフラインの水道を守るために、放射性物質が飛散する中、決死の覚悟で復旧・復興にあたったことが報告されました。「ある労組委員長は、復旧にあたって死を覚悟した。住民を全員避難させ、次には若い(組合員を)まず避難させた。“最後に私は残る”といって頑張った」(全水道労組)。

 福島の医療生協の労組からは、高齢者の避難では集団的パニックが起き、手足を拘束せざるをえなくなり、2名の命を失うなど、「地獄絵のようだった」と報告。「原発事故は人災です」と訴え、原発事故の中ではこれまでの「防災マニュアルは全く役にたたなかった」とのべました。

 日教組の代議員は、古賀伸明会長があいさつで「最終的には原発に依存しない社会をめざす」とのべたことに対し、「いつになるのか懸念を感じる。せめて私が生きている間に実現してほしい」と皮肉りました。

 トヨタ自動車の期間従業員のような有期雇用労働についても意見が出ました。現在、厚生労働大臣の諮問機関で有期労働のあり方をめぐって労使が議論しています。連合の南雲弘行事務局長は、期間の定めのない労働(正社員)が原則である、合理的理由のない有期労働は認めない―が連合の対応だとのべました。

 サービス流通連合は、職場では有期雇用労働者が増大し、「今や基幹的労働者になっている」とのべ、有期雇用ではなく、「無期雇用の原則を(連合は)堅持してほしい」と注文しました。

 全国ユニオンからも、1年契約、3年上限という有期労働が女性のなかで増え、「事実上、25歳定年を強いられている」と報告。「合理的理由のない有期雇用は禁止するべきだ」と主張しました。

 自動車総連からは発言はありませんでした。



労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/10/05 08:54

◎連合が大会開く 原発に“最終的に依存しない”社会を


 トヨタ労組が加盟する労働組合の全国組織、連合の2年に1度の定期大会(第12回)が10月4日、2日間の日程で東京都内で開かれました。労働ジャーナリストに特別に投稿してもらいました。

              ◆

 今回の大会で連合に問われているのは、民主党政権との関係や原発問題です。2年前の連合の大会の直前、自民党から民主党に政権交代しました。連合は、組合員に民主党支持を押し付け、その最大の応援団になってきました。また、福島第一原発の事故をうけ、それまでの原発推進の政策を凍結していました。

 古賀伸明会長はあいさつで、「『脱原発』や『原発推進』という2項対立の議論を行うべきではない。原子力エネルギーへの依存度を低減し、最終的には依存しない社会をめざしていく必要がある」とのべました。

 これは、“最終的”には原発に依存しないというものの、当面は全国54の原発の稼働、再稼働を容認するという立場です。

 民主党政権については、「大きな期待に胸をふくらませたが、鳩山・菅政権は国政の停滞、混乱を招いた。多くの落胆と失望も感じてきた。野田政権は民主党政権再生のラストチャンス」と厳しい見方を示さざるをえませんでした。

 野田首相はあいさつで、「日本の発展の原動力は分厚い中間層があったから」とのべ、中間層の再構築をはかるとのべました。

中間層が減少したのは、非正規雇用労働者が雇用労働者の4割近くになっていることにあります。しかし、野田首相は、これをあらためるための具体的な政策については言及しませんでした。

20111004 連合大会
労働組合 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/10/04 13:57

立ちあがったソニーの22人の期間工

 東日本大震災で工場が被災したことを理由に、雇い止めされようとしたソニー仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市、労働者約1500人、仙台TEC)で働く期間社員(期間工)22人が雇用継続を求めてたたかっています。

 20~30代の青年たちで、電機連合加盟のソニー労組仙台支部に加入しています。仙台TECは、津波で建物1階が浸水し、設備が損害を受けました。青年たちは、自分が被災しながら会社の復旧に努力してきました。

 しかし、会社は正社員約280人の広域配転と期間社員約150人の雇い止めを強行しようとしました。青年たちは、ソニー労組に相談し、組合に加入して雇い止めの撤回を求めて立ちあがりました。

 会社の被害は、ほぼ全額が保険でまかなわれるといいます。ソニーのストリンガー会長は、年収が8億円を超えます。期間社員の年収は約270万円で、期間社員の雇用を維持するのに必要な額は4億円ほどです。

労組と会社の交渉や日本共産党の山下よしき参院議員の国会質問などで、雇用は1カ月単位で契約更新を続けています。現在、8月末までは雇用が維持されていますが予断は許しません。

 青年たちは、派遣労働を請負といつわる偽装請負で働かされてきました。厚労省宮城労働局から是正指導され、直接雇用の期間社員になっていました。

 期間社員は、労働基準法第14条にもとづく有期雇用(3年まで)で、期間従業員とも契約社員ともよばれています。トヨタ自動車は、生産労働者を一貫して期間従業員として雇用しています。

 ソニーの青年労働者たちは、契約期間3カ月、最長2年11カ月の労働条件で働いています。これは、トヨタの期間従業員とまったく同じです。

 ソニーを始め大企業は2008年のリーマン・ショックで“派遣切り”を強行しました。「労働者派遣法の改正を」の世論が高まる中、日産やマツダなど大企業は、雇用形態を派遣労働から法的規制がほとんどない有期雇用=期間従業員へ変えています。

 ソニーの青年たちが立ち上がったことについて、トヨタの労働者として大いに支援したいと思います。それは、トヨタの期間従業員の労働条件向上にもかかわっているからです。

 ソニーの青年たちのたたかいは、ブログ「22人の期間工の挑戦」で見ることができます。http://22samuraisunion.blog.fc2.com/

 ブログから引用させていただきました―。

「私たち組合員22人全員がきっと思っていることでしょうが、やはり毎日が葛藤です。本当に自分たちがやっていることは正しいのか? このままたたかっている意味はあるのか? 本当にこのままで家族を養っていけるのか? とてつもない就職難の状況の中、再就職先を探したほうがまだ良いのでは? こんなことばかり考えていて眠れない毎日です。何をやっていても楽しくないというのが正直なところです。

でも逃げ出したくはないです! 5年もソニーで働いてきた誇りがあります。正社員の誰にも仕事では負けていないと思っています。いいものを作りたいが為に、正社員に休憩を譲りながらも休まず設備を動かしていたこともあります。昼飯が夜になろうが、食べられない日があろうが、文句を言わず働いてきました。そこまでして一生懸命働いてきたのに、ゴミでも捨てるかのように解雇というのは悔しいです」

桜木 津波浸水
(津波で浸水した仙台テクノロジーセンターがある多賀城市桜木町周辺、柿色が浸水地域=昭文社の「復興支援地図」から引用)
労働組合 | コメント(11) | トラックバック(0) | 2011/08/17 09:32
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